一般的に知能の高い動物と言えば脳の割合が大きい哺乳類の一種がよく例になりますが、人間との類似点の少ないイカにはいったいどれくらいの知能があるのでしょうか。

イカの生態

イカは、タコ・ナメクジ・ウミウシなどに代表される軟体動物の一種で、非常に柔軟な構造をしています。

しかし軟体ではあるものの、筋肉はとても発達しており力強い一面もあります。

胴体のように見える頭部からは複数の腕が生えていて、これらを自在に操ることで移動や捕食を可能にしています。

さらにその腕には吸盤が付いていて、筋肉質な腕による締め付けに吸着力を加えることで獲物を逃がさないようにしているのです。

 

また移動の際に漏斗から海水を噴出することで急激な推進力を得て泳ぐということもしています。

こうして比較的小さな魚類や甲殻類を捕食しますが、イカには天敵も多く存在しているため常に危険が多いです。

 

大型の魚類や鳥類、海洋哺乳類まで幅広く、具体的にはカモメ・マッコウクジラ・アザラシ・マグロ・カツオ等に食べられてしまうことが多いのです。

 

イカはこうした長い歴史の中で危険にさらされてきたため様々な防御反応ができるよう進化しており、その一つは敵に捕まった時に腕を自ら切断することで逃走すること、次に墨を吐くことで自分自身に擬態させ相手をかく乱させることなどができます。

 

さらには体色を変化させることまでもできます。

イカの皮膚には色素細胞が非常に多く含まれていて、周りの環境に合わせて体色を変化させられるため敵に見つかりにくくすることができます。

 

体色は保護色のように使うだけでなく、自分自身の精神状態を表すこともできると言われています。

イカの知能は高い?

無脊椎動物の場合、知性を持った人間のような生き物とは構造がかけ離れているため、一般的には知能の低い種類が多いという認識ですが、イカの場合は無脊椎動物の中でも体に対する脳の割合が大きく知能が高いのではないのかと注目を集めています。

 

実際に観察してみるとその場の状況に見合った行動をすることが分かるため知的な動物であることが見えてきます。

 

またイカの知能の発達に関係しているとも言われていることに、目の機能の良さが挙げられます。脳と同様に目の大きさの割合も大きく、機能も良いため、状況を目で判断する動物であることが分かっています。

現代では天敵が多く捕食対象になることが多いですが、将来、2億年ほど未来にはイカが人間に代わって地球を支配している可能性もあると考えられています。

 

イカには社会性もあると見られていて、ソーシャルネットワークのように個体同士が関わり合い、社会的な地位もあることから進化を続けていった場合文明を持つことも考えられるようなのです。

知能を測るテストとは

イカの判断力などを見ていると高い知能を持っていることが分かりますが、具体的にその知能を測るための手法の一つに自己認識のテストがあります。

 

このテストでは鏡を見たときに映るものが自分であるということを理解できるかどうかを観察します。

 

体の一部をマーキングし鏡に映すことで自分自身のマーキングされた部位に関心を持つかどうかを判断しています。

実際このテストでマーキングされたイカは鏡そのもの及びマーキングされた部位に着目した行動が見られたのです。

 

同様のテストはサルやブタ、ヨウム、ゾウなどがクリアしており、総合的に判断した結果イカの知能は人間でいう6歳児に近いということが分かったのです。

イカの知能は幼児並

6歳児ほどの知能を持っているとなると動物の中でもとても頭の良いほうであると考えられます。

 

人間とは構造が異なるため言葉こそ喋れませんが独自のコミュニケーション方法があるように、人間とは全く違う進化の過程を進むことで、もしかすると遠い未来には地球は本当にイカの星になっているのかも知れません。

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