切っても切っても、そこから再生して増え続けることで有名な「プラナリア」。
一見不死身のようにも見えますが、寿命はどのくらいなのでしょうか。
そもそも、寿命があるのでしょうか?
今回はそんなプラナリアの生態や寿命、豆知識などについてまとめていきたいと思います。
プラナリアの生態・寿命
プラナリアというのは、扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する生き物の総称。
一般的にこれがプラナリアだ、と紹介されている画像は、「ナミウズムシ」のものが多いです。
国内では日本中の川の上流に生息しており、実際に見たことがある人もいるのではないでしょうか。
私も、井戸の水をくみ上げた中にプラナリアを発見したことがあります。
何となく「実験生物」というイメージが強く、一般的ではない生き物と思ってましたが、意外に身近なところで発見できました。
アクアリウム用に購入した水草や石などに紛れ込んでいて、水槽内で大繁殖してしまうこともよくあるんだそうです。
次々に再生するので、駆除が大変なんだとか…。
プラナリアと言えば、特筆すべきはその驚異の再生能力。
二つに切断すると、その両方が再生して二匹のプラナリアになるのです。
個体によっては100個以上に分断されたすべての欠片から、新しい個体へと再生したという話もあります。
それじゃあ寿命はどうなるのか。
結論を言えば、プラナリアに「寿命という概念はない」のです。
プラナリアは死にそうになると自ら体を分裂させ、新たな自分の分身を生み出すことができます。
つまり、分裂を繰り返していけば永久に死ぬことはない、ということですね。
ただし、決して「不死身」だというわけではありません。
環境が悪ければ分裂をする前に死ぬこともありますし、切断ではなく潰された場合は再生することができません。
生命力の弱い個体だと、切断しても再生をする前に力尽きて死んでしまう場合もあります。
もちろん、天敵に捕食された場合なども死にます。
プラナリア豆知識
ここからは、プラナリアについての豆知識を紹介していきたいと思います。
意外な一面が見えてくるかもしれません。
記憶まで再生する
頭と体を分断した場合、元々の記憶を持っているのは頭側のほうだけではありません。
最近の研究で、なんと胴体から頭が再生した側にも、記憶が引き継がれているということがわかったのです。
体と同時に記憶までも再生するプラナリア。
本当の意味で、完全なるクローンを作り出すことができるということですね。
卵を産む
自分で分裂して数を増やせるくせに、なんと卵まで産むプラナリア。
卵は数ミリで茶褐色の球体。
一つの卵から複数生まれます。
しかも雌雄同体であり、無性生殖でも有性生殖でも繁殖することができるそうです。
人間もこのくらい繁殖力があれば、少子化を止められるかもしれません。
自分の消化液で死ぬ
プラナリアを食事の直後に切断してしまうと、自分の出した消化液によって死んでしまいます。
一見「不死身」にも思えるプラナリアですが、じつはとても弱々しく弱点だらけだったのですね…。
ちなみに温度が上がりすぎても死にますし、食べ物がなくても餓死します。
肉食である
見た目に似合わず、プラナリアは肉食で、主に水棲昆虫を餌としています。
何だかあまり想像がつきませんね。
プラナリアについてのまとめ
とても不思議な生物、プラナリア。
その驚異の再生能力は、人間の再生医療などの分野で研究材料となっているようです。
研究のために、宇宙まで行ったプラナリアもいるんですよ!
頭まで生えてこなくてもいいから、腕や足くらいでも再生できるようになればいいですよね。
大いに期待しています。
(ライター もんぷち)