深海魚というとグロテスクな魚が多いイメージ。
このデメニギスもその例に漏れないひとつですが、よく見るとグロテスクというよりは神秘的な一面も持ち合わせていたりして・・・。
デメニギスは出目ニギス
デメニギスの名前の由来は出目なニギス。目が出目金の様に出ているように見えることから付けられました。
実際には目が出ているというか、中にあるというか・・・・出目金のように本当に外に飛び出しているわけではないのですが・・・。
ちなみにデメニギス科には19種類ほどのデメニギスが存在するらしい。
デメニギスはどこにいる?
デメニギスは太平洋北部の亜寒帯海域に生息している深海魚です。
日本では岩手県以北の沖合に分布しています。
深海魚ですが、海底でじっとしているタイプの深海魚ではなく、400~800mほどの太陽の光が弱まる深海の中間層あたりに浮かんでいます。エサを捕食するとき以外はほとんど動かずにじっとしています。
立派なヒレがついていますが、これは泳ぐためというよりは、深海の中でじっとしているときにバランスをとるためのものと考えて良さそうです。
神秘の雰囲気、デメニギス
深海で撮影されたデメニギスは胴体の鱗部分とヒレが黒く映り、尾びれの先端部分と、頭部は透明に光っています。
それはまるで魚の形をしたマシーンの頭部分にコックピットがあるかのようです。
コックピットの中には緑色に輝く大きな円形のものが・・・・これがデメニギスの目です。
黒と透明と緑のデメニギスはグロテスクというよりは神秘的な雰囲気を持っています。
デメニギスの目
デメニギスの目はドーム状で上向きについています。
上方向と前方向が見えるようになっていて、上部に浮遊する小魚やクラゲの微妙な影を感知することによってエサをゲットしていると考えられています。
正面から見たデメニギスはまるで怒ったフグ!?の様に見えますが、怒ったように見える目は実際は鼻で、目はドームの中に隠されているというわけです。
デメニギスのコックピット
デメニギスのコックピットは薄い皮膜でできていて、その中は液体で満たされています。
人間でいうと、一番大事な頭部がスケスケで中身が丸見えって、なんて無防備なんだ!!と思わずにはいられないのですが・・・。
デメニギスの大きさ
デメニギスは70年前に新種として認められ、その後実際の姿が撮影されたのは極最近のことです。
まだまだ謎の多い深海魚の世界で、少しずついろいろなことがわかってきたデメニギス。
発見されたデメニギスのサイズは14センチほどだったといいます。
見た目のインパクトに騙されて、ついついシーラカンスのような大きさを想像してしまいましたが、実際は手の平ほどもない魚だということですよね。
そう思うと、もうグロテスクとか神秘的とかいう感じでもなく、なんだか精巧につくられたちょっと不気味なオモチャ!!??のような気もしてきます。
そう、小さいころお風呂でぷかぷかと浮かせて遊んだ魚のオモチャ!?
デメニギスは水族館にいる?
沼津には深海魚水族館というところがあって、そこでは様々な深海魚を見ることができます。
残念ながらデメニギスはいませんが、深海の雰囲気を味わうにはぴったりの水族館!
ライトアップされた普段は見慣れないグロくて、魅惑の深海魚たちをゆっくりと観察しながら楽しむことができます。
2012年にオープンした日本初の深海魚水族館だそうですので、このゴールデンウィーク、お出かけを考えられている方はぜひ!!
沼津深海水族館の近所には「深海御前」なるものを食べさせてくれるお店もあり、深海魚を舌でも堪能できちゃいます。
たっぷりと深海の世界を堪能した後はお腹までしっかりと満たしちゃってください!
(ライター ナオ)