皆さんはタニシとカワニナの違いをご存知でしょうか?
え、同じじゃないの?なんて言っている方はいませんか?
今回はタニシとカワニナの違いについて詳しくお話していきます。
カワニナの特徴と生態
カワニナはカワニナ科に分類される巻貝の一種で東アジアの淡水域に棲む細長い巻貝。
ゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫のエサとしての知られています。
日本にはカワニナ類のうち2科が分布しており、琵琶湖水系からは独特の種分化を遂げた十数種ものカワニナ科の固有種が知られています。
また、南日本の汽水域にはタケノコカワニナ、トゲカワニナ科の複数種が分布していますが、外見が似ているので同定は難しいとされています。
日本に生息するカワニナは19種類3型で、タケノコカワニナの成貝は殻長60㎜、殻径が23㎜に達します。
本州南部、四国、九州に分布し、南日本の固有種。
体層は丸みを帯びますが、貝殻全体はふくらみがなく、円錐形に近い形をしています。
和名は直線的な貝殻がまっすぐのびるタケノコに似ていることから名前が付けられました。
大型の個体では殻頂が侵食されてかけているものが多く、貝殻表面はほぼ平滑で鈍い光沢があり、色は一様な黒褐色、濃藍色、黄褐色などです。
河川改修や環境汚染の影響で生息域は減少し、水系によっては地域個体群が一気に危機に陥ることもあります。
2007年版から絶滅危惧Ⅱ類として掲載されています。
タニシの特徴と生態
タニシは腹足鋼原始紐舌目タニシ科に分類される巻貝の総称で、南米と南極大陸を除く各大陸とその周辺の淡水に生息しています。
日本にはマルタニシ、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシの4種が生息しており、水田や用水路、池などに分布しますが、分布域は種類によって異なり、ナガタニシは琵琶湖だけの固有種です。
また、マルタニシとオオタニシは北米に人為的に移入されて各地で繁殖し問題となっています。
タニシ科の全ての種が卵胎生で、かなり成長した仔貝を産みます。
殻高は1~8㎝程度で、5㎝以下の種類が多いのが特徴。
殻は全ての種が右巻きで、色は白色~淡褐色です。
北海道から沖縄に広く分布しているマルタニシは全体的に丸みを帯びたタニシです。
大型のタニシで古来より食用とされてきました。
乾燥に強く、農閑期の水田や干上がったため池などでも泥に潜って耐える事が出来ます。近年は農薬の影響などで準絶滅危惧種に指定されています。
琵琶湖の固有種であるナガタニシは殻皮が緑っぽく、殻の畝の上部が平たんになっているのが特徴です。
タニシとカワニナの違い
タニシとカワニナの違いは一見区別がつかないように思われますが、よく見ると細かな違いがあります。
一般的にはタニシはクリのようにずんぐりとした形をしているのに対し、カワニナはほっそりしている、と言われています。
また、生活環境も違うので生息場所も違います。
タニシは水辺の様々な場所で生活しています。
川や水田、池や水路などとても広い範囲で生きていけますが、カワニナは水が綺麗でやや冷たい流れのある川や水路などに広く生息し、山間部であれば水田などでも見ることが出来ます。
まず、カワニナは殻に横縞が入るのに対し、タニシは横筋が入りません。
カワニナの横筋は殻底助と呼ばれ、2~12本程あります。
殻口を塞ぐための蓋はタニシでしっかりしています。
タニシの場合は完全に蓋が締まった状態になるのに対し、カワニナはきっちり閉まりません。
カワニナの殻口上端と蓋の間からは体の一部が見えます。
タニシとカワニナの違いのまとめ
タニシとカワニナは生息場所が違う
タニシの殻には横筋が入らないが、カワニナの殻には横縞が入る
殻口を完全にふさいでいるのがタニシで、塞ぎきれないのがカワニナ
(ライター ナオ)