一見似ているようで全く違う生き物。違うようで実は同じ生きもの。そんな紛らわしい生き物たちを一挙ご紹介していきます。これがわかればあなたも生きものマスターです
アザラシとアシカ
アザラシとアシカ、見た目は似ていますがよく見ると違う点がいくつもあります。
アザラシには耳介がなく穴が開いているだけですがヒレには5本の鉤爪があります。アシカは逆に可愛い耳介がありますが鉤爪はありません。
またアザラシは歩くことができないのでイモムシのように移動し、上半身を起こすことも出来ません。一方アシカは後ろヒレを体の下にたくし込むようにして歩くことができ、上半身を起こすことができ、芸をするのはアシカです。
アシカとオットセイ
アシカとオットセイの違いは体の大きさです。アシカよりもオットセイの方が小柄ですが耳介はオットセイの方が目立ちます。また、後ろヒレを見るとアシカはヒレが不揃いですがオットセイの場合は揃っていて長く、より水中での生活に適しています。
両者とも水族館ではショーを見せてくれますがオットセイの方がより体毛が多いのも特徴です。
アシナガバチとスズメバチ
アシナガバチとスズメバチは同じスズメバチ科に分類され見た目も生態もよく似ていますが、大きく違っているのはその性格と食性。
スズメバチはとても獰猛で攻撃的ですがアシナガバチは大人しく自分から人間を攻撃することはほとんどありません。
こんな両者の性格の違いからか、同じ肉食でも食べている昆虫の種類は大分違っているようです。
アシナガバチは動きがゆったりとしていて力もあまりないので動きの遅い毛虫や青虫、蝶などを主食とし、スズメバチは大きくて力強く飛行能力にも優れているのでバッタやトンボ、カマキリ、クモといった多くの昆虫を捕食し、時には他に種類のハチの巣と襲うこともあります。
あなごとうなぎ
食べればすぐにわかるあなごとうなぎ。生きている時もよく見ると似ているのは細くて長い体長だけ。
細かなところは全く違っています。まずは体表や形。うなぎは黒に近い灰色をしていて鱗がありますが、あなごは灰色で頭部から尾ビレにかけて白い斑点があり、尾ビレもうなぎは少し丸みを帯びていますがあなごの方は尖っています。更に顔つきも違います。うなぎの場合は下顎が出て少ししゃくれたような顔つきをしていますがあなごは上顎が出ています。
両者は生息場所も違っています。あなごは海に生息し産卵も海で行いますが、うなぎは河川などに生息し産卵だけ海で行う回遊魚で、調理した時の栄養価もうなぎの方がビタミンやカルシウムなどを多く含み滋養強壮に良いと言われています。
アヒルと鴨
アヒルはもともと鴨を家畜化したもの。生物学的に言えばマガモと同じ種類になりますが家禽化されたことで羽は小さくなり少ししか飛べません。一方鴨は飛ぶことができます。
最近は合鴨を使った料理等が人気ですが日本において合鴨とはほぼアヒルのことだそう。
アマランサスとキヌア
アマランサスとキヌアはどちらも今はやりのスーパーフード。ダイエットには欠かせない食材ですが、実は2つは全く違った植物。
アマランサスはヒエ科に分類される植物で、キヌアはアサガオ科に分類されます。種の色はどちらも淡黄色ですが大きさは僅かにキヌアの方が大きく、アマランサスは雑穀の中でも最も小粒と言われ1㎜以下しかありません。
食べ方にも違いがあり、一般的にキヌアは茹でで主食として食べますが、アマランサスはサラダにトッピングしたりとあくまで脇役です。
アマランサスの方が鉄分、カルシウム、マグネシウムは豊富に含まれますがタンパク質やカリウム、ビタミンなどはキヌアの方に多く含まれます。
アミエビとオキアミ
アミエビはとオキアミが似ているのは2種ともエビのような形をしていますがどちらもプランクトンに分類されます。大きさで言うと20㎜までがアミエビで40㎜までがオキアミです。
更に2種は生息域、生態なども違っていて釣り餌として販売されているアミエビはかなりの臭いがします。
狙う魚もアミエビの場合はアジやイワシ、メバルでオキアミの場合はグレ、チヌ、マダイなどの青魚です。
アメフラシとウミウシ
アメフラシもウミウシも殻の退化した貝類です。大きく分けると同じ仲間ですが細かい分類では違った目に属しているのですが、地域によってはアメフラシのことをウミウシというところもあります。
両者の生態的な違いはウミウシがカイメンやコケムシなどの動物性の食物を食べるのに対し、アメフラシはコンブや若芽といった植物性の物しか食べないということ。
またアメフラシは茶褐色の15㎝くらいの体長ですがウミウシは数㎝ほどで色や形のバリエーションに富み非常にカラフルであるということ。
アライグマとタヌキ
アライグマとタヌキは同じネコ目に分類される動物。アライグマは外来種ですがタヌキは昔から日本に生息しています。一見似ているように見える両者ですがよく見ると外見的な違いが3つほどあります。タヌキの顔には眉毛に黒い筋がないのですが、アライグマは眉間に筋があるので顔の黒い部分が繋がっているように見えます。
また土や雪の上についた足跡にも違いがあり、タヌキの場合手の平と指が離れてつきますが、アライグマの場合は一体化しています。更にアライグマには尻尾に明確な横ラインの模様が入りますがタヌキにはありません。
アリとハチ
アリとハチはどちらかというと私たち日本人は全く別々の昆虫として認識しています。しかし実はアリもハチも同じハチ目に分類されていて、アリはハチの一種ともいえるのです。日本に生息するアリのほとんどが毒針を持たないことや生殖以外では地面で生活していることからハチとは区別して考えられるようになりました。
ハチの中には成虫が翅を持たない種もあり、それらの外見は非常にアリに似ています。逆に繁殖のために結婚飛行を行う翅の生えた女王アリはまるでハチのようです。
アルマジロとセンザンコウ
アルマジロとセンザンコウは生態学上の分類も違う全く別の生きもの。たまたまウロコ状に変化した体毛で身を守るように進化した動物たちです。
両者のウロコをよく見るとセンザンコウの方はマツボックリのように重なり合ったウロコの先端が鋭く尖っていて防御だけでなく攻撃や反撃に役立ちそうな形をしていますが、アルマジロの方は板が並んだような平たい形をしているので防御することしか出きません。
見分ける時にはウロコの重なり具合を見ると良いようです。
アンモナイトとオウムガイ
アンモナイトもオウムガイも巻貝という点と古代生物という点で共通していますが、アンモナイトは既に絶滅しています。一方オウムガイの方は現在もオーストラリア近海の水深100~600mに生息しているという違いがあります。
更に貝の特徴を細かく見ていくとアンモナイトの方は巻きの中心に初期室という球状の殻があるのに対しオウムガイの方には初期室がありません。また界の模様もアンモナイトが出口に向かって膨らんでいるのに対しオウムガイの方は凹んでいるという違いもあります。
イイズナとオコジョ
イイズナもオコジョもどちらも日本に生息しているイタチ科の動物ですがいいずなは北海道や青森、岩手、秋田などの森林や平野で確認されているのみ。一方オコジョは本州中部から北部の1200m以上の山岳地帯に生息しています。
イイズナはイタチ科最小と言われる程小柄でその大きさは10~20㎝程度。オコジョはやや大きく10~30㎝。
尻尾の長さも身体に比例していてオコジョの尾の先端部分は黒くなっています。
イタチとフェレット
イタチと一言で言った場合、イタチ属に分類される哺乳類総称を指すのかそれとも日本に生息するニホンイタチの事を指すのかで話は大きく変わってきますが、イタチ属に分類される哺乳類全般を指す場合、フェレットはイタチの一種ということになります。
フェレットはもともとヨーロッパケナガイタチというイタチを改良した愛玩動物でニホンイタチと比べると若干フェレットの方が体が大きめです。
日本では野生のイタチは存在しますが野生のフェレットは存在していません。
イナゴとトノサマバッタ
イナゴもトノサマバッタも同じバッタ亜目の仲間です。大きさは通常はイナゴよりもトノサマバッタの方がやや大きいということになっていますが、これは比較の問題でその違いもわずかなものなのであまり参考にはなりません。
日本にはコバネイナゴ、ツチイナゴ、ナキイナゴ、セグロイナゴ等のイナゴが生息していて、これらのイナゴにはそれぞれに特徴がありますが、トノサマバッタの大きな違いは前脚の付け根に突起があるかどうかと後ろ肢の色がオレンジ色かどうかです。
イナゴ類には口元の舌の前脚の付け根に小さな突起があり、これはイナゴをひっくり返してみるとすぐにわかります。
一方トノサマバッタにはその突起はありません。またトノサマバッタの後ろ肢はオレンジ色をしていますがイナゴにはその変化は見られません。
イモリとトカゲ
イモリもトカゲも日本ではよく見かける!?生き物です。
イモリは水中や水辺に棲む両生類で幼体は水中で鰓呼吸をしますが生態は陸で肺呼吸をします。
一方のトカゲは爬虫類で生涯肺呼吸をしますが、見た目にそれをはっきり確認することはできません。
イモリとトカゲの見た目の明確な違いはよく見るとイモリの前肢の指が4本であるのに対しトカゲは5本あること。更にイモリにはウロコや爪がありませんがトカゲには両方がありまるで恐竜を小さくしたようであることです。
イモリとヤモリ
イモリは両生類ですがヤモリは爬虫類。紛らわしい生物の代表のようなイモリとヤモリ。
イモリは毒を持っていますがヤモリは家守の名前の由来らしく、毒は持ちません。
ヤモリは手に吸盤がついていて可愛らしく、直立の壁をスルスルと昇っていくことができますが、イモリにはそんな芸当はできません。
更にイモリの前肢の指の数は4本ですがヤモリの場合は5本あります。体にもイモリの場合ウロコや指の爪はありませんがヤモリには両方ともあり、逆にイモリに瞼はありますがヤモリにはありません。
イルカとクジラ
イルカとクジラ、一見見た目には大きな違いがありますが実は生物分類上の違いはありません。イルカもクジラも鯨類クジラ目ハクジラ亜目に分類され、違いといえば体の大きさだけ。その大きさにも明確な線引きがあるわけではなく、あくまで大きいものがクジラというわけ。ただし、イルカが成長して大きくなってクジラになるというようなことはありません。
インド象とアフリカ象
インド象とアフリカ象は名前の通りもちろん分布域も違いますが動物園で見たことがある人なら一目瞭然、体の大きさと耳の形が違います。
アフリカ象はアフリカの大地に相応しく体は大きく耳も三角形をしています。一方インド象の方は、体は小柄で耳も小さい四角形をしています。
更にもっと細かく見ていくと蹄や牙にも違いがあります。アフリカ象の前脚の蹄は4つ、後ろ肢の蹄は3つですがインド象は前足が5つで後ろ肢が4つあります。牙はアフリカ象が前方にカーブした長い牙を持ち、インド象の牙は短めです。逆に体毛はアフリカ象の方が短くインド象は毛深くなっています。
ウグイスとメジロ
春の訪れと共にあちこちで見かけるようになる小鳥たちですが、ウグイスとメジロは間違って覚えている人が多い野鳥のひとつ。
2種類の鳥を比べてみるとウグイスはお馴染みのホーホケキョ。ただしこれは繁殖期のオスが頻繁に出す鳴き声で他にもいくつかの鳴き声があります。一方メジロはスズメのようにチュンチュンと鳴くだけ。
身体の大きさはウグイスの方が若干大き目で、色は茶褐色。メジロは目の周りが白く縁どられ、体色はウグイス色をしています。
食性もウグイスは主に虫を食べるのに対しメジロは花の蜜や果汁を好みます。
メジロの体の色がウグイス色をしているということが、ウグイスとメジロが間違えられる要因になっていたようです。
エスカルゴとカタツムリ
エスカルゴとはフランス語ではカタツムリを意味する言葉で、日本人が使う場合は料理を意味することが多いようですが結論から言うとエスカルゴもカタツムリも同じということになります。
一般的に食用として使われるカタツムリはリンゴマイマイ、プティ・グリ、グロ・グリという3種類のカタツムリ。
食材として使われるカタツムリはブドウの葉を食べて育ったり、養殖されたりします。決して日本のカタツムリを調理したからといって同じ味にはならないようですし、何より寄生虫の心配があるのでご注意を。
オオクワガタとヒラタクワガタ
子供達に人気の顎の立派なオスのクワガタたち。良く耳にするオオクワガタとヒラタクワガタ、こだわる子供達には全く違いクワガタとして映っているようですが・・・・・
オオクワガタの大顎の先端部分に大きな内歯があり、そこから先には目立った鋸歯がありませんが、ヒラタクワガタの場合はこの内歯が大顎の付け根に近い部分にあり、その先先端までの間には鋸歯が多数存在しています。
オオクワガタに比べるとヒラタクワガタの方が大き目。日本では最大級のクワガタと言われ、最長110㎝程になります。
オオスズメバチとキイロスズメバチ
オオスズメバチはその名前の通りスズメバチの中でも大きいのが特徴で体長は女王バチで40~55㎜、働きバチで27~55㎜、オスバチで27~45㎜程あります。キイロスズメバチの方はややその半分くらいの大きさです。
オオスズメバチの尾端部は黄色く腹の二本目縞がとても細かく入っているのが特徴で、一方のキイロスズメバチは体全体に金色の毛が覆っていて縞模様はぼんやりしています。
巣の場所もオオスズメバチは土の中、キイロスズメバチは軒先や壁の中などに作ります。
オニヤンマとギンヤンマ
まるで古代の生物に遭遇したかのような衝撃をうけたオニヤンマとギンヤンマ。
大きな体で悠々と飛んでいるかっこいい姿は記憶の片隅で今も鮮明ですが、両者の違いはもう一目瞭然。
オニヤンマの体は黒のベースに黄色い線が入ったトラ模様、ギンヤンマの体は頭部と胸部が黄緑色で腹部が黄褐色。胸部と腹部の境界部分にオスは水色の、メスは黄緑色の線が入り、ぱっと見るとオスは鮮やかな青色に見え、捕まえてみると腹部裏側は銀白色になっています。
オルカとシャチ
オルカとシャチは同じ生物で、シャチの事をオルカともいいます。
シャチは獰猛な生き物として知られ人々から一目置かれる存在で、オルカの他にもキラーホエールなどという呼び名もある程です。
オルカという呼び名はもともとラテン語のオルキヌス・オルカに由来し、「冥界からの魔物」という意味を持ちます。
水族館では人に懐き見事なショーを展開してくれるシャチですが野生下での生態はまさにギャングそのもののようです。
ガガンボとガガンボモドキ
ガガンボにもガガンボモドキにも多くの種類が存在しているので一概に大きさで比較することはできません。
しかし、それぞれはれっきとした違う種類の昆虫でガガンボは双翅目に分類され、一方ガガンボモドキはシリアゲムシ目に分類されています。
ガガンボは日本全国に広く分布していますが、ガガンボモドキは寒冷地にのみ生息します。
よく見るとガガンボの翅は2枚なのに対してガガンボモドキは4枚。食性もガガンボは花の蜜などの草食ですがガガンボは肉食です。
カタツムリとナメクジ
カタツムリもナメクジも軟体動物で一般的には殻を持っているか持っていないかで見分けることができますが、ナメクジの中には完全に殻をなくしてない種類も存在しています。
生物学的分類ではカタツムリは巻貝の一種、ナメクジはもともとカタツムリでしたが殻が退化してなくなったものです。ややこしい言い方になりますが、ナメクジはカタツムリという陸貝が進化した生物ということになります。
カタバミとクローバー
カタバミとクローバー、よく見ると葉の形も花の色も生物学的分類も違う2種類の植物。似ているのはぱっと見た時の印象でしょうか。
カタバミはカタバミ科、クローバーはマメ科に分類されます。
クローバーは葉の形が広い倒卵形をしていて中央には部位時の白い模様が入り3枚の小さい葉に分かれています。
一方カタバミは長い柄の先端にハート形の葉を3枚つけて、日が陰ったり夜になると葉を折りたたみます。
花もカタバミは黄色くて小さな5弁の花をつけますが、クローバーの花は小さな蝶形の花が球状の総状花序を作り一つの花のようになっています。
カナブンとカメムシ
カナブンとカメムシは見た目にはっきりとした形の違いがあります。
カナブンは頭部が四角形で背面は平らになり、全身に光沢のある緑褐色や胴褐色をしています。
一方カメムシは頭部が尖った三角形になっていて細長い触角があり、種類によって茶褐色や緑色のものがいます。
カメムシの方は刺激を与えると尻部分にある臭腺から非常に臭い匂いを発します。
カナブンとコガネムシ
カナブンとコガネムシはカナブンとカメムシ程簡単には見分けられません。
成虫のカナブンはコガガネムシに比べ若干サイズが大き目で頭部と翅の付け根部分が大きめの三角形をしていて色も光沢のある茶色。一方コガネムシの方は同じ部分のパーツが丸みを帯びていて全体的に小さく、体の色も光沢のある緑がメインになっています。
両者とも翅を使って飛ぶことができますが、カナブンが前の翅を閉じ、後ろ翅だけで飛ぶのに対し、コガネムシは前の翅を開いたまま後ろ翅を使って飛びます。
カブトエビとカブトガニ
カブトガニとカブトエビは形がよく似ており、原始的な特性を現在に受け継いでいる生きた化石です。しかし似ているのはその形だけで大きさも生態も生物学的分類も全く違う生き物です。
カブトエビは節足動物の甲殻類ですがミジンコに近い存在。田んぼなどに生息し、体長は2~10㎝程度です。カブトガニは同じ節足動物ですがクモに近い存在で干潟の泥の溜まった海底に生息し、体長は50~60㎝程度です。
両者は名前こそ間違えやすいですが生物としては間違えようのない違いがあります。
ガマガエルとヒキガエル
ガマガエルとヒキガエルは実は同じカエルを指しています。日本の固有亜種であるニホンヒキガエルやアズマヒキガエルのことをガマガエルと呼ぶようです。その理由はガマガエルの蟇という字がヒキとも読めることからどちらの呼び方も定着していると考えられています。
カンガルーとワラビー
カンガルーとワラビーはどちらも有袋類に分類される哺乳類で生物学上での明確な違いはありません。
体の大きいものをカンガルーと呼び、比較的小型のものをワラビーと呼んでいます。大きさの目安はカンガルーが体長115㎝以上、ワラビーが25~75㎝。
カンガルーとワラルー
カンガルーの種類は6000年前には生息していたと言われる一種の生きた化石。3種類ほどが存在しているとされ、それらは体の大きさの違いで分類されます。体長115㎝以上のものがカンガルー、25~75㎝のものがワラビー、そしてその中間の75~115㎝のものがワラルーと言われます。
キジバトとドバト
キジバトとドバト、どちらもハトの仲間に違いはないのですが、公園でよく見かけるのはドバトです。
人馴れしやすく昔から伝書鳩として利用されてきました。一方キジバトの方は山に生息していて、遠くから聞こえる「デデーポッポー」の鳴き声の主。
見分けるポイントは首に青と黒の横島模様があるのがキジバト、ないのがドバト。更に翼にうろこ状の模様があるのがキジバト。更に細かく見ると尾羽根の先端の内側の色が白いのがキジバト。黒いのがドバトです。
キリギリスとバッタ
キリギリスはバッタ目キリギリス科キリギリス属に分類される昆虫です。つまり、広い意味ではキリギリスもバッタの一種ということになるのですが、いわゆるバッタと呼ばれている昆虫はバッタ目の中のバッタ科に分類される昆虫で、両者の違いは触角の長さ。
キリギリスは体よりも長い触角を持っていますが、バッタの触角は短く、比べるとその違いは一目瞭然。
また後ろ肢を比べると、キリギリスの方が長く、バッタは短い、キリギリスの前脚には大きい棘が沢山ありますがバッタには小さい棘が少しだけついているという違いや生息場所にしても、キリギリスはバッタに比べ背丈の高い植物の中に生息し人間が近づいても不用意に飛んで出てきたりはしませんが、バッタは低い草の中にいて人が近づくとすぐに跳びあがって逃げようとする習性の違いもあります。
金魚とベタ
ベタは闘魚とも呼ばれるメコン川流域原産の熱帯魚で金魚とは生物学上の分類が違います。
金魚がコイ科フナ属であるのに対し、ベタはオスフロネムス科ベタ属に分類されます。
体長は金魚の場合平均5~15㎝程ですがベタは6~7㎝程で金魚の方が圧倒的に大きくなります。種類に関してはどちらも豊富ですがカラーバリエーションの違いがあり、ベタは色鮮やかなメタリックカラー等が展開されています。
生態的にも違いがあるので飼育方法にも違いが出てきます。
ベタは熱帯魚ですから金魚では不必要な冬の加温が必要です。しかしラビリンス器官という特殊な器官を持つことで酸素の少ない狭い空間でも口を空気中に出して呼吸して生きていくことができます。これはすぐに酸欠になる金魚では有り得ないことです。
葛とかずら
葛とかずらは呼び方こそ違えど同じマメ科クズ属のツル性の日本原産の多年草のことをいいます。
クズの花は美しいディープパープルで藤の花が上向きになっているような形状、くず粉、くずもちなどの他にもせき、風邪の生薬である葛根湯という薬にもなっています。
クロサイとシロサイ
クロサイとシロサイは共に奇蹄目サイ科に分類される大型哺乳類で名前とは関係なくどちらもグレーの体色をしています。
シロサイの体重は2300kgでクロサイの体重はその半分くらい。クロサイは主にタンパク質の豊富なマメ科の大木の葉や小枝、果実を摘み取って食べるのでものをつまみやすい尖った上唇をしています。一方シロサイは主に地面の草をむしり取って食べるので幅の広い四角い唇をもっています。
毛虫と芋虫
毛虫と芋虫は体に毛があるかどうか。チョウや蛾の幼虫のうち全身に多くの棘や毛が生えているものを毛虫、それ以外のものを芋虫といいます。芋虫は円筒形の体に疣足を持っていますが毛虫と芋虫の明確な区別はありません。
芋虫の中で緑色のものはアオムシと呼ばれます。
ゲンジボタルとヘイケボタル
ゲンジボタルとヘイケボタルは分布域が違います。ゲンジボタルは本州、四国、九州の綺麗な河川に、ヘイケボタルは日本全土の水田や池、湿原に広く分布しています。
ゲンジボタルには背に十文字、ヘイケボタルには背に縦一線が入っています。飛び方や発光にも違いがあり、ゲンジボタルは曲線的に跳び1分間に25~30回、ヘイケボタルは直線的に飛び1分間ン位30~40回発光します。
山茶花と椿
山茶花と椿は両方とも赤色が綺麗な花ですが、よく見ると色々なところが違っています。
山茶花の葉はつやつやしていて大きさは3~7㎝、葉脈は白色です。一方椿の方は艶がなく縁がギザギザしていて5~12㎝ほど、付け根には細かい毛があります。
山茶花の花は開花の時期が晩秋から真冬にかけてで、開花時には花弁が開ききり開花後は花弁が一枚一枚ハラハラと散っていきます。一方椿の開花は晩秋から春にかけてで、開花時も花弁は開ききり開花後は花ごと落下します。
多くの品種が流通しているので花だけを見て判断するのは難しい面もあります。
シロイルカとスナメリ
シロイルカとスナメリは両方ともクジラの仲間ですが体長はシロイルカの方が断然大きく4~5.5m、一方スナメリの体長は1.5~2mほどしかありません。更にシロイルカのヒレは丸みがありアヒルのような尖った口をしていますが、スナメリのヒレは少し細長く形をしていて口も尖っていません。
体色もシロイルカは真っ白、スナメリは灰色がかかっています。
サメとエイ
サメとエイは見たらすぐにわかりますが、実は両者は同じ仲間。
サメは種類によって大きさも様々なので一概に体長で比較することはできませんが、エラの位置がサメは体の側面に、エイは腹面についています。
また体の形も違っていて、サメは紡錘形で発達した背ビレでバランスをとって泳ぎますがエイは海底にいる種類が多く扁平で海底に同化するようにして泳いでいます。尾ビレの原型が残っているサメ、進化して尾ビレがなくなったのがエイなのです。
サヨリとダツ
サヨリとダツは同じダツ目の魚でその形もよく似ています。
どちらも口が鋭く尖り、サヨリは下顎が長いのに対しダツは上顎も下顎も長く発達しています。またサヨリはプランクトンを主食とするため歯がありませんが、ダツは魚を主食とするので鋭い歯があります。
サヨリの体長は最大で40㎝程ですがダツは通常50㎝ほど、大きいもので1mを超えるものもいます。
ダツは単独行動をしていることも多く夜行性ですがサヨリは昼間に群れで行動します。
更にサヨリは癖のない淡泊な白身で美味ですがダツが食用として流通することはありません。
シマヘビとアオダイショウ
シマヘビとアオダイショウは見た目が全く違います。
シマヘビの成体には黒い縦縞が入りますがアオダイショウは全身ほぼ一色です。幼体においても全体的に赤っぽいものがシマヘビ、灰色から緑色っぽいものがアオダイショウです。
鈴虫とコオロギ
同じバッタ目に分類されるスズムシとコオロギ。
コオロギの体長は1~4㎝。黒っぽい体で頭が丸く寸胴です。後ろ肢が太く長く発達しているのが特徴です。
一方鈴虫は頭が小さく体長も1~2㎝前後。オスは翅の付け根が重なっていて三角形の体に見えます。両者は鳴き声にも違いがあり、鈴虫は「りんりんりん」、コオロギは「りゅりゅりゅ」や「コロコロコロ」と鳴きます。
鷹と鷲
鷹と鷲、日本にも生息している2種類の猛禽類ですが、実は鷹も鷲も同じワシタカ目ワシタカ科に分類される同じ生物。違いは大きさだけ。
オオワシとオオタカを比べてみるとオオワシの全長は80~100㎝、一方オオタカの前兆は50~60㎝です。しかしこれはあくまでオオワシとオオタカの場合。クマタカは鷹ですが70㎝以上あったり、カンムリワシという鷲は体長が55㎝程しかなかったりするので種類によっては鷲より大きい鷹、鷹よりも小さい鷲が存在するということになります。
これでは少しややこしいのでもう少し細かく見てみると鷹は尾が扇状に広がっているものが多く鷲の尾は直線状で外側には広がっていません。また鷹には独特の鷹班と呼ばれる模様がありますが鷲にはありません。そして最後に飛んでいる姿。鷲は飛んでいる時羽ばたいて飛びますが、鷹はめったにはばたかず気流に乗って飛びます。
タガメとゲンゴロウ
タガメとゲンゴロウ、どちらも水中をスイスイと泳ぐ水生昆虫で形も良く似ています。
タガメはカメムシ目コオイムシ科に分類される昆虫の一種で日本最大の水生昆虫で日本最大のカメムシ。一方ゲンゴロウはコウチュウ目オサムシ上科に分類されていて両者は生物学上違う昆虫です。
生態や食性等多くの点で相違があるタガメとゲンゴロウ。体長は若干タガメの方が大きいようです。
タガメとタイコウチ
タガメに似ている昆虫にもうひとつ、タイコウチという昆虫がいます。同じカメムシ目に分類され、生息域なども重なることが多いのでゲンゴロウよりも更に区別がつきにくいかもしれません。
大きな違いは体長。タガメは50~60㎜あるのに対し、タイコウチは30~35㎜程です。またタイコウチにはタガメのような攻撃的な一面は見られません。
タニシとカワニナ
タニシとカワニナはよく似た見た目をしています。若干の違いがあるとすればタニシがダイエット前、カワニナがダイエット後といった感じでしょうか。
それぞれは生息場所も違っていて、タニシは水辺の様々な場所で生活するのに対しカワニナは綺麗な水があるやや冷たい流れのある川や水路などに生息しています。
殻の模様にも違いがあり、カワニナには何本かの横縞が入り、殻の口を塞ぎきれませんがタニシは横縞は入りませんが殻口は完全に塞いでいます。
卵と玉子
卵と玉子に明確な違いはありません。しかし生物学上では「卵」と表記し調理されたものは「玉子」と表記することが多いようです。
ダンゴムシとワラジムシ
ダンゴムシとワラジムシはとても良く似た生態、よく似た形をしています。しかしよく見るとワラジムシは平べったくダンゴムシはドーム型をしています。そして素早い動きをするのがワラジムシ、動きが遅いのがダンゴムシ。決定的なのは触って丸って団子になるのがその名前の通りダンゴムシ、丸まらないのがワラジムシです。
蝶と蛾
蝶と蛾、綺麗なのが蝶で綺麗じゃないのが蛾と覚えている人は多いのでは?
ところが蛾の中にも実に綺麗な種類もいて‥‥生態の違でいうと蝶は昼間飛んでいますが蛾は夜行動します。更に蛾は翅を伏せるようにして止まりますが蝶は翅を閉じて止まります。更に触角。先端に行くにしたがってしゅっと細くなっているのが蛾、触角の先端が膨らんでいるのが蝶です。腹部も蛾は膨らんでいますが蝶は細くて小さ目です。
チンアナゴとニシキアナゴ
水族館で人気のチンアナゴとニシキアナゴ、両者の違いは模様と顔の形、そして性格です。
チンアナゴの顔は丸く、体表は灰色に黒のドット柄、ニシキアナゴの顔は面長で体表は白とオレンジの縞模様。
水族館では同じ水槽で飼育されることも多いチンアナゴとニシキアナゴですが何か危険を感じた時に素早く反応するのはニシキアナゴで、チンアナゴは若干反応が鈍目です。
ティラノサウルスとアロサウルス
恐竜の代表、ティラノサウルス。最大級の肉食恐竜と言われるアロサウルスとの違いは体の色々なパーツ。まずは頭、ティラノサウルスの脳の容量は大きく、比例して頭も大きいのが特徴でした。一方アロサウルスの脳はそれほど大きく、更には顎の力もティラノサウルスの方が圧倒的に強かったと考えられます。一方アロサウルスは発達した前脚の鉤爪と優れた運動能力も持っていました。
トカゲとカナヘビ
トカゲとカナヘビはどちらも有隣目トカゲ亜目に分類されるトカゲです。名前にはヘビとついていますが実はカナヘビもトカゲだったのです。多くの種類がいますがニホントカゲとニホンカナヘビを比べてみます。
トカゲとカナヘビの生態的な違いは、どちらも低地から山地に生息していますがトカゲは夜や雨天時は地面に潜って生活し、カナヘビは枯葉の下などで暮らしているということ。卵を産んだ後、カナヘビは産みっぱなしですがトカゲは羽化までの1ヵ月間メスが世話をすること。
見た目では尾の長さが違います。カナヘビの尻尾は全長の3分の2を占める程長いのが特徴ですが一方のニホントカゲは体長の半分程。体表はカナヘビが乾いたウロコ状、トカゲは細かいウロコで艶と光沢があります。
他にも観察しづらいですが、カナヘビの瞼は下から上に、トカゲはちょうど真ん中で閉じることや下の先がカナヘビの場合2又になっていますがトカゲは割れてないなど。
トカゲとヤモリ
トカゲとヤモリは、形はよく似ていますが生態や細かな部分のパーツには違いがあります。
外見上の大きな違いは瞼があるかどうか。トカゲには瞼はありませんがヤモリにはしっかりと瞼があるので目が出っ張ってちょっと怖く見えますがトカゲは優しい顔つきに見えます。
手足の指さきも違います。ヤモリは足の指の面積が広く吸盤上になっているので垂直の壁を這うことができますがイモリの足先は爪がありヤモリのような芸当はできません。
更に尻尾が太く、尻尾の付け根部分がくびれているのがヤモリ、くびれのないのがトカゲです。
どじょうとウナギ
どじょうとうなぎはその形態が全く違っていますし、生息している場所も違うので野生下ではもちろん、例え養殖下でも見た目で区別するのは簡単です。
どじょうの体長はせいぜい10~15㎝程度ですがウナギは大きいもので1mにも達します。大きさ以外では10本の口ひげがついているのがどじょう、ついていないのがウナギということも出来ます。
野生下でどじょうは水田や湿地などに生息していますが、うなぎは回遊魚で海と川を行き来しています。
トドとセイウチ
トドとセイウチは体の大きさが違います。セイウチはトドよりも一回り大きく、メスの場合は2倍ほども大きくなります。
成体になると更にセイウチは牙が生え、鬚も生えてきてモジャモジャとしてきますが、トドには牙も生えませんし鬚も控えめです。
更にトドには可愛い耳たぶがついていますがセイウチには耳たぶがなく、孔しか空いていません。
ドラゴンと龍
ドラゴンも龍もそもそも現実に存在している生物ではなく架空の生きもの。ですから違う生き物かどうかという話自体がナンセンスですが、共通のイメージとしては巨大な爬虫類型の生物。龍の場合は中国における伝説上の生物で神聖な存在として扱われています。一方ドラゴンの方は西洋で悪魔の遣いとして扱われベースとなっているのはトカゲやヘビなのだそう。
ですから違いは「扱われ方」ということになるでしょうか。
虎と寅
虎は動物、寅は干支です。そもそもは同じ動物を指しているのですが、使われ方に違いがあります。
ニホンミツバチとセイヨウミツバチ
ニホンミツバチもセイヨウミツバチもどちらも日本に生息している2種類のハチですがセイヨウミツバチは野生化せず養蜂場にのみ存在しています。
両方の個体を比較すると日本ミツバチの方が一回り小さく、胴体の模様がはっきりとしているため色が黒っぽく見えます。一方セイヨウミツバチは全体の色が黄色っぽく見え、縞模様の幅が命婦に近づくにつれ狭くなっているのが特徴です。
ヌートリアとカピバラ
ヌートリアとカピバラはどちらもオーストラリアに生息する齧歯類。見た目も良く似ていますが、大きさは全く違い、細かい相違もいくつかあります。
ヌートリアはカピバラの約半分ほどの大きさで前歯はオレンジ色をしていて外から確認できますがカピバラの前歯は白くて外からは確認できません。尻尾もヌートリアには長い尻尾がありますがカピバラにはありません。
日本においては、ヌートリアは害獣としてドブネズミのような扱いをされ、カピバラはキャラクター化されて子供たちの人気者という大きな違いもあります。
バイソンとバッファロー
バイソンとバッファローは何となく呼び方や全体のフォルムが似ていますが、実際バイソンはアメリカやカナダに生息し、バッファローはインドやネパールなどに生息しています。
体の大きさは両者とも同じくらいですが、角の大きさは違います。バイソンの角は短く最大でも50㎝程度なのに対し、バッファローの角の平均は1m、長いものでは4mを超す個体もいます。
バカガイとハマグリ
バカガイやハマグリはスーパーなどではきちんと表示されて間違えようがありませんが、実際に貝だけを見るとなかなか見分け方が難しいものです。
両者の違いは貝殻の付け根部分を見ることで判別することができます。
バカガイの後端部は淡い紫色をしていて殻が薄いのが特徴。一方ハマグリの場合は殻が厚く、重量感があり付け根の後端部には黒い出っ張りがあります。
ハクビシンとイタチ
ハクビシンとイタチは体つきが似ていますがよく見ると体の模様や尻尾の長さなど大きな違いがあり、間違えるということはありません。
名前の由来にもなっている鼻筋の白い線はハクビシンの最大の特徴です。イタチは鼻周りが暗褐色で口元部分だけが白っぽくなっています。体の大きさもイタチの20~30㎝に対し、ハクビシンは50~70㎝と大きめです。
ハクビシンとタヌキ
ハクビシンもタヌキも同じネコ目の仲間。どちらも果物や野菜などを好んで食べる習性は似ています。
しかしぱっと見た時にイヌに見えるのがタヌキ、ネコに見えるのがハクビシン!?
具体的には尾の長さと鼻先を見ます。タヌキの尾は地面に付くほどの長さはありませんが、ハクビシンは胴の長さと同じくらい長い尾を持ちます。更にタヌキの鼻先は顔に黒い模様が入り鼻先も黒色ですが、ハクビシンの鼻先はピンク色をしています。
バジルとパセリ
バジルとパセリはどちらも多くの種類が販売されていますが、どれも見た目は全く違います。共通点としては消化促進作用に優れているという効能のみ。
どの種類のバジルもパセリ程葉は細かくなりません。パセリの葉の一枚の大きさはとても小さく密集しています。また植物の生え方も違っていて、バジルは成長し1mほどの高さ以上になることもありますが、パセリの場合は50㎝程度です。それぞれ香りの違いもあります。
バッファローと水牛
バッファローとスイギュウは同じ生きものを指しています。インドやネパール、バングラディッシュ、ミャンマーなどに自然分布しています。バッファローをアフリカに生息するアフリカスイギュウと区別する為にインドスイギュウやアジアスイギュウなどと呼ぶこともあります。
ハリセンボンとフグ
ハリセンボンもフグも刺激が加わると風船のように膨らむフグ目に分類される魚ですが、ハリセンボンにはウロコが変化した無数の棘があり、フグには棘がありません。
口を開けた時に上下に2本の歯があるのはフグで、一本ずつしかないのがハリセンボンです。
ハリモグラとハリネズミ
ハリネズミとハリモグラは一見とても似た雰囲気を持ちますが、生物学上の分類は違っています。
ハリネズミはハリモグラの半分ほどの大きさで10~20㎝程しかありません。体重で比較すると10分の1程になります。
ハリネズミの吻は尖っていて長いくちばしのような形をしています。また針の太さはハリモグラの方が太く危険でハリネズミのように手でそっと触るというレベルではありません。
ハルジオンとヒメジョオン
ハルジオンとヒメジョオンは同じキク科の仲間ですが違う植物です。ハルジオンの開花は4~5月頃で糸のように細かい花びらの花です。葉の付け根部分は茎を巻くようになっていて、更に茎の中は空洞。一方ヒメジョンの方は開花の時期が5~8月頃でハルジオンに比べると花びらに幅があり、葉のつき方も茎にダイレクトにつき、更に茎の中には白い綿のようなものが詰まっています。
羊と山羊
絵の世界では山羊と羊ははっきりと区別できることがほとんどですが、実物を目の前にすると山羊か羊かわからなくなることはしばしば。
両者は生物学上で同じウシ科ヤギ亜科に分類されます。
生態的には山羊が草以外に木の芽や木の葉などを好んで食べるのに対し、羊は草以外の食べ物を消化することができません。
形態的な違いでは山羊の角は湾曲して後ろに伸びていることが多く、尻尾は上向きで顎にヒゲが生えていますが、羊の角は渦を巻いていて、尻尾は長く下向き、顎にはヒゲがありませんが全身に長めの毛が生えています。
性格は山羊が好奇心旺盛で活発なのに対し、羊は温厚で優しく臆病で優柔不断です。
ピューマとジャガー
ピューマとジャガーは同じネコ目の動物ですが分布域や体の模様が違っています。ピューマは北アメリカに生息していて体は無地でメスのライオンに似ているのでアメリカライオンともいわれています。一方ジャガーは南米アマゾン流域のジャングルに生息し、体にはヒョウに似た黒い斑点が入ります。
ヒョウとジャガー
ヒョウとジャガーは同じネコ目に分類される生物ですがヒョウはアフリカやアジアに生息し、ジャガーはアメリカ大陸に生息しています。
ヒョウよりもややジャガーの方が体格が良くがっしりした体つきをしています。
体表にある模様もよく見ると違っていて、ジャガーの梅花紋の中に更に黒い点があり、一方ヒョウの場合は梅花紋の中の黒い点はありません。
ヒョウとチーター
ヒョウとチーターはどちらもネコ目ネコ科の動物。紛らわしい点が多くありますが、ヒョウの方がチーターよりも分布域が広くサバンナや熱帯雨林、半砂漠等様々な環境に生息しています。
チーターの体つきはヒョウに比べると小柄。頭も小さく手足も細くスラリとしていて速く走ることがとても得意です。
体表の柄もヒョウは梅花紋ですがチーターの場合は黒く塗りつぶされた円形の斑点です。
チーターの顔は目元から顎にかけて黒ラインが入っているのもヒョウとの違いです。
ヒヨドリとムクドリ
ヒヨドリもムクドリもスズメ目に分類される野鳥です。
ムクドリはヒヨドリも一回り小さく、全体的に茶褐色ですがくちばしと足元が黄色やオレンジ色をし、群れで行動しています。一方のヒヨドリは全体的にモノトーンで行動もつがい、もしくは単独行動です。
鳴き声にも違いがあります。ヒヨドリはヒーヨ、ヒーヨ」とか「ピーピーピー」「ピヨピヨピヨ」という可愛らしい鳴き声をしていますがムクドリは「キュルキュルキュル」や「ギャーギャーギャー」「ミチミチ」という少々濁った声で鳴き、群れでなくことから騒音レベルです。
ヒラメとカレイ
「左ヒラメの右カレイ」という言葉は有名ですが、目を上になるようにしておいた時、頭が左を向くのがヒラメ、右を向くのがカレイです。ところが‥‥これは日本国内に流通しているヒラメとカレイだけ。海外では目の位置が逆のものもいます。
目以外の見分け方では口の形です。ヒラメは小魚などを主食とするため口が大きく、鋭い歯を持っています。一方カレイはゴカイやコエビなどを主食とするので口は小さくおちょぼ型をしています。
形の非常によく似ていて同じカレイ目に分類されるヒラメとカレイですが、味や食感は全く別物です。ヒラメは小魚を追ってよく動いているので身が引き締まっていて刺身で食べると美味ですが、カレイの方はあまり動かないので柔らかい身をしていて煮つけや唐揚げなどに向いています。
フクロウとミミズク
フクロウとミミズクの違いは羽角と言われる耳のようなものがあるかないか。ミミズクには羽角がありフクロウにはありません。どちらも幾種類かが日本に生息していますが、ポイントはひとつです。
豚と猪
豚はもともとイノシシを家畜化したものです。日本では野生のイノシシが西日本を中心に生息しています。
豚はイノシシの頭を小さくし、胴を長くし、牙を短くし、産子数を多くし、性質を大人しい方向に品種改良した生物です。
ブヨとアブ
ブヨとアブ、どちらもこれからの時期あまり関わりたくない虫たちですが、ブヨは蚊の仲間でアブはハエの仲間。
どちらもヒトが刺されたり、噛まれると害があることは共通していますが、両者は全く違う昆虫です。
ブヨの体長は数ミリ程度ですがアブは数㎝程あります。またブヨには毒があり噛まれると長期間にわたって腫れあがることがありますがアブには毒はなく噛まれた時にチクっとした痛みを感じる程度です。(人によっては腫れる場合も)
活動期間はブヨの方が長く3~9月、一方アブは気温の高い7~9月までです。
プレーリードッグとミーアキャット
プレーリードッグとミーアキャットは生息域も生物学上の分類も、そして体つきも全く違う生物。違いは写真を見れば一目瞭然のような気もしますが・・・。2種類が何故混同されるのかは、名前の響きが似ているから!?それとも直立不動で周りの様子を窺う仕草が共通しているからでしょうか。
プレーリードッグは北米に生息するネズミ目リス科の動物で草食ですがミーアキャットはアフリカに生息するネコ目マングース科の肉食動物です。
ちなみにミーアキャットは警戒以外に日光浴をするときにも直立不動の姿勢をとります。
ヘッピリムシとへこきむし
ヘッピリムシとへこきむしはどちらも「屁」のつく名前ですが実は違う昆虫を指しています。
ヘッピリムシはミイデラゴミムシのこと。そしてへこきむしはカメムシの事を言います。
ヘッピリムシは1.6㎝程の大きさで国内では北海道から奄美大島まで生息し、敵から攻撃を受けると100℃以上にもなる強い匂いの液体を爆発的に噴射します。
一方へこきむしと言われているカメムシは、敵の攻撃に対し腹面にある臭腺から強い匂いの分泌液を飛散させます。
ホトトギスとウグイス
ホトトギスはスズメより大きい28㎝程で全身灰色か黒褐色。胸と腹部分は白色で黒の縞模様が入り、目の周りは黄色をしています。鳴き声は「キョッキョッキョッ」。春の終わりごろに渡ってくる渡り鳥です。
一方ウグイスはスズメよりも小さい15㎝程で全身は暗めのオリーブ色です。鳴き声はお馴染みの「ホーホケキョ」です。
どちらもカッコウ目の鳥ですが、ホトトギスは自分の卵をウグイスに育てさせ、両者は托卵関係にあります。
マンタとエイ
マンタと呼ばれる生物にはオニイトマキエイとナンヨウマンタと言われる2種類がいてどちらも回遊性でオキアミや小魚を吸い込んで主食にしています。泳ぐことでエラに海水を送っているので泳ぎ続けなければなりません、
一方エイは基本的には海底にいて泳ぎ続ける必要がありません。
マンタには歯も顎もありませんが、エイは硬い顎を持っていて、海底で魚や貝を嚙み砕いて食べています。
それぞれの泳ぎ方は、マンタはまるで海中を羽ばたくように泳ぎ、エイは側ヒレを波打つように動かして泳ぎます。
口の位置もマンタは前方に、エイは下向きについています。
マントヒヒとマンドリル
マントヒヒとマンドリル、どちらもオナガザル科に分類される霊長類ですが、見た目が明らかに違います。
マントヒヒは肌色の顔ですがマンドリルの顔はとても賑やか。赤や白の模様が入り、派手な方がメスにもてるのだとか。
更に生息している場所も、両者は同じアフリカ大陸ですがマントヒヒは草原や岩場に、マンドリルは熱帯雨林に生息しています。
性格はマントヒヒの方が気の荒い傾向にあり、マンドリルは穏やかと言われています。
ミミズとイトミミズ
ミミズとイトミミズはどちらも同じ環形動物門に分類される仲間です。イトミミズは体長8~10㎝、細く赤色をしていて通常水中で生活していますが、乾燥にも強いので水のない場所では集まって丸い塊になっています。
ミミズは体長10~20㎝、普段土の中に生息していて雨が降ると地中近くまで出てきます。
ムカデとゲジゲジ
ムカデとゲジゲジの違いは一目瞭然。
ムカデは種類が多く体長は種類によって60~200㎜程度、肢は短く体の1つの節に1対、全部で21対程あります。一方ゲジゲジは体長40㎜程度で足がとても長く、一つの節に2対ついて合計15対程です。
見た目の印象で言うとムカデはニョロッとしていて、ゲジゲジはワサッとしています。
2種とも毒を持ちますがムカデの毒は強く危険ですがゲジゲジの毒は弱くほぼ無害です。
ムカデとヤスデ
ムカデは種類によって60~200㎜程度、肢は短く体の1つの節に1対、全部で21対程あります。
一方ヤスデは体長10~25㎜程度、ムカデよりも小さく、森林や畑、家の庭などの湿った場所に生息しています。全体に丸日を帯びた体をしていて刺激するとくるりと丸くなります。肢は前の3節は1節に1対ずつ、痕の節には1節に2対ずつついています。
ムカデは強力な毒顎を持っていますが、ヤスデに鋭い顎がない代わりに体から刺激臭のある体液を分泌します。
虫と蟲
蟲はネズミや爬虫類などの下等な動物、魚類などの動物以外の生物を含み、更に現在では虫の中でもムカデやイモムシなどを指すこともあります。
一方虫は人間、鳥類、獣類、魚類、貝類以外の小動物を意味し、特に昆虫に対して使われる言葉です。体内に住む寄生虫なども虫と書きます。
明太子とたらこ
たらこはスケソウダラの卵巣を塩漬けしたもの、明太子は一般的には辛子明太子の事をいい、スケソウダラの卵巣をとうがらしを用いてその他の調味料で味付けしたものです。たらこは北海道白老町の虎杖浜が有名で、明太子は福岡県が有名です。
モモンガとムササビ
モモンガとムササビは同じリス科の動物でどちらも夜行性で食性もほとんど同じです。
ムササビは日本の固有種で本州から九州にかけての平地から山地にかけて生息しています。一方モモンガは世界中に色々な種類が存在し日本にはニホンモモンガとエゾモモンガの2種類が山地に生息しています。
体の大きさはムササビが25~50㎝、モモンガは15~20㎝で滑空はムササビが勢いよく座布団のように100mほど飛び、モモンガはゆっくりと20~30㎝程度ハンカチが舞うように飛びます。
その他の特徴としてはムササビには顔に白門と呼ばれる白い帯模様があり尻尾が円錐形であること、一方モモンガは体に対する目の割合が大きく尻尾は扁平であること、更に鳴き声はムササビが「グルルルルー」でモモンガが「ズイズイズイ」
ヤマアラシとハリネズミ
ヤマアラシもハリネズミも体表に針のある動物として知られていますが生物学上の分類は全く別の生物でハリネズミハリネズミ目に分類されるモグラの仲間でヤマアラシは齧歯類に分類されるネズミの仲間です。
更に体長はヤマアラシの方が断然大きく60~90㎝、ハリネズミは手の平サイズの15~20㎝ですから間違えようがありません。
ヤマアラシは針を使って積極的に攻撃を仕掛けますが、ハリネズミは敵が現れた時の防御にしか針を使いません。
ユリとカサブランカ
カサブランカはオランダで改良された、ユリ科に分類される植物。
純白で大輪の花を咲かせ、香りが強いのも特徴です。白いユリとの見分け方は、カサブランカは蕾が茎に対して垂直に横向きに付き、花もうつむき気味に咲きますが、ユリの場合は茎に対して蕾が上向きにつき花も上向きに咲きます。
更にカサブランカは花の内側には小さな突起があり、花が咲くにつれて花弁が大きく反り返る特徴もあります。
ラーテルとクズリ
ラーテルもクズリも同じネコ目に分類される哺乳類。生息地はラーテルがアジアやアフリカ大陸なのに対し、クズリは北極圏を含む北半球北部に広く分布しています。
体長は同じ位ですが印象はラーテルの方ががっちりした体型に見えます。ラーテルは体全体が白と黒の毛に覆われていて、皮膚は分厚く、頭部から背中にかけては伸縮性があるのが特徴。一方クズリは全体的に黒や濃褐色の毛に覆われていて、尻尾の方には明褐色の帯模様が入っているのが特徴です。
見た目以外ではラーテルは毒に対する耐性や危険時に体液を噴射する臭腺を持っていますがクズリはそのような武器を持っていません。
龍と竜
龍も竜も実際には存在しない架空の生きもの。どちらも同じ架空の生物を指していますがイメージ的には龍が東洋のもの、竜はドラゴンと同意で西洋のものであるようです。
ロブスターとザリガニ
ロブスターとザリガニはどちらも十脚目に分類されるザリガニですがロブスターは海水に生息していてザリガニは淡水に生息している点が大きく違っています。
見た目に大きく違う点もなく、味もロブスターはもちろんですがザリガニもそれなりに美味のようです。
良く似た生き物のまとめ
いかがでしたでしょうか。知っているようで知らなかった、似ている2つの生きものたち。
ちょっとしたあなたの知識ポケットに。