虫たちの活動が活発になってくるこれから。害虫たちも動き出します。

気になるあの害虫たちについてまとめてみました。果たして天敵の力をかりて退治することはできるのでしょうか?

スズメバチ

スズメバチは大型で攻撃性の強いハチ。その大きさがスズメほどもあるということ、もしくは巣の模様がスズメの模様に似ていることから名前がついたと言われています。

成虫の餌は主として終齢幼虫の巨大に発達した唾液腺から分泌される栄養液。

天敵は人間、野鳥、ニワトリやクマなどが挙げられます。またスズメバチを捕食する怖いもの知らずのオオカマキリやオニヤンマなどの大型のトンボ、クモ、ムシヒキアブ、シオヤアブなども互いに捕食・被食の関係にあります。

幼虫にはカギバラバチ科のハチやオオハナノミ科の甲虫が寄生し、巣に寄生して生きた幼虫を捕食することも知られています。女王バチもまたコメツキムシ科の甲虫の幼虫によって捕食されます。

ハチクマという鷹の一種はスズメバチの巣を攻撃して巣ごと持ち帰り幼虫とさなぎがひな鳥のエサになります。

スズメバチの天敵「オニヤンマ」は最強の昆虫か?

アザミウマ

アザミウマの種類は5000種程いますが、その多くは1㎜以下の体長で花や野菜などに被害を及ぼす害虫です。

植物食の種は植物の表皮や花粉、菌類の胞子等に穴を開けて中身を吸い取ります。花が被害にあうと色は褐色なり、蕾が被害にあうと花は咲きません。茎や葉が被害にあうと植物の成長が悪くなり実の不結実がおこります。

更にウイルスを媒介することもわかっていて野菜農家などにとっては害虫です。

天敵はハナカメムシ類やカブリダニなど。タイリクカメムシは体長が1.6~2.1㎜程で飛翔能力も高いので、アザミウマを始めアブラムシやダニ類を自ら探索して広く捕食するので生物農薬として商品化もされています。

害虫「アザミウマ」の天敵や駆除方法は?

アブラムシ

アブラムシは植物を育てた人なら一度は見たことがあるだろう植物の液を吸う厄介な害虫。被害にあった植物は養分を吸い取られ、植物自体の衰えはもちろん、寄生されればコブが出来たり、葉が丸くなってしまうものも出てきます。更にウイルスの媒介やすす病などの間接的な被害も心配です。

アブラムシを捕食する動物はとても沢山いて、天敵は星の数ほど。代表的なのはナナホシテントウ、ナミテントウなどのテントウムシ類とクサカゲロウ、ヒラタアブの幼虫や寄生バチです。

コマユバチ科やツヤコバチ科に分類されるものはアブラムシの体内に産卵し、負荷した幼虫はアブラムシの内臓を食べ成長します。更に終齢幼虫期にはアブラムシの外皮を利用して蛹になり、最後はアブラムシを死滅させてしまいます。

アブラムシの天敵って?

アメリカシロヒトリ

アメリカシロヒトリは幼虫時代100種類ほどの樹木をエサとする蛾です。

樹木に巣を張り、葉を葉脈だけ残してスカスカになるまで食べつくす厄介な害虫。特に桜やヤナギ、プラタナスなどを好み、カキやリンゴ、クルミなどにも害を与えます。

繁殖力がとても強く樹木は葉が食べられると木自体が弱ってしまい作物にも大きな被害をもたらします。

天敵で代表的なのはシジュウカラやスズメバチ。シジュウカラはスズメくらいの体長ですが、年間12万5千匹という数の蛾を食べているという古い研究結果もあるほどの大食漢で日本の研究でも400匹以上いたアメリカシロヒトリの幼虫がシジュウカラに食べられ7匹ほどしか育たなかったことが報告されています。

スズメバチは幼虫成長のための貴重なたんぱく源としてアメリカシロヒトリを肉団子のようにして巣に持ち帰ります。

アメリカシロヒトリの天敵って?

アルゼンチンアリ

アルゼンチンアリは甘い実をつける果実を食害し、他のアリやハチ、鳥などの生物の巣を襲ったり時に絶滅に追いやったりするほど攻撃性が強く、驚異的なアリ。

人間や価値などの大型の哺乳類も大顎で噛みつくのでかなり痛い想いをしますが毒は持っていないので腫れるなどの症状は起こりませんが繁殖力も旺盛なことから不快害虫としての側面や生態系を脅かす存在として害虫扱いされています。

また他のアリと同様農業害虫とされるアブラムシやカイガラムシなどを保護する性質も厄介です。

日本へも物資の移動に伴い侵入していますが、日本においてはもちろん原産地であるアルゼンチンでも天敵はいません。

アルゼンチンアリの天敵って?

ウリハムシ

ウリハムシは漢字で瓜葉虫と書くようにナスやキュウリ、ズッキーニ、スイカなどのウリ科の植物に出現し食害する害虫です。

幼虫はウリ科植物の根を食い荒らし、成虫は葉を食い荒らします。時にウリ科以外のインゲンや白菜などに発生することもあります。成虫の活動時期のピークは7~8月です。

体長7~8㎜程の小さな虫ですが天敵といえる存在は特にいません。

しかしネギの臭いが嫌いで近寄らないのでウリ科の植物の周辺にはネギを植えておくと効果が期待できます。また、キラキラと光るものも苦手です。

ウリハムシの天敵って?

ウリハムシモドキ

ウリハムシモドキはマメ科の植物を食害する甲虫目の害虫です。

幼虫はマメ科だけでなくニンジンやレタス、シソなどの歯を網目状に食害したり、幼茎を切断します。

天敵に匹敵する昆虫としてはゴミムシ類の中でマメ科の植物に生息するキンナガゴミムシやアオゴミムシ等が挙げられますがこれらのゴミムシは日本でもあまり数多く生息している種類ではなく、天敵による駆除効果は期待できません。

ウリハムシモドキって害虫?天敵はいる?

蚊は言わずとしれた人間の天敵!?聞き馴染みのある羽音と共に現れる彼らは夏の一種の風物詩でもあるのですが・・・・。

蚊の活動的温度は15~35℃。この時期の繁殖前のメスが人間を吸血します。オスの蚊や多くの種類の蚊たちは長い口を持ってはいますが吸血はせず蝶やハチ、アブなどと同じように花の蜜を吸って暮らしているので、不快害虫としての蚊はアカイエカやヒトスジシマカ、チカイエカなどのほんの一部の蚊ということになります。

蚊の幼虫時代の天敵はゲンゴロウやタガメ、ヤゴです。蚊の幼虫はボウフラと言われますが、これらの昆虫はボウフラを見つけるとすぐに捕食してしまいます。

成虫の天敵はトンボ、カマキリ、ゴキブリ、アブ、コオロギ、ムカデなどの昆虫とカエル、ツバメ等。

特にトンボは好んで蚊を捕食します。更に人間も蚊の最大の天敵です。

蚊の天敵って?

カイガラムシ

カイガラムシは果樹をはじめ大半の被子植物に寄生して口針を植物の組織に深く突き刺して吸汁するので、被害にあった植物は成長が遅れるなどの影響があります。

またカイガラムシの排泄物には糖分が含まれ、すす病の原因にもなりますし、種類によってはウイルスを媒介するものも知られています。体が蝋上の物質で覆われているので農薬が効きずらく、果樹農家にとっては厄介な害虫です。

しかし一方でカイガラムシは資源利用として利用されている益虫でもあります。カイガラムシの被覆物質の蝋は様々な原料として使われ、また体に含まれる色素成分は染料などにも使われてきました。

天敵は寄生バチやテントウムシ。ただし天敵との捕食関係は特定のカイガラムシとの間に成り立ち、一般的に言えるものではありません。

例としてはベダリアテントウムシがイセリアカイガラムシの天敵になり、ヤノネキイロコバチとヤノネツヤコバイがヤノネカイガラムシの天敵として挙げられます。

カイガラムシの天敵って?

ナメクジ

ナメクジは農作業や園芸において植物の葉やつぼみ、花弁、野菜の新芽などを食い荒らし、直接的な被害をもたらすことの多い害虫です。

大量に発生すると茎だけ残して葉を全て食べられてしまったり、葉が一部食べられて穴が開き、成長不良の原因となります。

また見た目や家屋への侵入から不快害虫として扱われることや実際寄生虫や病原菌の宿主にもなっているので危険な側面もあります。

天敵は鳥類や雑食性の哺乳類ですがヤチバエ、クロバエ、ニクバエなどはナメクジに卵を産み付け幼虫が寄生します。

更に同じナメクジの仲間のようなコウガイビルもナメクジの体に巻き付いて覆面にある口から糞を伸ばし消化しながら肉を呑み込んでしまう恐ろしい天敵です。他マイマイカブリやオサムシなどもいますが生物農薬になるほどではありません。

ナメクジの天敵って?

カメムシ

多くの種類がいるカメムシの中の植食性のものには、葉や茎、果実等に口を差しこみ植物の細胞の中にある原形質などの液を吸汁する農業上重要な害虫となるものが多く存在します。

イネの害虫として知られるのはアオクサカメ、クロカメムシ、ミナミアオカメムシ、コバネヒョウタンナガカメなど。またミカンの果樹にはクサギカメ、チャバアネアオカメ、ツヤアオカメ。

野菜にはナガメやホソヘリガメ、ホオヅキヘリカメ等がつきます。

一方で肉食性のカメムシは害虫を食べるものもいて、それらは益虫とされています。

代表的なものはハナカメムシ類で、アブラムシやアザミウマなどを捕食するのでこれらの害虫防除に天敵として利用されているほどです。

カメムシの天敵は卵の中に産卵するチャバネクロタマゴバチやカメムシタマゴバチ、マルボシハナバエなどの寄生バチです。

カメムシの卵を食べるゴミムシやオオトビサシガメ、グンバイメクラガメ、アブ、サシガメなども天敵になります。

更にカメムシの成虫を宿主とするミミカキタケというキノコもカメムシの栄養を吸収して成長していく恐ろしい天敵の一種です。

臭くてたまらない害虫のカメムシ 天敵や撃退方法は?

蜘蛛

蜘蛛は耕作地などにおいては農業害虫の天敵になるので益虫として扱われますが、人家の内外においてもハエや蚊、ダニ、ゴキブリなどの衛生害虫を捕食するため益虫の役割を果たしています。

しかし、それらの役割を理解していない人や虫嫌いの人が増加し、近年は不快害虫として扱われる場合もあります。

クモの天敵は沢山いて、鳥類、トカゲ類、コウモリ類、寄生バチ類、狩りバチ類、寄生ハエ類、クモ類、カマキリモドキ類狩、サシガメ類などですが特に有名なのは狩りバチ類の中のベッコウバチです。

ベッコウバチは蜘蛛の正面から突っ込み大顎の間に針を刺して増す意志、蜘蛛の足を咥えて自分たちの巣穴に運んでいきます。

同じクモ類でも蜘蛛を専門に捕食する蜘蛛は多く、実は身近なところにたくさんの天敵が存在します。

蜘蛛の天敵って?

軍隊アリ

軍隊アリは日本にもヒメサスライアリという種類が生息しています。

一般的に群れになって狩りを行い、その長さは20mにも及び移動速度は時速1㎞ほど。あたり一面がアリで覆いつくされます。

狩りの対象となるのは昆虫や爬虫類、鳥類ですが、弱った牛や馬などの大型動物を食い殺すこともあり、人間が襲われることもあります。

ちなみに日本に生息するヒメサスライアリはアリを専門に狩るので人間に対する被害を心配する必要はありません。

天敵はアリジゴク。どんなに軍隊で攻めてもアリ地獄に落ちれば逃れることはできずに捕食されます。

また南北アメリカに生息しているグンタイアリ亜科のアリは生息地域を同じにするテキサスホソメクラヘビの出す特殊な忌避物質が苦手で、更にテキサスホソメクラヘビは軍隊アリを捕食するので強力な天敵といえます。

軍隊アリの天敵っているの?

ゴキブリ

存在を知らない人はいないだろう昆虫のゴキブリ。不快害虫の代表のような存在ですが、それだけでなく彼らはサルモネラ菌や赤痢菌、チフス菌などの病原体を伝播させたりする危険な害虫です。

更に就寝中にヒトが咬まれることもあります。

彼らの最大の天敵はもちろん人間ですが、その他にも魚類、鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類、節足動物といったあらゆる生物が挙げられます。

軍隊アリは集団でゴキブリに襲い掛かり、ゴキブリの前脚に一刺しして麻痺させその後体液を吸い取るという狩りを行うハチも存在しています。

日本ではアシタカグモが最大のゴキブリハンターと言われ、ゴキブリの体内に消化液を注入して獲物の体内を溶かし、その後体液を吸っていくという捕食を行います。

ゴキブリの天敵!アシダカグモ

コナジラミ

コナジラミは野菜、草花、果樹、観葉植物、庭木等多くの植物の葉、花などに寄生し、植物の先端部分の若い葉の裏で吸汁するので植物の生育が遅れたり、甘露がつきすす病の原因になります。

また一部の種類では成虫がウイルス病を媒介して植物の生育を阻害する他、幼虫が多数ついて葉が白くなったり、果実の色づきが悪くなり商品価値がなくなり、害虫として扱われています。

日本ではタバココナジラミやシルバーリーフコナジラミ、オンシツコナジラミ等が良く知られ問題になっています。

天敵はツヤコバチや肉食性のテントウムシ、クサカゲロウなど。生物農薬としてはクロヒョウタンカスミカメムシやタバコカスミカメ等が知られ、彼らはコナジラミの幼虫や卵を捕食します。

コナジラミの天敵って?

ジャンボタニシ

ジャンボタニシは名前の通り大型の淡水巻貝で日本へは食用として持ち込まれた外来種になります。

水田に生息しイネを食害することから東アジアや東南アジアの各地でイネの害虫として知られていて、日本でも岡山県などの水田で収量低下の被害が報告されています。

また卵塊はピンク色を鮮やかなピンク色をしていることから、水田の風景の美観を損ねるなど欠点も指摘されています。

しかし一方でジャンボタニシの6割が越冬できずに死ぬことからそれらの亡骸や排泄物や卵の殻はカルシウム分などの養分を田んぼにもたらす効果もあると考えられていたり、天然の除草剤として利用している人もいるとかいないとか。

天敵は魚類、鳥類、捕食性の水生昆虫、大型甲殻類、カメなどで日本ではカルガモやすっぽん、コイなどがジャンボタニシを捕食するとして大量発生しているところでは意図的にこれらの生物を放す取り組みも行われています。

ちなみにジャンボタニシの原産である南アメリカではヒアリがジャンボタニシを捕食する唯一の天敵とされているそうです。

ジャンボタニシの天敵って?

シロアリ

シロアリは木造家屋などに棲みつき木材や場合に酔うって葉コンクリートやプラスチック、動物の死骸なども食い荒らすこともある害虫ですが自然界においてはセルロースの分解に携わる重要な働きを持つ生物で、彼らの消化器官内の共生菌によるセルロースの分解プロセスに関する研究が進められています。

日本に分布するシロアリとしてはヤマトシロアリやイエシロアが一般的に知られ、その他南西諸島では10種類以上のシロアリが生息しています。

シロアリの天敵は同じアリの仲間であるクロアリや蜘蛛、カエル、ツバメ等で、特にクロアリは好んでシロアリを捕食します。熱帯地域ではアリクイやチンパンジーなどが地下にアリ塚を作って捕食しています。

シロアリの天敵って?

セアカコケグモ

セアカゴケグモは毒を持った危険なクモで、特にメスに噛まれた部位は激しい痛みをかんじ、その後腫れたり、全身に痛みや発汗、発熱などの症状が現れることがあります。

日本では1995年に大阪府で初めて発見され、その後特定外来生物に指定されています。

日本での天敵は同じ外来種であるクロガケジグモ、イエユウレイグモ、カゲロウ。カタビロコバチやヒメバチ科の仲間はセアカコケグモに卵を産み付けて寄生し、最終的には食い殺してしまう捕食寄生者も存在します。

2009年にはベッコウバチの1種であるマエアカクモバチもセアカゴケグモを捕食していることが確認されています。

セアカコケグモの天敵って?

タカラダニ

タカラダニは世界に40種類以上が確認されている真っ赤な小さい虫です。日本ではカベアナタカラダニという種類が一般的ですが人への害の心配はありません。

ただし、真っ赤な小さい虫がうようよとうごめいている様子は不快に感じる人も多く、不快害虫として扱われます。主に花粉などをエサとしていると考えられ、植物やコンクリートなどに発生します。

天敵はおそらく蜘蛛ではないかと言われています。生態があまり詳しくわかっていないタカラダニですのであくまで一般的なクモの生態を考えた場合になり得るのではないかという程度のようですが・・・。

タカラダニの天敵って?

ダニ

ダニは全世界で2万種もいると言われ、その生態や形態はとても多様です。

ダニ類の一部のマダニ類やイエダニ類は野生動物やネズミ類などを寄生対象にしていて、アウトドアでの活動時にマダニの被害を受ける例が増加しています。

また吸血はしませんが人の組織に寄生するダニとしてヒゼンダニやニキビダニ類が挙げられ、これらのダニは皮下に穿孔して寄生し皮膚病を発症させます。

更にハウスダストの中にも数種類のダニが生億していて、これらのダニは人間には寄生しませんが有機物を食べ、死骸などがアレルゲンになることもあります。

コナダニなどは小麦粉や乾物などの貯蔵食品で増殖し、食品工場などでは大きな損害を与えることもあります。

農業害虫としては植物に寄生するハダニなども存在します。

天敵は主にハエトリグモなどのクモ類。更にダニを食べるダニも存在しています。ツメダニというダニはチリダニを捕食し、ケナガカブリダニはツメダニを捕食します。最も、一番の天敵は人間ということも出来ますが。

ダニの天敵って?

チャドクガ

チャドクガの幼虫は全身に毛の生えた毛虫で、毛にはヒスタミンなどの毒が含まれています。

風に飛ばされた毛が皮膚についたり、服に付くと強い痒みと共に皮膚炎を起こす危険害虫です。

ツバキやサザンカなどの葉に卵を産み付け、孵化後の幼虫はそれらの葉を食べて成長するので放っておくと葉がなくなってしまうこともあります。

天敵は幼虫に卵を産み付ける寄生バチや寄生バエです。ドドグロクロタマバチやキイロタマゴバチ、ドクガヤドリバエ等がそれに当てはまります。更にスズメバチは幼虫をおそい肉団子の原料にすることもあります。

チャドクガの天敵

テントウムシダマシ

テントウムシダマシは草食系で主にナス科やウリ科のナス、ジャガイモ、トマト、キュウリ、ピーマンなどの野菜類の他、草花や庭木など幅広い種類の植物の葉を食べる害虫です。

幼虫、成虫共に葉の表皮と葉脈を残して網目状の食い跡をつけます。幼虫の主食は葉肉で、葉を食いつくすと茎や果肉をかじりはじめます。成虫は花や果実を食害します。

大食漢で放っておくと1匹といえどあっという間に株全体がボロボロになることもあり、収量に多きく影響してきます。

肉食性のテントウムシは体内にアルカロイド系の毒成分を蓄積して捕食者から逃れていて、体内に毒を持たないテントウムシダマシもこれらのテントウムシに擬態し身を守っています。ですから天敵は存在しません。

テントウムシダマシの天敵って?

トコジラミ

トコジラミは吸血性の寄生昆虫で吸血されると噛みついたときに唾液に含まれる物質が体内に注入され痒みを生じます。痒みは噛まれた1日目よりも2日目以降の方が強く、噛まれた痕跡は1~2週間は消えずに残ります。

一時はほとんどその被害が報告されなくなったトコジラミですが、近年旅行者などの増加に伴い再びその生息数が増えてきていると言われています。

天敵となり得る存在はおそらく蜘蛛ではないかと言われています。

トコジラミの天敵って?

ハダニ

ハダニはアカダニなどとも呼ばれ、草花、野菜、果樹、庭木等広範囲の植物に寄生し、幼虫は葉などの組織に針に似た口を差しこんで養分を吸い成長して成虫になります。

ハダニの吸汁した後は白色や褐色などの斑点になり、多数寄生すると葉全体が白っぽくなり植物の生育が悪くなったり、花が咲く期間が短くなったり、落葉したり、蕾が開花しなかったり、植物自体が狩れたりすることもあります。

そのため野菜や果物では収量が減り、草花や庭木では観賞価値が下がるので農業害虫として扱われます。

ハダニの天敵はカシハネカクシという昆虫です。ケシハネカクシは体長1㎜程の小さな虫ですが驚くほどの大食漢でハダニの卵を1日に100個、生涯で7000個以上食べると言われています。

更に卵だけでなく孵化した肌にも数日で200~300匹程食べてくれます。

ケシハネカクシはハダニが発生するとどこからともなく現れます。彼らが現れれば安心です。

ハダニの天敵って?

ヒアリ

ヒアリは南米大陸原産のアリですが2017年に入ってから8回程発見されています。

アメリカでは巣が都市などの構造物や道の下に作られ、それによって倒壊したり、穴が開く危険性も心配されています。更に農業でも多種多様な作物を食い荒らし農業機械や設備を破壊し、牧草地を荒らします。

更に毎年1400万人以上の人が刺されていて、多くがアレルギー反応を起こしています。一般的にはめまいや頭痛、激しい胸痛、吐き気、重度の発汗、低血圧などの症状が見られ放っておくと死の危険性もあります。

天敵は熱帯地域に広く生息するノミバエでアメリカでは国をあげてヒアリ対策にノミバエを活用しています。

更にクモ類、トンボ、エントツアマツバメ、オウサマタイランチョウなどの鳥やアルマジロもヒアリを捕食します。しかし日本ではヒアリの天敵になるような存在は確認されていません。

ヒアリの天敵って?

ムカデ

ムカデは山林に近い民家などではゴキブリを捕食する為に夏になるとムカデが家屋に侵入します。ゴキブリを捕食するという点では益虫なのですが、靴の中や家具に潜んだりして咬害が多いので危険害虫、また衛生害虫としても注意が必要です。

天敵はカエル、サソリ、ヘビ、ゴキブリ、鳥、トカゲ、モグラなどですが種類や体長によってはこの関係が逆転する場合もあります。

ムカデの天敵って?

ヤスデ

ヤスデは不快害虫的な要素が強く、見た目が不快であることに加え踏むと異臭を発することなどがその理由と考えられます。また寒冷地の森林では周期的に大量発生し鉄道の線路上に這い出して列車の車輪に踏みつぶされ、その体液で列車がスリップすることもあり危険です。

また体液自体もかつては狩猟用の矢毒として使われていた記録があるほど強いもので危険です。

ヤスデの天敵は昆虫類、爬虫類、両生類、鳥類ですが体の臭いや体液からこれらの生物でも積極的にヤスデを捕食するというわけではないようです。

ヤスデの天敵って?

ヤマビル

ヤマビルは陸に住む吸血性のヒルで気づかれないうちに血を吸われその傷口がヌメヌメしていて不快であることで忌み嫌われています。しかしそれ以上の寄生虫や病原体などの伝搬などの被害は知られていません。

大した武器も持たないヤマビルですがこれといった天敵はいません。

イモリの胃の中からヤマビルの死骸が出てきたこともある巣ですが日常的にヤマビルを捕食しているかどうかは定かではないようです。

ヤマビルの天敵って?

ヨトウムシ

ヨトウムシはヨトウガの幼虫でイネ科以外のほとんどの植物を食害する厄介な害虫です。昼間は土の中や葉の裏などに隠れていて、夜になると出てきて食粒を食い荒らすことから名前の夜盗虫という名前がついたと言われています。

1匹のヨトウガからは1000~3000個もの卵が産み落とされるので一度に大量発生し、一晩のうちに畑や花壇が無残な姿になっていたという被害も多数報告されています。

天敵はカエル、鳥、クモ、ムカデなどですがあまりにもヨトウムシの数が多いので現実的な駆除とまではいきません。

ヨトウムシの天敵って?

害虫どもの天敵のまとめ

いかがでしたでしょうか。

厄介な害虫たち。彼らも生物としての使命を全うしているだけなのでしょうがどうやら人間との相性はあまり良くないようです。

今年の害虫対策は万全でしょうか?