海のパイナップルとも言われるホヤ。

酒のおつまみにも最高です。ホヤ酢や醤油漬けなど、そのまま網焼きなんかも実に美味♪

という話はさておいて・・・・同じホヤという名前がついてはいますがこちらは食べられないホヤ。

名前の通り、長くて光っているホヤです。

ナガヒカリボヤって?

ナガヒカリボヤは海の中を浮遊している巨大な生物!!??

数mから、時には20mほどの長さのあるものまでいます。

何かを攻撃するでもなく、人が近づいても逃げるわけでもなく、ただプカプカと浮遊しています。

 

ナガヒカリボヤの正体

ナガヒカリボヤは実は一つ一つの小さな個虫の集合体。数ミリ程度のちっちゃな個虫が集まって巨大な形を作っているというわけ。

それはまるで絵本のスイミーの世界。長年のロングセラーとしてたくさんの子供たちに読まれている名作です。

ちっちゃいけど強い!!??小さい魚がたくさん集まって大きな魚の形を作りながら敵に立ち向かうというお話でしたが、そのスイミーを思いだします。

スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

新品価格
¥1,529から
(2017/5/5 21:17時点)

もちろん、弱い魚が群れを成すのは自然界の常なところもあり、鰯の大群なんかもその例。

キラキラとした鱗と勢いのあるスピード感に一瞬ハッとする大群です。

ちょっとずつ違いはありますが、集団でいることによって身を守る正統派の生き残り方法なのでしょう。

ナガヒカリボヤの泳ぎ方

ナガヒカリボヤはただ水の流れに身を任せているわけではありません。

それぞれの個虫はエラ袋をもっていて、そのエラ袋についている繊毛を動かすことによって、泳いでいるんです。

その動きはとてもスローで、ただただ流されているように見えますが、ちゃんと泳いでいるんですよ!!

ナガヒカリボヤの敵

集団で大きさをアピールしているナガヒカリボヤですが、やはり彼らを餌にする魚たちはいるようで、特にマンボウはナガヒカリボヤが大好物だそう。

もともと、マンボウはクラゲなどが好物ですから、ナガヒカリボヤはクラゲの集合体のようなもの!?

ナガヒカリボヤをゲットできた日のマンボウはきっと大満足なことでしょう。

ナガヒカリボヤはなぜ光る?

ナガヒカリボヤの名前についているヒカリの所以は、もちろん体が光るからなのですが、では一体どうやって体が光るのかというと、それはナガヒカリボヤに寄生しているバクテリアの影響なんです。

好条件がそろうと100mも先からその長くてフワフワした存在を確認できるという強い光、ナガヒカリボヤにびっしりとついた0,1㎜程のバクテリアが、体内に青く強い光を放つ機能をもっていて、その光を放つことによって全体が青く光って見えるというわけです。

 

光りを放ち海の中で目立ってしまうことによって、敵に見つけられやすくなってしまうことは、何の防御手段もたないンガヒカリボヤにとっては不利なような気もしますが、そこは光ってしまうバクテリアと共存することで自らの生命を維持しているわけですから、受け入れなければいけない現実ということなのでしょうか。

なんでも物事は表裏一体、いいとこどりはできないということでしょうかね!?

ナガヒカリボヤと共存するエビの存在

沖縄のダイバーたちの間でささやかれているナガヒカリボヤとエビの共生。

透明に光るナガヒカリボヤの筒の中にサガミウキエビというエビが多数いる光景が何度も目撃されているようです。

エビにとって身を守るのに丁度良いのか、バクテリアが好物なのか、その詳細は分かっていないようです。

ダイバーに人気のナガヒカリボヤ

会いたくても簡単に会えるわけではないナガヒカリボヤ。

長く大きく光り輝く存在は、ダイバーたちにの間でも人気だそう。

ナガヒカリボヤの姿を一目見たいと思っているダイバーは多いのだとか。

どこか神秘を感じるその存在は他の生物にはない魅力があるのだろうと思います。

(ライター ナオ)

■自然の神秘か神様のイタズラか?「不思議な生き物」30選

■夏の海では人喰いの「オオメジロザメ」に注意!

■グロテスク?それとも神秘的?透明魚「デメニギス」の謎

■巨大なオバケイカ「コロッサル・スクイッド」

■透明の深海生物「ユメナマコ」の不思議

■まるでハープのような美しさを持つ深海生態「コンドロクラディア・リア」とは??

■とってもカラフル「カエルアンコウ」の七変化

■グロテスクだけど美味しいかもしれない、珍魚「ワラスボ」