胸の上に貝を持って優雅に浮いているラッコ。
目隠しするような仕草をしたりして、とっても可愛いんですよね。
ラッコはイタチの仲間で、海のカワウソと呼ばれています。
ご先祖様がカワウソだったらしく、カワウソとは親戚のようなものです。
日本では水族館や動物園で会えますが、野性のラッコは日本の海にも現れるのでしょうか?
ラッコの形態
ラッコの体長は約55~130cm、体重は薬15~45kg、尻尾の長さは約13~33cmです。
ラッコの足は泳ぐためにヒレのような形をしています。
水の中でもよく見える目を持っていて、髭で危険を察知します。
甲殻類など、固いものを噛み砕くことのできる大きな歯もあります。
ラッコの毛はふさふさで、全身に8億本の体毛が生えています。
柔らかい下毛の綿毛は密生していて、防寒の役割があります。
ラッコは毛皮を清潔に保つ為、全身を頻繁に毛づくろいします。
その為、体がとても柔いのです。
ラッコの生態
ラッコは北太平洋の海岸に住んでいて、海岸から10km以内の沿岸域に生息しています。
水温が4度~10度程の冷たい海です。
ラッコは一日のほとんどを水の上で過ごしますが、海が荒れている日は陸に上がったりもします。
昼行性で、数十頭の群れで生活します。
夜眠るときは、海藻をグルグル体に巻いて、海流に流されないようにしています。
泳ぎが下手くそなラッコは、泳いでいる魚を捕まえるのは苦手です。
ラッコは海に潜って、カニなどの甲殻類や貝、ウニなどを食べます。
1日のうちの8時間をかけて餌を獲ります。
とても大食いのラッコは一日に10kg程度食べるそうです。
大食いチャンピオンのように、5kgのホタテを45分で食べてしまったこともあるそうですよ。
胸の上で貝や石などを使って、叩き割って食べるのは有名ですね。
胸の上で使う大事な石や食べ残した貝は、わき腹にある皮膚のたるみの中に隠しています。
ラッコと人間との関係
昔、ラッコの毛皮は最高級品とされていました。
ラッコの毛皮はとても柔らかい肌触りで、高く売れたそうです。
ハンターや毛皮の商人たちがラッコをたくさん捕獲し、ラッコの数が減り続けて、20世紀の始めには絶滅寸前となりました。
ですが、今ではラッコを保護する為の国際保護条約ができたので、生息数が年々増えてきているそうです。
野生のラッコは日本にいるの?
現在の日本では、北海道で毎年野生のラッコの姿が確認されています。
「アジアラッコ」という種類のラッコだそうです。
運がよければ陸から双眼鏡などでも見ることができるそうですよ。
ですがラッコはウニなどを大量に食べるので、漁業関係者の方は困っているそうです。
ラッコが見られる水族館&動物園
野生のラッコを見たいけど、北海道まで行けないよーという方は、日本の水族館や動物園などでもラッコを見ることができます。
お近くの施設に足を運んでみてはいかがでしょうか?
- 新潟市水族館 マリンピア日本海(新潟県)
- のとじま臨海公園水族館(石川県)
- アクアワールド 茨城県大洗水族館(茨城県)
- 鳥羽水族館(三重県)
- アドベンチャーワールド(和歌山県)
- 海遊館(大阪府)
- 神戸市立 須磨海浜水族園(兵庫県)
- マリンワールド海の中道(福岡県)
ラッコを守ろう!
ラッコは油にとても弱いのです。
ラッコが生活していく上で、海の汚染は重大な問題となっています。
過去には外国で原油流出事故によりラッコが大量に死に至り、大変なことになりました。
日本でも少しずつ野生のラッコが見られるようになりました。
ラッコを再び絶滅危機にしないように私達も考えなければなりません。
海や河川に行った際はゴミを捨てない、油を排水に流さないなど、
海を綺麗にするために毎日の生活でできることを始めてみませんか?
(ライター 雲呑)