「ワラスボ」という魚をご存知ですか?

あまり日常では聞きなれない名前ですよね。

名前からもどんな魚なのか、想像することができません。

 

実はこの魚、一部の地域では珍魚中の珍魚としてよく知られているんです。

佐賀県近辺にお住いの方ならご存知かもしれません。

ワラスボについて知らないという人のために、ワラスボについて詳しく見ていきましょう。

ワラスボってどんな魚?

ワラスボは、日本では有明海と八代海の干潟にのみ生息する魚です。

特徴は何と言ってもその衝撃的な外見。

全長30cm~40cmほどで、ウナギのように細長く鱗もありません。

表皮は青みがかっていて、血管や内臓が透けて見えます。

泥の中に潜んでいるため目は退化しており、大きな口からはギザギザとした歯が飛び出しているという、一度見たら忘れられない風貌をしています。

その姿はまるでエイリアンのようでかなりグロテスク。

魚だと知らずにワラスボの顔だけ見たら、絶対に地球外生命体だと勘違いすると思います。

 

独特なワラスボ漁「すぼかき」

かなり特殊な見た目のワラスボですが、その捕まえ方も独特です。(捕まえてどうするの?というのは次で説明します。)

まずは潟スキーと呼ばれるスノーボードのような2mほどの木の板に乗り、干潟を移動していきます。

捕まえたワラスボを入れる桶や道具を乗せて、片膝を立てた状態でもう片方の足で泥を蹴りながら進むそうです。

かなり体力がいりそうですね。

そうしてワラスボがいそうなポイントに移動すると、先端が鉤状になった1.3mほどの道具を使って泥の中を探り、ワラスボを引っ掛けて捕まえます。

その様子はムツゴロウを捕まえる「ムツカキ」と並んで有明海の風物詩となっています。

すぼかき体験などができるところもあるようなので、興味のある方は旅行などで訪れた際に挑戦してみてはいかがでしょうか。

めったに出来ない体験なので、いい思い出になりそうです。

 

見た目が悪いものほど美味しい?珍味としてのワラスボ

さて、ここで先ほど浮かんだ「ワラスボを捕まえてどうするの?」という疑問にお答えします。

答えは簡単、「食べる」んですよ!

こんなグロテスクな見た目の魚、とてもじゃないけど食べられる気がしませんよね。

しかし、こんな見た目のワラスボでも食べることができるんです。

納豆やアンコウ然り、見た目が悪いものほど美味しいというケースは多いですが、ワラスボも実は結構な美味なのです。

最初にワラスボを食べようと思った人の勇気はすごいと思います。

私だったら絶対に食べ物だと認識できません。

 

新鮮なものならば刺身や寿司、煮付けなどで食べることもでき、その味は見た目からは想像できないほど淡白で上品、まるでフグのような味わいだそうです。

しかしやはり泥臭さも少しあるため大抵は干物にして食されます。

佐賀県佐賀市では公式サイトまで作ってワラスボを猛プッシュしていますので、気になる人は覗いてみてください。

通信販売でも手に入れることができるようです。

干物にすればグロテスクさも軽減されて、普通に美味しそうな感じになりますね。

カルシウムもたっぷりらしく、体にも良さそうです。

ただし、頭だけはやはり多少原形が残っていて気持ちが悪いので食べる気にはならないかもしれません。

 

ワラスボのまとめ

有明海の珍魚ワラスボ、いかがでしたか?

どんな魚でも美味しく食べられる可能性を秘めているのだと、なんだか希望を貰ったような気がします。

実際に生で見ると、写真で見るよりもきっともっとグロテスクなのでしょうが、怖いもの見たさで見に行ってみたいですね。

そしていろんなワラスボ料理も堪能してみたいです。

(ライター名 もんぷち)