イルカは、哺乳綱・鯨偶蹄目・クジラ類・ハクジラ亜目に属する種のうち、比較的小型の種の総称です。

ここではイルカの寿命とそれにまつわる雑学を紹介します。

イルカの生態

イルカは、そのほとんどが海に生息しています。

ただし、カワイルカ類のように川に生息する種類や、淡水と汽水域を行き来する種類もいます。

ちなみに生物分類上は、イルカとクジラに差はありません。

成体の体長が4メートル以下の種をイルカ、4メートル以上の種をクジラと呼ぶことが多いです。

イルカは、頭頂部に呼吸のための独立した噴気孔をもっており、そこから肺呼吸します。

呼吸の周期は、およそ40秒です。

 

イルカは常に泳ぎ続けていることから、かつてはまったく眠らないのではないかと言われていました。

しかし、イルカは右の脳と左の脳を交互に眠らせること(半球睡眠)が分かってきており、眠らないという説は現在ではあまり有力ではありません。

イルカの寿命

イルカのなかで、おそらくもっとも有名なイルカはハンドウイルカ(ハクジラ亜目・マイルカ科・ハンドウイルカ属)です。

その寿命はおよそ20~30年となっています。

 

ハンドウイルカは、水族館でイルカショーなどに使用されています。

ハンドウイルカの寿命が明らかになっているのは、Sarasota Dolphin Research Programが野生のハンドウイルカの長期追跡調査を行ったからです(野生のハンドウイルカの年齢構成は0~50才で、そのうち15才以下が58%、死亡時の平均年齢は7.5才でした)。

 

ちなみに、ハンドウイルカの歯は、永久歯などに抜けかわることがありません。

というわけで、野生のハンドウイルカの年齢は、歯を調べて特定します。

イルカのその他雑学 その1

ハンドウイルカという呼び名は、江戸時代から使用されており、イルカともクジラともつかない大きさを差して「中途半端(半道)」といったことがその名の由来です。

一方、バンドウイルカという名前は、1957年に哺乳類学者の西脇昌治が提唱したもので、おもに水族館などで使用されています。

イルカのその他雑学 その2

イルカの寿命は20~30年ですが、その平均寿命を引き下げているのは、実は人間です。

イルカは、およそ8000年前の縄文時代の遺跡から骨が見つかっていることからも分かるように、古くから人間に捕獲されてきました。

 

イングランド宮廷では17世紀頃までイルカを食べていたほか、中世までは世界各地で盛んに捕獲されていました。

ただし現在では、フェロー諸島、南太平洋の島国や日本の一部の地域、カナダのイヌイット地域などで食べられているのみです。

 

ちなみにイルカは、分類上はクジラの仲間(ハクジラ類)です。

サイズによってクジラかイルカかに別れているだけなので、誤解をおそれず乱暴に言いますと、味はクジラ肉と似た感じです。

静岡では今でもスーパーに普通に並んでいたりします。

イルカのその他雑学 その3

イルカの寿命を語るうえでは、やはり「軍用イルカ」にふれなければならないでしょう。

軍用イルカは、軍事目的で利用されるイルカのことです。

 

アメリカ軍が現在も利用中で、ロシア軍にはかつて利用計画が存在しました。

おもな任務は、ダイバーの救助、そして、機雷の探知などです。

ロシア海軍は、1990年代にイルカ利用計画を凍結しました。

 

アメリカ海軍は、海洋哺乳類計画にもとづいて、カリフォルニア州サンディエゴの基地でイルカとアシカの研究および訓練を継続しています。

おもにハンドウイルカ、マイルカを利用しています。

なお、1990年代の湾岸戦争、2003年のイラク戦争では実戦で使用されました。

イルカのまとめ

以上、イルカとその寿命についていかがでしたか?

50才のイルカが野生で観測されているなど、想像していたよりも寿命が長かったので、驚きとともにその生涯に大変興味をおぼえました。

イルカの特集番組があればチェックをしたいと思います。

(ライター ジュン)