毒を持つと言われるカサゴ類。
果たしてその毒の強さはどれくらいなのでしょうか?
カサゴの生態
カサゴはカサゴ目フサカサゴ科に分類される魚。
日本近海を含む太平洋西部の暖海域、北海道南部から朝鮮半島、台湾、中国、フィリピンなどに生息しています。
頭部が大きく、笠をかぶっているように見えるところから、この名前が付けれたと言われていますが、一説には皮膚がただれたようになっていて、皮膚病のかぶれのようだから、かさぶた→かさごになったとも言われています。
地方によってはデカガシラ、ボッカ、などと呼ばれるところも。
体長は30㎝で、2.8kgほど。
赤~褐色をしていて、不規則の形状の薄色斑がついています。体色や模様は生息環境や個体によって大きな違いがあります。
水深200mくらいまでの岩礁域にいて、昼間は物陰に潜み、夜はエサを探しに活発に泳ぎまわります。
メバルが近縁に当たりますが、メバルよりも体の断面が丸く、眼が小さく、口が大きいのが特徴。
浅い所に棲むカサゴは岩や海藻の色に合わせた褐色で、深い所に棲むカサゴは鮮やかな赤色をしています。
深い場所のカサゴが赤色をしているのは、赤い光が深い所まで届か居ないためで、カサゴにとっては敵から見つかりにくい保護色の役割を果たしていると言えます。
食性は肉食でゴカイや甲殻類、小魚などを好んで食べます。
捕食の時にはとても素早い動きと大きな口で捕食します。
秋になると盛んに交配が行われ、メスは体内受精により妊娠し、1~3か月後に卵ではなく、稚魚を産みます。
カサゴの毒
カサゴには微量の毒があります。
種類によっては毒性の強いものもありますが、人間が死に至るほどではないようです。
棘のあるハオコゼやオニカサゴ、ミノカサゴなどは、カサゴに比べて毒があります。
万が一、針に触ってしまったら、急いで処置しましょう。
ちょっと熱めのお湯の中に患部を浸せば、簡単に毒素が抜けていくのだそうです。
カサゴと人間の暮らし
カサゴは江戸時代には勇ましさの象徴として、端午の節句に飾られていました。
勇ましい姿はとても縁起の良いものとされていたのです。
夜の釣りでは簡単に釣れることもあります。
生きたものに襲い掛かる習性があるため、エサは生きた筋エビやイソメなどが良いようです。
ただ、回遊する魚ではないので、一度その場のカサゴを釣り上げてしまうと、復活までには時間がかるようです。
そのため、稚苗養殖や放流を行い定期的に補充しているところもあるようです。
カサゴの料理
カサゴの料理は日本各地で見られます。
かつては価格の安い時代もあったようですが、現在では比較的高値で安定しています。
1キロ当たり2000円の値が付き、時期によっては超高級魚のこともあります。
磯の魚は年々値段が上がっていて、カサゴもその代表例と言えるでしょう。
スーパーなどでは売っておらず、デパートや市場などで見かけることがあります。
調理の方法としては、鍋や潮汁、唐揚げ、煮つけはもちろん、刺身やお寿司などに使われることもあります。
洋食ではブイヤベースやアクアパッツァなどの料理にも使われます。
12~3月が最もおいしい時期と言われています。
カサゴのまとめ
カサゴは体長30㎝ほどで日本近海の海に生息している。
頭部が大きく、笠を被っているように見えることから「カサゴ」の名前がついたと言われている。
カサゴにはごく微量の毒があり、カサゴ類ではより強力な毒を持つオニカサゴやミノカサゴなどがいるが、どれも人間が死に至るほどの毒ではない。
誤まって棘に触ってしまった場合にはお湯に浸して毒を抜くと良い。
カサゴは和食に限らず、色々な料理で使われることの多い食材。
年々値上がりし、近年は高級魚としてデパートなどで出回っている。
(ライター ナオ)