強いように見えて実は沢山の恐るべき生物が存在している人間。
ついつい忘れがちですが、目に見える大きな生物だけが恐ろしいわけではありません。
実は私たちの身の回りには、見落としがちですが、ちっちゃくて恐ろしい恐怖が沢山転がっているのです!
それが、寄生虫。
今回は小さいけど怖い、恐るべき寄生虫の世界についてまとめてみました。
蟯虫
小学校の頃にお尻にシールを張り付けて検査した蟯虫。あの独特のシールの感じは数十年経った今でも何となく肌が覚えているもので・・・・
蟯虫は様々な哺乳類を宿主とする寄生中です。寄生する宿主によって種類が違っていて、人間に寄生するものはヒトギョウチュウと言われる体長2~13㎜ほどのちりめんじゃこのような形をしています。
主に盲腸に寄生しますが産卵時は移動して肛門括約筋が弛緩する睡眠中に肛門の周辺で産卵を行う為、あのような検査を行っていたというわけ。
蟯虫に寄生されると産卵の際に分泌される粘着物質でかゆみが発生し、その部位を掻きむしることによって更に手に付着した卵がまき散らされ再び自己再感染する原因となりますし、酷い痒みに襲われ睡眠障害をおこしたり、肛門周辺の炎症の原因となります。
日本住血吸虫
日本でも古くから風土病のひとつとして知られている日本住血吸虫。主に関東以南に生息が確認されています。
体長は9~25㎜程の細長い紐状の吸虫です。哺乳類の肝臓に注ぎ込む部分の門脈に寄生すると言われ、最終宿主にヒトも当てはまります。
ヒトが感染すると皮膚炎が起こり、風邪のような症状が現れ、時には肝脾腫が出来る場合もあります。
腸壁に産卵されると発熱に加えて腹痛や下痢などの消化器症状が現れ、更に卵が血流にのって運ばれると様々な場所に肉芽腫が形成され特に肝臓と脳における炎症が問題になり、肝硬変が顕著な例では身動きが出来ないほどの腹水が溜まり死に至ることもある怖い寄生虫です。
広東住血線虫
家庭菜園などをしている方は知っておいて損はない広東住血線虫。
体長22~23㎜程で本来はアフリカ南東部のマダガスカル島に生息しています。
感染したアフリカマイマイやナメクシなどによって汚染された食品を口にすることでヒトにも感染し、沖縄をはじめ、北海道、東京、神奈川、静岡等多くの地域で患者が報告されています。
ヒトの体内に侵入するのは第3期の幼虫で、彼らは中枢神経へと移動し、発熱や激しい頭痛、嘔吐、脳神経麻痺などを起こし、更に出血肉芽腫形成、髄膜炎などを引き起こして酷い時には昏睡に陥ったり、死亡する場合もあります。
広節裂頭条虫
広節裂頭条虫はミゾサナダともいいサナダムシの一種で体長は5~10mにもなります。
世界的に広く分布し中間宿主はマスやサケ、カワカマスの魚類でこれらの魚を食べる日本、ロシア、スイス、ドイツ、イタリア、アラスカ、チリ、バトル海沿岸諸国などの地域で人間への感染が報告されています。
広東住血線虫はまずはミジンコに摂取され、その後魚類に食べられ、最後にこの魚類を生食したヒト等の哺乳類が感染します。
ヒトの体内ではアレルギー反応を抑制する成分を分泌していてアレルギーの特効薬やダイエットなどへの利用が期待されていますが、一般的には病原体とされています。
症状としては下痢や腹痛などが現れ、自覚症状がないことも。
肝吸虫
その名前の通り肝臓に悪さをする寄生虫。
体長は10~20㎜程度で柳の葉のような形をしています、
湖沼や低湿地に生息するマメタニシの中でも孵化する肝吸虫は鱗の間から体内に侵入してコイ科を中心にモツゴやホンモロコ、タモロコなど80種類ほどの淡水魚の筋肉内に寄生します。
更にこうした魚をヒトが生食することにより小腸で幼虫に、そのご胆汁の流れを遡って胆管に入り肝臓内に定着します。
肝吸虫が多数個体寄生し感染した際の症状としては胆汁の鬱滞や肝硬変が引き起こされ、食欲不振、全身倦怠、下痢、腹部膨満、肝腫大をきたし、やがて腹水が溜まったり、浮腫や黄疸が出来たり、貧血を起こすようになります。
回虫
ヒトに寄生する寄生中の中で最も一般的でその歴史も古い回虫。世界では約10憶人が感染していると言われる程です。
体長は15~35㎝でミミズに似た体型をしています。
小腸から血管に新融資、肝臓を経由して肺に達し、気管支を上がって口から再び呑み込まれて小腸へ戻るという複雑な感染経路をたどります。名前の由来はここからきているよう。
回虫が寄生すると摂取した養分を奪われ、毒素を分泌されるので体調を悪化させ他の器官、組織に侵入し鋭い頭で穿孔や破壊を起こします。
特に幼少期は注意が必要で、回虫の分泌した毒素で腹痛、頭痛、めまい、湿疹、嘔吐、痙攣などといった症状や虫垂炎や腸閉塞、てんかんの発作などを起こすこともあります。
横川吸虫
横川吸虫は発見した医学者横川定にちなんで名前がつけられたという日本においては感染報告者数が回虫に次ぐ第2位の寄生虫。
体長は1~1.5㎜のほぼ楕円形で極東に広く分布しています。
淡水に生息する巻貝カワニナの中で孵化し、その後アユのウロコの下や白魚の筋肉内などの淡水魚に侵入し、これをヒト等が背越しづくりの刺身や握りずしなどで食べて感染します。
感染した横川吸虫は小腸に寄生しますが少数感染の場合はほとんど自覚症状がなく、多少下痢が多くなる程度です。
多数感染の場合は腹痛や下痢などの症状が多くなり、慢性カタル性腸炎の原因になると言われています。
ロイコクロリデュウム
ロイコクロリデュウムは脳を支配しコントロールしてしまうという不気味な寄生虫。
一般的にひっそりと中間宿主に寄生して最終宿主までたどり着くという寄生虫の本来の習性に反して、自らの存在を露骨に表に出し、積極的に最終宿主に食べさせるという攻めの性質を持った寄生虫です。
鶏の糞からカタツムリの消火器内に入り込み、そこで孵化して細長いチューブ状へと成長してカタツムリの触角に移動し、カタツムリを操って再び最終宿主の鳥に捕食されるように仕向けます。
万が一人間がこのカタツムリを口にしてしまうとロイコクロリデュウムは成虫になりきらないままヒトの髄膜に移動しそこで生き続け、髄膜炎を引き起こします。
髄膜炎の症状としては頭痛、吐き気、うなじの硬直など。海外ではカタツムリの薬効を期待して食べた女性が髄膜炎で死亡した例も報告されています。
リベイロイア
3種類の生物の体を転々とする寄生虫、リベイロイア。
カタツムリの中で爆発的に数を増やし、次はウシガエルのオタマジャクシ、更にウシガエルが変態していく過程の中で脚の本数を少なくしたり、逆に多くしたり奇形にすることで捕食されやすくし、最終的にはサギ等の鳥類に捕食させるように仕向けます。
人間に寄生することはありません。
1980年代以降アメリカでは奇形のカエルやサンショウウオが大量にみつかり、その原因はリベイロイアではないかとされています。
フィラリア
私たちにも馴染みの深い蚊が媒介するという寄生虫、フィラリア。熱帯から温帯にかけて広く分布しています。
犬糸状虫は最終宿主をイヌ、ネコ、イタチ、アシカ、更にヒトにも感染する可能性のあるフィラリアの一種で、体長は25~30㎝で幅は1.5㎜程。
日本では特にアカイエカによって媒介され、最終宿主の心臓、特に右心室や肺動脈に寄生します。
中間宿主とされる蚊に吸血されるまで最大で2年もの期間待機することができその後14℃以上の気温で成長し続けます。
犬に感染すると体内でどんどんと成虫の数が増殖し、血液循環が悪くなったり、呼吸器や循環器、泌尿器に生涯をもたらします。治療が手遅れになると肺や腹に水が溜まったり、呼吸困難になったりもします。
ヒトにも稀に感染しますが、ヒトの場合はイヌの体内程増殖しないので、感染しても無症状のケースや重症化することはありません。国内では過去100程の感染例が報告されています。
ヒトヒフバエ
ヒトヒフバエは馬の内臓に寄生するウマバエの一種。
体長は12~17㎜で一見するとハナアブやハチに似ていて、中央アメリカや南アメリカに生息しており、日本には生息していません。
メスの蚊、刺しバエ、ダニなどの腹部に卵を産み付け、その後ヒトを含めた大型の哺乳類に身を移し、吸血の際に開けた穴から孵化して潜り込んでいきます。
ヒトヒフバエに寄生されると、体内の肉を食べられハエ幼虫症が引き起こされます。具体的には痛みやかゆみ、皮膚の腫れ、発熱、倦怠感など。
更に幼虫の体表には棘があるので、寄生に気づいて自分で引き抜くと途中でちぎれてそれが原因で感染症などを起こす可能性があり危険です。
更に幼虫の体液にはアナフィラキシーショックを引き起こす物質も含まれているので注意が必要です。
ヒゼンダニ
ヒゼンダニは体長400㎛で肉眼では確認できないほどの大きさです。
皮膚の角質層の内部に鋏脚でトンネルを掘って寄生し、メスは更に産卵も行います。
ヒトに感染する種類はSarcoptes scabiei var. hominisで交尾直後のオスの成虫がヒトに感染すると約1ヵ月後に発病します。
症状としては皮疹が見られ、自覚症状としては強い皮膚のかゆみが生じ、小児は水疱性疥癖になります。
放っておくと引っかき傷から合併症を引き起こすことがあり、敗血症や糸球体腎炎、リウマチ性心疾患などの重篤な合併症に繋がることもあります。
ハリガネムシ
形の想像がつきやすい寄生虫。その名前の通りミミズや線虫などのように伸縮性がなく、硬い体でのたうち回るような動きをするのが特徴的なハリガネムシの体長が数㎝~1m、直径は1~3㎜と細長い体です。
世界に2000種ほど存在していると言われるハリガネムシのうち14種が日本でも確認されています。
水生昆虫に取り込まれ、後に陸生の昆虫のカマキリやバッタ、カマドウマ、ゴミムシ、コオロギ、ミズスマシ、ゲンゴロウなどに寄生し成長します。
寄生された陸生昆虫は生殖機能を奪われ、更に脳にあるタンパク質を注入されることで本来の習性を失い水に飛び込み、ハリガネムシはこの時宿主の尻から脱出します。
水生昆虫やイワナなどの魚の内臓に寄生することもあり、偶発的にヒトに感染した例も数十例程あるようですが長い期間寄生するということはなく、自ら外に出ていくので害や症状はほぼないとのこと。
ハナビル
ハナビルは漢字で書くと鼻蛭。つまり、鼻に寄生する寄生虫です。そう聞くと何だか鼻がムズムズしてくるようですが・・。
幼虫は5~10㎜程度、成体は20㎝にも達することがあり、幼虫は寄生虫として知られ、成虫は不快害虫として知られています。
アジアの熱帯域に広く分布しますが日本でも奄美大島、九州南部、本州の一部の渓流息の水中に生息しています。
水中で水を飲む哺乳類や顔を洗うヒトの鼻腔に潜り込み、1ヵ月間宿主を変えることなくその場で10㎝程度にまで成長し、その後宿主を離れ自由生活を送ります。
感染初期には自覚症状はほとんどありませんが、成長と共に違和感や痒痛感を覚えるようになりハナビルが吸血場所を変えるたびに出血も見られます。
ハダムシ
ハダムシはヒラマサ、カンパチ、ブリなどの魚に寄生する寄生虫で体長は3㎜程度。
魚の皮肌に付き、寄生された魚は目や鰭に白い濁りが生じ、白点の前兆のような症状になります。
ヒトの皮膚にも寄生します。
しかし、表面なのですぐに取り除くことができ、特別な害はないとされています。
ニベリア
ニベリアは楕円形に近い5㎜程度の大きさをした寄生虫です。タラやスルメイカなどの筋肉、体腔に寄生していてその後ネズミザメに寄生します。
ヒトに寄生することはありませんが稀に吻が喉に引っかかるという事例が起きています。
万が一呑み込んでしまっても全く害はなりそうです。
頭部にやや長めの4本の吻があるのが特徴で肉眼でもみてとれるので寄生にはすぐに気づきます。
ニハイチュウ
一見美味しそうな名前の寄生虫!?ニハイチュウ。
主に底棲のタコやイカの腎臓内に寄生する、体長は1~10㎜程の蠕虫系の寄生虫です。
複雑な生活史を持つことでも知られ、世界では約90種類が発見され、日本でも36種類が確認されていて特定の宿主に寄生する習性のあるものもいます。
寄生虫ですが宿主の組織を破壊することはなく、全く無害。万が一ヒトに寄生することがあってもこれもまた無害と言われています。
ニキビダニ
ニキビダニは哺乳類に皮膚の様々な分泌腺に寄生するダニです。全ての哺乳類に特異的に種分化したニキビダニが寄生していると考えられていてヒトにも2種類のニキビダニがそれぞれ異なる部位に寄生します。
ヒトの毛包の皮脂腺の導入部が開口している部分かそれより浅い部分に体長約290㎛ほどのニキビダニがむれを形成し、更に其れより深い皮脂腺内部には体長約200㎛のコニキビダニが単独で寄生します。
ニキビダニのエサは毛包上皮細胞、コニキビダニのエサは皮脂腺の細胞であると考えられています。
ニキビダビは必ずしもニキビに寄生しているわけではなく、健康な皮膚からも検出されることもあり幅広い世代に寄生します。
テントウハラボソコマユバチ
とても馴染みの深い昆虫、テントウムシ。よく目にする独特の模様とフォルムには思わず目を止めてしまうものですが、そんなテントウムシを宿主とする寄生虫が存在します。
テントウハラボソコマユバチはテントウムシを見つけるとテントウムシに麻酔を打ち、体内に卵を一つ産み付けます。
孵化した幼虫はテントウムシの内部でテントウムシを殺さないように上手に捕食し、テントウムシの体外に出るとすぐその場に繭を作り、防御をテントウムシに託します。
テントウハラボソコマユバチがヒトに寄生することはありません。
テンタクラリア
テンタクラリアは主にサバやカツオの内臓や筋肉に寄生する寄生虫で、特にカツオではハラス部分に多く存在します。
乳白色の米粒ほどの大きさで頭部に伸縮性の小さな吻が4本あり、よく見ると結構グロテスクですが冷凍すると死滅し、透明になって肉眼では判別しにくくなります。
ヒトに寄生することはありません。
サヨリヤドリムシ
名前からも一目瞭然のサヨリに寄生するサヨリヤドリムシ。
エサと間違って食べたサヨリの口からエラに移動して棲みつき、サヨリの体液を吸って自らも大きく成長し、サヨリが死ぬと魚体から離れていきます。
ヒトに寄生することはありませんが高い確率でサヨリのエラに寄生しているので、調理する際には取り除くようにしましょう。
サナダムシ
サナダムシは変形動物の総称で成体は全て寄生虫。長いものでは10m以上になるものも存在します。
消化管や口を完全に欠き、養分は体表から吸収します。
ヒトを最終宿主とするいくつかの種類が存在しますが多くは脊椎動物の消化管に寄生します。中間宿主は複数いて、宿主を乗り換えながら成長していきます。
本来ヒトに寄生するサナダムシの場合人体に大きな影響があることはありませんが、他の種類を最終宿主とするサナダムシがヒトに寄生した場合、幼生は腸から本来寄生するべき部位でない脳などに移動して様々な症状を引き起こします。
脳や脊髄などに寄生すればてんかん様発作や痙攣、麻痺などの神経症状を起こし、肝臓に寄生すれば肝障害を引き起こします。
コロモジラミ
コロモジラミは主にヒトの下着などの衣類などに寄生する寄生虫で体長は2~4㎜、小さな米粒が動いているかのように肉眼で確認することができます。
吸血し、痒みの原因となる他、発疹チフスや塹壕熱などの感染症を媒介する力を持っているので注意が必要です。
感染された衣類は55℃以上のお湯に10分以上漬けておけば大丈夫です。
感染症を発症した場合、発熱や頭痛、悪寒や倦怠感、関節痛、時に下痢や下腿痛などが現れます。
毛じらみ
毛じらみは主にヒトの陰部に寄生する体長1.5~2㎜程の世界中に分布しているシラミです。陰部以外でも胸毛、眉毛などにも寄生し、女性の頭髪などに発生することもあります。
幼虫から成虫まで全て陰部で生活し、あまり移動せずに口器を皮膚につけて吸血します。
吸血されると強い痒みを生じ、その痒みは強烈で痒みの為に掻いて傷をつけ、そこから二次感染症を起こす例があります。
クジラジラミ
クジラジラミは体長1㎝前後、各種のクジラ類の皮膚に寄生しています。陸の動物に寄生するシラミは昆虫に分類されますがクジラに寄生するシラミはエビやカニなどと同じ甲殻類に分類されます。
生態についてはあまり詳しいことがわかっていないそうです。
エキノコックス
エキノコックスは主にキタキツネ、イヌ、ネコ、タヌキ、オオカミ等イヌ科をはじめとする肉食動物の糞に卵胞が含まれ、それを水分や食料などとして摂取してヒトや哺乳類が経口感染します。
感染してもすぐに症状は現れず潜伏期間が長いのが特徴で、成人の場合10~20年、子供の場合5年以上かかると言われています。
患者の98%が肝臓に病巣を形成され、肝機能に障害が起きたり、右上部の腹痛や皮膚の激しい痛み、腹水などをもたらすことがあります。
また肺に感染した場合は咳、血痰、腹痛、発熱などの結核類似症状を引き起こします。
ウオノエ
ウオノエは魚の口に寄生する寄生虫です。
魚の舌に寄生して吸血し、舌全体を委縮させて取り除いた後は自らが魚の舌になったかのようにふるまって身を守りながら魚たちの体液や血液を吸って成長し、繁殖も行います。
魚が口を開いた時に口の中の舌がウオノエになっている様子は何ともグロテスク・・・・
誤ってヒトが食してもヒトに寄生することはなく、ヒトの舌がウオノエに支配されることはありません。
アニサキス
芸能人が腹痛を起こしたことで一気にテレビ番組などでも取り上げられるようになったアニサキス。
多くの種類が存在しますが、そのどれもが魚介類に寄生する寄生虫です。
孵化後オキアミなどの甲殻類に寄生して第三期幼虫まで発育し、食物連鎖の上位の魚類やイカなどを中間宿主にしてその内蔵で更に成長します。
最終宿主はイルカやクジラなどの海生哺乳類で、成虫はその腸管に生息しますが筋肉部に生息することもあります。
本来ならヒトに寄生できる寄生虫ではないので、ヒトの体内に入ると数日で死ぬか排泄されるのですが、寄生されると激痛を伴い、胃の場合は激しい腹痛と嘔吐、腸の場合は腸重積、その他肉芽腫を発症することもあります。
日本においては60℃以上で1分以上の熱処理、また-20℃以下で24時間以上冷凍すると感染リスクを防げるとしています。
アタマジラミ
かつては日本でも広く問題になったこともあり、最近もまた増えてきていると言われるアタマジラミ。
卵は乳白色で約0.4㎜、一見するとフケのように見えます。
成虫の体長1~4㎜で、肉眼で確認することができます。
アタマジラミはヒトの髪の毛同士の触れ合いや学校のプールなどで感染します。櫛やタオルの貸し借りなども危険です。
ヒトの髪の毛につくと頭の皮膚から吸血し、寄生されると頭皮がかゆくなります。
また痒くて掻きむしり、その傷から細菌に二次感染することもあります。
シラミを発見した場合、簡単に手で摂れそうな感じがしますが実はかなり強力に髪の毛に固着していて、そう簡単に手で取ることはできません。専用のシャンプーやブラシなどを使い駆除するようにしましょう。
また家族に感染者がいた場合は洗濯物を分けたり、洗濯前に60℃以上のお湯に5分以上漬けておく、感染者の服をポリ袋に入れておくなどの工夫が必要です。頭から離れたアタマジラミは2~3日で死んでしまいます。
おぞましき寄生虫のまとめ
いかがでしたでしょうか。
知っている寄生虫、あまり聞きなれない寄生虫、実は身近にいるかもしれない寄生虫。
見落としがちな身の周りの寄生虫にあなたも注意を向けてみてはいかがでしょう。
もしかしたら、思わぬ恐怖が潜んでいるかもしれません。
(ライター ナオ)