アカムツとノドグロは同じ魚と思っていませんか?
もちろん一説では同じ魚、しかしもう一方では違う魚という説があり、どちらが本当なのか混乱してしまいます。
今回はそんなアカムツとノドグロの違いについてはっきりとさせるお話をしていきます。
アカムツとノドグロ
一言でいうと、地域によってアカムツとノドグロを呼び分けている地域と、アカムツの事をノドグロと呼んでいる地域、更にはアカムツでもキンメダイでもない魚をノドグロと呼んでいる地域もあるということです。
一般的にキンメと言われるキンメダイは高知県の一部の地域でノドグロの事をキンメと呼びます。
更にアジやソウダガツオも千葉周辺ではノドグロと呼んでいるところもあります。
つまり、一概に名前だけの議論では収拾がつかないというところが本当のところのようです。
アカムツの特徴
アカムツとはスズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属する暖海性魚類です。
ここでは別名をノドグロともいい、両者は同じ魚として話を進めていこうと思います。
体長は40㎝、体型は楕円形で側偏します。
背側の体色は赤紅色で腹側は銀白色、櫛鱗を持っています。
別名のノドグロは口の奥が黒い所からきていて、他にもメキン、ギョウスン、キンギョウオなどの呼称があります。
特別眼が大きい以外には体の特徴はないので、喉の奥が黒い特徴がそのまま愛称になったと考えられます。
甲殻類、イカなどを捕食し6~10月にかけて産卵します。
分布は太平洋西部、日本から東南アジア、オーストラリアまでで日本では関東より南の太平洋や新潟、九州の海に生息しています。
水深100~200mに生息し、主に砂底を住居とします。
アカムツの利用
アカムツは佐渡、富山、石川県、山陰では高級魚として扱われ、島根県浜田市ではノドグロの名称で市の魚にも指定されています。
上品な味わいで焼いても似ても美味で、白身のトロなどと呼ばれることもあります。
高級魚としてグルメ番組などでも取り上げられる傾向にあり、値段が値崩れすることはほとんどありません
季節を問わずに脂がのっていて、日本各地で人気があります。
大型のものは1万円で取引されて水温の変化やエサのプランクトンの増減などの条件に漁獲量が影響されやすくなっています。
水深80~150mで漁獲されていますが、漁獲量はそれほど多くない貴重な魚です。
2013年11月、水産総合研究センターはアカムツの稚魚育成に成功、安定供給や資源保全への期待がかかっています。
アカムツ(ノドグロ)の美味しい食べ方
アカムツは刺身やあぶり、小型は昆布締め、小型は酢締め、焼く、汁、煮る、蒸すなどの調理方法があります。
アカムツの刺身は船上でつり上げてすぐに鰓を切り、血抜きして塩氷で絞めた上物の刺身。脂が実に混在していてダイアモンドダストのように脂身が空けて見え、適度な食感もあり、旨味も強くとても美味。
他にはアカムツの焼霜造りという調理方法があります。皮目を少しあぶって斬りつけ、肝をあぶって側に添えると更に旨味とコクが増して美味しい刺身になります。
とも和えは刺身の端の部分や食感の良い尾に近い部分をゆでた肝と和えたものです。湯引きした皮も添えています。
肝の旨さは魚類中の最高峰のひとつですが、それだけで食すと少しくどさが残るのも特徴です。
潮汁はアラを昆布だしで煮だして酒、塩で味付けしたものです。汁の味わいは最上級と言われ、骨に付着する身がとても甘いのが美味しさの秘密です。
酒蒸しは昆布の上に半身を置き、サケを振り蒸します。季節のキノコなどを添えると良いですが松茸などを添えると高級感が増して美味です。
他にもみりん干しや煮干し、里芋と一緒に煮た里いも煮などがあります。
(ライター ナオ)