ナメクジの天敵は?と聞かれると思わず、「塩!!」と叫びたくなってしまいますが、
天敵ってそういうことじゃないでしょ。(一人ツッコミ)
生物学的に見た本当の天敵についてのお話です。
ナメクジの生態
ナメクジもカタツムリと同じ軟体動物門の一種ではありますが、貝類ではなく、カタツムリの殻が退化してしまったものと考えられています。
しかし、侮るなかれ!!ナメクジは生物の中では珍しく、セルロースを分解できる能力も持ち合わせている生き物なんです。
カタツムリの仲間はエスカルゴなどでも良く知られているように料理の材料としても使われることが多いのですが、ナメクジの場合はアラスカやカナダのごく一部の地域で食用している地域があるのみ。
食用にするときにはしっかりと火を通してから出ないと危険なのだとか。(カタツムリもそうですが・・)
ナメクジの中には退化の過程を象徴するかのように!?薄く平たいカタツムリのような殻を付けた種類が存在します。
ヒラコウラベッコウガイといって、殻の大部分が周囲の肉に覆われてしまっているのですが、明らかに透明の殻がついています。
日本でよく見られるナメクジはナメクジやチョコウラナメクジというもので、チャコウラナメクジは1970年代以降に見られるようになったヨーロッパ原産の外来種です。
山野にはヤマナメクジという大型種も生息していて、その体長は10㎝以上にもなるのだそう。
体は分厚くて触角は短いのが特徴。
沖縄にはヤンバルヤマナメクジやヒラコウラベッコウガイなども生息しています。
ナメクジはカタツムリと同じ雌雄同体で、お互いの生殖孔にペニスを入れ、精子を交換するような形で行われます。
ユーチューブなどでもその様子がアップされていますが、お互い絡み合って交尾している様子はどこか神秘的でもあります。
ナメクジの天敵
ナメクジの天敵はカタツムリと同じく、鳥類や雑食性の哺乳類などです。
またハエの仲間では、ヤチバエ、クロバエ、ニクバエなどがナメクジやカタツムリに卵をうみつけ、幼虫が寄生します。
他に特徴的な天敵として、コウガイビルが挙げられます。
コウガイビルとは先端部分が扇型のようになっているミミズのような生きものです。
通常は5~10㎝ほどの体長ですが、長いものでは80㎝になるものもいるようです。身体は細長く扁平で、黒色をしています。
ナメクジの同類のような印象も強いのですが、捕まえたナメクジに体全体で巻き付いて腹面にある口から吻を伸ばして、消化しながら肉を飲み込んでしまうという、なかなかの天敵です。
【く…喰われる!】
ただし、気持ち悪さを考えるとナメクジよりもこいつらの方が上だと思いますし、コウガイビル自体の生息域が狭く、都会で遭遇することなど皆無に等しいといえます。
試しに庭に放ってみる勇気がある方は試してみて下さい…嫌ですよね?普通は。
そう考えると、多くの肉食動物に捕食されますが、ナメクジには特定の天敵というものが少ないといえるのです。
ですからナメクジは、ときとして大繁殖をすることがある訳ですね。
農業の害虫、ナメクジ
ナメクジは農業の分野では農作物を食い荒らす厄介な存在です。
退治するのにはナメクジ駆除剤利用すればよいのですが、それ以外にも意外な駆除方法があるので、ご紹介します。
実はナメクジはビールが大好き。
ビールの飲み残しを小さな容器に入れておくと、そこに誘引され、ビールで溺死することも多いのです。
でも、油断してはいけません。
中にはお酒に強い個体もいて、飲み逃げされることもあるのだとか!!
そんなことが起きないように、ビールの中には駆除剤や塩を入れておくと良いようです。
ナメクジはビール酵母と麦芽の香りが好きなのだそうですが、詳しいことはわかっていないのだそう。
ビール大国のドイツでは一般的な駆除方法なのだとか。
ナメクジの天敵のまとめ
カタツムリと同じ軟体動物門の一種ではありますが、貝類ではなく、カタツムリの殻が退化してしまったものと考えられています。
ナメクジの天敵は鳥類と雑食性の哺乳類で、他にコウガイビルなどが挙げられますが、都会ではこれらの生物が繁殖しにくい為、天敵がおらず、大繁殖する事がある訳です。
・・・という訳ですので、ナメクジを撃退するには天敵の利用ではなく別の方法を考えた方が良さそうですね。
(ライター ナオ)