「カワニナ」って知っていますか?
川などで見かける細くて黒い巻貝です。
カワニナは、ホタルの餌になることで知られています。
カワニナには寄生虫がいるのでしょうか?
カワニナの生態と寄生虫について、詳しく調べていきたいと思います。
カワニナとは?
「カワニナ(川蜷)とは、カワニナ科の巻貝です。
日本の他に、中国や台湾、朝鮮半島など東アジアの淡水域で見ることができます。
川や池、用水路などの淡水底に生息しています。
ホタルの餌としても有名なので、ホタルが多く見られるところに生息しています。
汚染されている川などには生息しません。
カワニナの成貝はかいの長さが30ミリぐらいで、殻径は12ミリぐらいです。
形は、丸みのある円すい形で、巻きがあります。
本当は殻は白いのですが、殻に鉄分がたくさんくっ付いているので黒色に見えます。
カワニナは落ち葉やデトリタスなど、有機物が餌です。
キャベツや白菜、ジャガイモの皮、にんじんの皮、大根の皮、ご飯やうどんなども食べます。
カワニナは飼育することができます。
野外でも飼育することができ、繁殖することも可能です。
カワニナは春と秋に繁殖します。
1~3ミリの小さな赤ちゃん貝を300~400匹産みます。
カワニナには寄生虫がいるの?
カワニナには寄生虫がいます!
「横川吸虫」という、人の小腸に寄生する寄生虫です。
この寄生虫はカワニナを第1中間宿主にしています。
横川吸虫はカワニナの殻の中にいたり、殻にくっ付いていたりします。
横川吸虫とは?
「横川吸虫(よこがわきゅうちゅう)」とは、扁形動物門吸虫綱二生吸虫亜綱後睾吸虫目異形吸虫科のとても小さな寄生虫です。
1911年にこの寄生虫を発見した横川定氏の名前から、和名が付いています。
体長1~1.5ミリメートル、体幅0.5~0.8ミリメートルの卵形のような楕円形のような形をしていて、雌雄同体です。
横川吸虫は中間宿主内を移動しながら孵化して、幼生になり、成虫となります。
人は、横川吸虫の第2中間宿主となる淡水魚を生で食べると横川吸虫に感染します。
第1中間宿主→カワニナ
第2中間宿主→アユ、シラウオ、フナ、コイなどの淡水魚
終宿主→人、犬、猫、豚、ネズミ類など淡水魚を食べる動物
横川吸虫に感染したときの症状
横川吸虫の数が少なかった場合は、あまり自覚症状がありません。
下痢が多くなる程度で済みます。
横川吸虫の数が多かった場合は、腹痛や下痢の症状が現れます。
慢性カタル性腸炎の原因になったり、慢性炎症になる場合もあります。
第2中間宿主となるアユやシラウオなどの魚を食べる時は、よく加熱してから食べることが予防になります。
カワニナにいる寄生虫を駆除する方法
カワニナには寄生虫やヒルが付いています。
この寄生虫を駆除しなければ、カワニナの飼育はできません。
ヒルを見つけたら、すぐ駆除しましょう。
カワニナの寄生虫の駆除ですが、濃い塩水で殻を洗いましょう。
傷口は特に念入りに。
歯ブラシを使うといいですよ。
殻が傷ついているカワニナに素手で触れないように、ゴム手袋などを使いましょう。
殻のなかにいる寄生虫は見つけることができないので、飼育しているなかで体長の悪いカワニナを見つけたら、そのカワニナの飼育はやめましょう。
そして、カワニナを触った際は必ず手を洗いましょう。
カワニナに寄生虫がいるのかどうか まとめ
カワニナの生態と寄生虫について詳しく調べてきましたが、いかがでしたでしょうか。
カワニナには寄生虫がいます!
横川吸虫という寄生虫が、カワニナを第1中間宿主としています。
カワニナは飼育することもできるので、カワニナを飼育する際には寄生虫を除去しなければいけません。
(ライター 雲呑)