みなさんは「トラギス」という魚を知っていますか?
あまりメジャーな魚でもないので、知らない人も多いのではないでしょうか。
姿形はおろか、名前さえ聞いたことがない!と言う人もいるかもしれません。
そこで今回は、このトラギスという魚について、生態や調理方法などを紹介したいと思います。
トラギスってどんな魚?
トラギスは朝鮮半島・インド・台湾などに生息しており、日本でも関東以南の太平洋側で見ることができます。
基本的には小さい魚ですが、大きいものでは20cmほどになることも。
沿岸の浅瀬に棲んでいるので釣ることもできますが、トラギスを本命として釣りをする人は少ないようです。
漢字では「虎鱚」と書きます。
そのまんまですが、虎のような縞模様があることが名前の由来。
ただし、「キス」とついていますが、キス科ではなくトラギス科という全く別の種類になります。
トラギスにはいくつかの種類があるのですが、その中には成長途中で性転換をする種もいます。
生まれた時はすべてがメスなのですが、1~2年経つとオスに性転換。
繁殖期には自分の縄張りで数匹のメスを従えたハーレムを形成するんだとか。
餌は主に小さな甲殻類や小魚など。
そのため、オキアミを使った釣りをしている時によくかかるそうです。
しかし本命以外の「外道」として扱われることが多く、釣っても逃がして帰る人も多いそうなのですが、ちょっともったいないですね。
たくさんまとめて釣れない場合は、調理する手間と量が釣り合わないからかもしれません。
でも私だったら、とりあえず食べられそうな魚は絶対に持って帰りますよ!
特に人間に対して害はありませんが、釣り人にとっては外道に餌を取られるという意味で、邪魔者かもしれません。
例え外道だろうとなんだろうと、釣れるだけで楽しいし嬉しい!と言う人にとっては全く害のない魚ですね。
どんな味?トラギス料理
実はトラギス、人によっては「キスよりも断然美味しい」と言うほどの美味なんです。
淡白でクセがなくふっくらとした白身が絶品。
ぜひ食べてみたいですよね。
ここからは、そんな人のために、トラギスの捌き方や調理方法についてまとめていきます。
捌き方
まずはウロコを取ります。
トラギスのウロコは硬く取りづらいので、力を入れてしっかりと取りましょう。
次に頭を落とし、内臓を取り出します。
背開きにして背骨を外したら、腹骨もこそぎ取っていきます。
そして最後に背びれを落として完成。
小さい魚なので、ちまちまとした作業が苦手な人には難しいかもしれませんが…トラギスを美味しく食べるため、頑張りましょう!
天ぷら
調理方法として最もおすすめなのが天ぷら。
キスよりも少し身が水っぽいのですが、天ぷらにすることでふっくらとした食感になります。
ほかにもフライや唐揚げなどの方法もありますが、やはり淡白な身には比較的軽い食感の天ぷらがよく合います。
刺身
刺身の場合、少し小さくて手間がかかる上に、食べ応えはあまりないというのが難点です。
人によっては、味が淡白すぎてつまらないと思うこともあるそう。
そこで、そのまま食べるよりももうひと手間かけて、昆布締めにするとより美味しく食べることができます。
干物
塩焼きでも美味しいのですが、やはり身が水っぽいため干物にした方がより美味しさが際立ちます。
トラギスについてのまとめ
トラギスはとても美味しい魚だということがわかりましたね。
ぜひ食べてみたいものですが、実はトラギスはほとんど市場に出回ることがありません。
考えてみれば、スーパーなどでも一度も見かけたことがないように思います。
確実に手に入れたければ、自分で釣り上げるしかないですね!
外道としてではなく、本命として狙ってみてはどうでしょうか。
(ライター もんぷち)