金魚の水槽にタニシ?

何となく馴染んでいる光景のように思えますが、これって本当に大丈夫なの?

タニシと金魚が一緒の水槽で飼えるかどうか検証します。

タニシの特徴と生態

タニシは腹足鋼原始紐舌目タニシ科に分類される巻貝の総称で、南米と南極大陸を除く各大陸とその周辺の淡水に生息しています。

日本にはマルタニシ、オオタニシ、ナガタニシ、ヒメタニシの4種が生息しており、水田や用水路、池などに分布しますが、分布域は種類によって異なり、ナガタニシは琵琶湖だけの固有種です。

 

また、マルタニシとオオタニシは北米に人為的に移入されて各地で繁殖し問題となっています。

タニシ科の全ての種が卵胎生で、かなり成長した仔貝を産みます。

殻高は1~8㎝程度で、5㎝以下の種類が多いのが特徴。

 

殻は全ての種が右巻きで、色は白色~淡褐色です。

北海道から沖縄に広く分布しているマルタニシは全体的に丸みを帯びたタニシです。

 

大型のタニシで古来より食用とされてきました。

乾燥に強く、農閑期の水田や干上がったため池などでも泥に潜って耐える事が出来ます。近年は農薬の影響などで準絶滅危惧種に指定されています。

琵琶湖の固有種であるナガタニシは殻皮が緑っぽく、殻の畝の上部が平たんになっているのが特徴です。

金魚とタニシを一緒の水槽にいれると・・・

金魚とタニシは飼育の適温が同じ位。

タニシは25~28℃、金魚は20~28℃と言われていますので、その条件だけを見れば一緒に飼育することは可能です。また、水質に関しても両者とも中性を好みますので、その点も良いと言えるでしょう。

 

このような快適な環境下ではタニシはどんどんと増えていきます。

小さなタニシの子供がびっちりと水槽に張り付く事態になりかねません。

メスのタニシはオスの精子を体内に蓄えておくことが出来ます。種類によっては1年も経加え続けることが出来るものもいるようです。

 

ですから、例え水槽にメスしかいなくても、1年間は仔貝を産み続けることが出来るということになります。どのようなタイミングで産むのかはわかりませんが、快適な環境下で放っておけば・・・・・という話です。

水槽内のバランスが崩れるとしたら、金魚の糞をそのままの状態にしてしまった時。

 

糞を放置しておくと水質は酸性に傾き、これはタニシにとってはあまり快適な環境とは言えません。

また、金魚はタニシの殻の蓋の隙間から身を吸い取るように食べることがあります。

 

つまり、捕食の関係なることがあるということ。

逆にタニシの持っている寄生虫が金魚に悪影響を与える可能性もあります。

 

特に川や田んぼで拾ってきたタニシにはどんな寄生虫がついているかわかりません。

ジャンボタニシの場合は水槽に入れていた水草などを食べてしまう可能性もあります。

 

これらの可能性を把握し、リスクを了解しながら金魚とタニシを一緒に飼育している人は沢山います。

毎日の観察や手入れなどを怠たわなければ、金魚とタニシを一緒に飼育することは十分に可能だと言えるでしょう。

 

ちなみに、タニシとよく似たカワニナは、金魚と同じ水槽で飼育するのは無理。

そもそもカワニナ自体を見つけることが困難なのですが、カワニナはもともと綺麗な冷たい水系に生息している生き物ですから、金魚と同じ環境での飼育はできません。

金魚とタニシは同じ水槽で飼えるかについてのまとめ

金魚とタニシは管理さえきちっとすれば、同じ水槽で飼育することは可能。

タニシの仔貝が増えすぎる、タニシが金魚に食べられることがある、タニシの寄生虫が悪影響を及ぼすなどのリスクはある。

タニシによく似たカワニナは飼育すること自体が難しく、金魚と同じ水槽でも飼うことはできない。

(ライター ナオ)