「ウツボ」という海の生き物がいます。
別名「海のギャング」とも言われていて、見た目もかなりそんな感じでグロテスクな面構えをしています。画像で見ると、かなりイっちゃってる感じの危ない目つきをしていますね。
今回はこのウツボについて、持っている毒などについても紹介してみましょう。
ウツボの生態について
ウツボとは、ウナギ目ウツボ亜目ウツボ科の魚の総称です。
温かい海流の浅瀬に住んでおり、鋭い歯に大きい口を持った大型の肉食魚です。
その種類は約200種類と言われていて、日本には南西諸島に多く分布しています。
英語では「Moray」あるいは「Moray eel」 という名前ですが、
なぜ日本ではウツボという名前なのかというと、矢を入れる「うつぼ」という容器に似ているからとか、空洞という意味の「うつほら」から来ているといった説があります。
全長は20センチ〜4メートルまでありますが、平均的には1メートルくらいのものが
多く、ウナギのように細長い体をしています。
体の色は環境に応じて地味な保護色になっているものが多いのですが、
トラウツボ・ハナヒゲウツボというように派手・あざやかな色をしているものもあります。
口がとても大きくて目の後方まであり、鼻先が曲がっていて口が完全に閉じられない
種類もいます。このウツボの口って、なかに空洞がある感じで独特な感じがしますよね。
なんか最初見たときは、腹話術の人形の口を思い出してしまいました。
目はクリッとしているというか、そのまま見開かれていると危なそうな目つきを
していますね!
サンゴ礁や岩礁に住んでいて、岩場に上がってきても皮膚呼吸することで30分は
海以外でも生きられるそうですから、釣り人は注意が必要です。
こんな魚が出てきたら、魚だけにちょっとギョッとしちゃいますね。
ただ、基本的には岩陰などで獲物を待ち伏せています。
肉食性であり、魚類や甲殻類、頭足類等を大きい口であんぐりと食べてしまいます。
タコたちには天敵となっていて、ネットではウツボがフグを丸のみするといったショッキングな動画を見ることができます。
ウツボは「海のギャング」ともいわれています。
岩礁では食物連鎖の頂点にいて、自分よりも大きい生物がいても噛み付いてきます。
ということで、人間も咬まれて大怪我をするといったこともよくあります。
ウツボのいる地域で潜水したり釣りなどをするときは十分に気をつけましょう。
海のギャングもほかの生物と「共生」していた
ここでちょっと興味深いお話をひとつ。
海のギャングでかなり危険なウツボなんですが、ウツボの周りには小動物がいたりします。
これは、ウツボの皮膚・あの大きい口の中にいる寄生虫を食べるというkとおでウツボと「共生」しているからであり、ウツボもこの小動物を食べることはほとんどないんだそうです。
こういった面があるところも、自然界の生き物の面白いところですよね。
ウツボが持つ「毒」について
ウツボは毒を持っているのでしょうか。
普通のウツボには毒はもっていないのですが、なかには持っている種もいます。
その名は「ドクウツボ」。そのまんまですね!
ドクウツボは体長3メートルもある大きいウツボで、鰓の穴が黒いのが特徴となっています。
インド洋・太平洋の熱帯地域、日本は琉球列島に分布しているのでとくに気をつけましょう。
ドクウツボの毒の成分についてですが、この毒は毒牙から出される液体ではなく、毒素があるドクウツボを食べることで起こる食中毒です。
ドクウツボは食物ピラミッドの頂点にいるので、生物濃縮(化学物質が食物連鎖を通して体内に蓄積される現象)によって高濃度の毒素が体内に保有されている個体があります。
実験では、筋肉・内臓に「シガテラ(熱帯の海のプランクトンからの毒素を持った魚介類を食べることで発生する)毒」があると認められています。
毒性は筋肉より内臓の方が強いとされ、このドクウツボの毒が猛毒で、特に多くのシガテラ毒を持っています。毒性が強いので、食べた人が集団で食中毒が起きる危険性が高くなっています。
ウツボは実は美味だった!
ウツボと人間との関わりについてですが、ウツボを食用にしている地域もあります。
ただし、釣りをしていてウツボを釣ったときは、咬まれることがあって凶暴なので注意してください。
日本や中国の一部ではウツボ漁も行われています。
ウツボは、見た目は悪いですが実はおいしいといわれています。
食物連鎖の頂点だからでしょうか?その分カロリーとかが高いかもしれませんね!
四国・九州・沖縄などの日本でウツボ漁をしているところでは、たたきや干物、天ぷらや佃煮などにして食べられていて、和歌山県の一部では正月料理にもなっています。
岩場の釣りでは、ウツボにくれぐれも気をつけましょう
凶悪そうな顔をしている海のギャングのウツボですが、食べると実はおいしいというウツボについてでした。
自分の寄生虫を掃除してくれる生き物は食べずに共生しているというのが面白いですね。
とくに岩場などの釣り人は咬まれると深手を負うこともあるので、とくに気をつけましょう。