皆さんは毒虫と聞くと、どんな虫を思い出すだろうか?
ハチ?蛾?それとももっと他の虫?
暑さと共にどんどんと虫の多くなるこの季節、知っておきたい恐るべき危険な毒虫を紹介していきます。
アオカミキリモドキ
アオカミキリモドキは、日本全国の平地や山地の花のあるところで生息している体長が10~16ミリの小型の昆虫です。
頭や胸、触角、脚は黄橙色、上翅は青緑色で、体には光沢があって、とてもカラフルな容姿です。
花に集まって花粉を食べる草食性ですが、その美しさとは裏腹に厄介な毒を持っています。
アオカミキリモドキの体液にはカンタリジンをいう有毒成分が含まれているので、彼らの体液が皮膚に触れると皮膚炎を起こします。
見掛けてもうっかり触らないように注意しましょう。
アオバアリガタハネカクシ
アオバアリガタハネカクシは漢字で「青翅蟻形隠翅虫」と書きます。
上翅が青色で、蟻に似た体型をしているので、それが由来です。
アオバアリガタハネカクシの体長は7ミリぐらいで、頭の黒色から始まり、体の色は赤色と黒色の交互になっています。
アメリカ大陸以外の世界各地の主に温暖な湿地に生息しています。
アオバアリガタハネカクシの体液には、ペデリンという有毒成分が含まれているので、アオバアリガタハネカクシの体液が皮膚に触れると、10時間後にミミズ腫れを引き起こします。
アカカミアリ
アメリカ合衆国南部、中央アメリカ、南アメリカ北部などを原産地とした外来生物です。
日本では硫黄島や沖縄県などの米軍施設周辺で見られます。
アカカミアリの働きアリの体長は3~5ミリで、体の色は赤褐色です。
アカカミアリは集団で繋がって、水に浮きながら移動することが出来ます。
アカカミアリはアルカロイド系の毒を持っているので、刺されるととても激しい痛みに襲われます。
また、患部は水泡状に腫れます。
場合によってはアナフィラキシーショックが発生することがあります。
アシナガバチ
アシナガバチは世界で26属1000種以上生息しています。
日本では3属11種見ることが出来ます。
体長は26ミリぐらいです。
胴体と脚は黄色っぽい色をしています。
基本的に大人しい性格ですが、巣を攻撃された場合など、巣を守るために攻撃します。
キアシナガバチに刺されると激しく痛みます。
セグロアシナガバチは毒性が強いです。
アシナガバチに刺されると、アナフィラキシーショックを起こして死亡する場合があるので注意しましょう。
ウミケムシ
ウミケムシは、京都府の宮津湾に多く生息しています。
ウミケムシにはたくさんの種類があります。
だいたい10センチぐらいの体長です。
ウミケムシは体の側部に体毛を持っていて、警戒すると毛を立てます。
この体毛は毒針となっているので、人が素手で触れると刺されることがあります。
この体毛が刺さると、毒が注入されるようになっています。
体毛を抜いても毒は残ります。
ウミケムシの体毛には、コンプラニンという毒が含まれています。
激しい患部の痛みと、ミミズ腫れの症状が現れ、かゆみが数週間続きます。
オオベッコウバチ
オオベッコウバチは世界最大の蜂として有名な蜂で、北アメリカ南部、南アメリカ北部、中央アメリカに生息しています。
蜘蛛を専門に狩る、世界最大級の蜂で、体長は6センチ以上あります。
オオベッコウバチは毒針を持っていて、獲物の背中に刺して麻痺させますが、タランチュラの天敵となっている事から英語では「タランチュラホーク」(タランチュラを狩る鷹)と呼ばれているそうな。
その麻痺毒の針で人間がオオベッコウバチに刺されると、激痛に襲われます。
例えるならば、激しい電気ショックのようなのだそうです。
カバキコマチグモ
沖縄を除く日本全国の、田んぼや林などに生息しています。
オスもメスも10~15ミリぐらいの大きさです。
体は黄色の色をしていて、脚は黒い毛が生えています。
黒くて大きな顎も持っています。
カバキコマチグモが持っている毒の成分には、セロトニン、カテコールアミン、ヒスタミンなどが含まれています。
主に神経毒で、カバキコマチグモの毒はとても強いです。
カバキコマチグモに噛まれると、激しい痛みと、皮膚の腫れあがります。
また、頭痛や発熱、嘔吐などの症状が出ることもあるそうです。
クロアナバチ
日本やフィリピンに生息しているクロアナバチは、体長25~30ミリで、体が黒色で光沢があります。
地面に穴を掘って、卵を産み付けます。
庭の地面に、穴が3つ並んで空いていたら、クロアナバチの巣になります。
クロアナバチは攻撃的な性格ではありませんが、人を刺す時もあります。
毒性は強くありませんが、毒を持っています。
アナフィラキシーショックを起こす場合もあるので、気をつけましょう。
サシガメ
サシガメは、世界で900属以上6000種以上生息しているカメムシの仲間です。
日本でも沖縄や九州などに生息しています。
南米に生息するサシガメは、毒性が強く、感染病になる場合があります。
サシガメに刺されると、激痛が起こります。
激痛は数日間続き、その後痒みが出たり、患部の色が変わったりします。
毒が強く、酷い場合には発熱が起こり、肝脾腫に進行して、最悪の場合には死亡することもあるそうです。
スパニッシュフライ
スパニッシュフライは、ツチハンミョウ科の甲虫です。
スパニッシュフライが持っている毒の成分は「カンタリジン」で、スパニッシュフライはこのカンタリジンを体内に蓄えます。
人がカンタリジンを摂取すると、尿道の血管を拡張させて充血を起こします。
この症状が性的興奮に似ているので、西洋では催淫剤として用いられています。
ようは、男性が元気になる毒だということです。
ですがこの毒は、わずか1グラムで死に至る猛毒なのです!
ツチハンミョウ
ツチハンミョウは日本に15種類生息しています。
ツチハンミョウは体が紺色で、光沢があります。
体長は1~3センチで、お腹は大きくて、動きは鈍く、飛べないので地面を歩き回ります。
ツチハンミョウを触ると、死んだフリをします。
死んだフリをして、脚の関節から黄色い毒を出します。
この毒の成分はカンタリジンです。
皮膚に毒が付くと、患部が水ぶくれになります。
ツチハンミョウの体にもこの毒の成分が含まれています。
ヌカカ
ヌカカとは、体長1~1.5mmぐらいの小さな吸血害虫です。
日本全国に生息していて、4~10月頃にかけて発生します。
蚊やブヨなんかと同じで、人を刺します。
ヌカカは集団で行動しているので、集団で刺してきます。
ヌカカに刺されたら、とにかく痒いです。
皮膚が腫れたりもします。
ヌカカの唾液には、痒みを引き起こす成分が含まれています。
ヌカカの唾液と体がアレルギー反応を起こして、痒みなどの症状が現れるのです。
ハイイロゴケグモ
日本に分布している外来種です。
メスの体長は6~9ミリ、オスの体長は3~4ミリです。
灰色や褐色の色をしていて、丸い胴体をしています。
ハイイロゴケグモは毒性が強いですが、有害なのはメスのみで、オスは毒が弱いです。
ハイイロゴケグモの毒性は、α-ラトロキシンという神経毒です。
ハイイロゴケグモに刺されると、患部が熱を持ったり、痒みや痛みが起こります。
また、頭痛や筋肉痛、不眠などの症状が数週間続く場合もあります。
酷い場合には、筋肉麻痺が起こることもあります。
パラポネラ
パラポネラは別名「弾丸アリ」と呼ばれています。
ニカラグアからパラグアイまでの熱帯雨林地帯に生息しています。
パラポネラは体長2.5~3センチで、赤黒色の体をしています。
非常に強靭なアゴを持っていて、これで獲物に噛み付きます。
パラポネラの持っている毒の毒性は、「ポネラトキシン」というペプチド系の神経毒になります。
パラポネラに刺されると、とにかく激痛がします!
痛みは24時間続くそうです。
また患部は熱を持ち、腫れます。
ヒアリ
近頃ニュースで話題になったヒアリは、外来種です。
原産地は南アメリカなのですが、日本でも確認されています。
ヒアリの体長は2~6ミリで、赤茶色や赤褐色の色をしています。
ヒアリはアルカロイド系の毒を持っています。
ヒアリに刺されると、かなり激しい痛みと、患部が水疱状に腫れます。
めまい、頭痛、吐き気、低血圧、めまいなどの症状が現れたり、アナフィラキシーショックで死亡する場合があります。
フィエステリア
フィエステリアは藻類で、殺人プランクトンと呼ばれています。
正式名称は「フィエステリア・ピシシーダ」といいます。
魚がいない時は毒は無く、無害ですが、魚が現れると毒を出しながら魚に近づいて行きます。
フィエステリアの毒は、人にも害を与えます。
汚染された水などが皮膚に触れたり、毒素の含まれる空気を吸ったりすると、危険な症状が現れます。
腸の不調や皮膚や目の痛み、化膿性炎症、頭痛や吐き気、短期の記憶障害などを引き起こします。
ブヨ
関西地方では「ブト」などと呼ばれているブヨは、人間の血を吸います。
ブヨはハエよりも小さくて、体長2~5ミリぐらいです。
川の流れている山奥などに生息しています。
ブヨは人間の皮膚を噛み切って血を吸います。
ブヨは蚊よりも毒素が強いです。
ブヨに噛まれると、数時間後から1日後に激しい痒みや痛みが現れます。
患部が水ぶくれになったり、リンパ系の炎症を起こしたり、アナフィラキシーショックで呼吸困難になる場合もあります。
マツカレハの幼虫
マツカレハの成虫は、翅の開張が70~90ミリになります。
体は褐色で、前翅にまだら模様があります。
幼虫は、マツケムシとも呼ばれます。
松の木などでよく見かけることができます。
幼虫は背中が銀灰色で、お腹は金色です。
背中には藍黒色の長い毛があり、胸には毒針毛があります。
頭にも毒針毛の束が2束あります。
幼虫の毒針毛に触れると、激痛があり、患部が腫れ上がります。
そして痒みが数週間続きます。
マメハンミョウ
マメハンミョウの体長は12~17ミリです。
体は光沢のない黒色で、頭は光沢のある赤色です。
秋になると、畑の大豆などの植物に集団で集まって葉っぱを食べます。
マメハンミョウの体内には猛毒の物質があるので、鳥はマメハンミョウを食べません。
マメハンミョウの持っている毒性はカンタリジンです。
マメハンミョウに触れるだけでも、皮膚が水ぶくれになったりします。
この毒は、中国で暗殺に用いられた毒なのだそうですよ。
ヤネホソバの幼虫
ヒトリガ科のヤネホソバは日本の本州や四国、九州に生息しています。
ヤネホソバの成虫の前翅の長さは、9~11ミリです。
体は淡い橙黄色をしています。
幼虫は体長20ミリぐらいで、頭部は黒褐色、体は灰褐色です。
幼虫は庭のコケなどを食べます。
幼虫には毛がたくさん生えていて、0.05~0.2ミリの長さです。
ヤネホソバの幼虫のこの毛は毒針毛なので、毒があります。
毛に皮膚が触れると、発疹ができたり、ぴりぴりやちりちりと痛んだりします。
チャドクガの幼虫
本州以南の日本各地に生息しているチャドクガ。
毛虫は4~10月にかけて2回ほど発生します。
淡黄褐色で体長は25㎜程度。チャノキやツバキ、サザンカなどのツバキ科の植物の葉を食害することでも知られています。
数十匹が頭をそろえて集団で葉を食べ、食いつくすと集団で移動していきます。
刺激を与えると、幼虫たちはいっせいに顔を上げ、頭を揺らす行動をとるのですが、これは敵に自分たちの存在を大きく見せる効果があり、同時に体を揺らすことで棘を飛ばして攻撃をしているのだとか。
2齢虫以降に毒を持つと言われる毛は0.1~0.2㎜程の長さでヒスタミン等の物質を持っています。
幼虫の体から抜けやすくなっている為、人間の体や皮膚に付着することも多く、毛に小さな棘のようなものがついている為、一度付着すると抜けにくいのも特徴です。
毛がつくと2~3時間のうちに皮膚は赤く腫れ、痒みが生じます。この症状は長期にわたって続くので、とても厄介。体質によってはアレルギー反応を起こす場合もあります。
放っておくと痛みや痒みで眠れなくなったり、発熱やめまいを伴うこともあるので注意が必要です。
イラガの幼虫
日本には27種類が生息していると言われるイラガ。
7~8月に発生し、多い時には10月にも発生する危険な毒蛾です。
体長は25㎜程度、幼虫はライムのような鮮やかな緑色と薄茶色をしていて、形はウミウシのようです。
全身に棘があり、その棘から毒液を分泌します。
幼虫はカキノキやサクラ、ウメ、リンゴやカエデ、ヤナギなどの葉の裏にいることが多く、成虫になっていからは何も食べません。
誤まって幼虫に触ると激しい痛みを感じ、後に1時間ほどの痛みが続き、痒みは1週間続きます。
体質によっては、水泡状の炎症がおこることもあります。
幼虫だけでなく、卵や種類によっては繭にも毒毛をつけているものがあるので、注意が必要です。
処置としてはガムテープなどで衣服についた毒毛を取り除くことや、患部を水で洗い流すこと、また、抗ヒスタミン剤の軟膏をぬること。
ベネズエラヤママユガ
名前の通り中南米のベネズエラ周辺に生息している蛾で、節足動物最強の毒を持っていると言われています。
樹皮の裏などに生息しているので、現地では木に寄りかかるなどの行為も注意が必要なのだそうです。
個体差がありますが、白や赤、青などの派手な色をしていて、ベネズエラでは、毎年死者が出ているほど。
毒は抗凝血性の出血毒で、クサリヘビやガラガラヘビと同じ毒です。
刺されると、傷口の出血が止まらなくなり、内臓出血、脳内出血や内臓の機能が働かなくなり、腎不全をおこす場合もあります。
ムカデ
日本にも多くの種類が生息しているムカデ。実は、このムカデにも毒があるんです。
ムカデは頭部と歩肢の並んだ胴部を持っています。1対の触角と口器があり、それに続く顎の形になった顎肢部分に毒腺はあります。
ムカデは種類によって地上性のものと土壌性のもの、小型のものと大型のもの等いますが、大型のものは特に凶暴で、人間の拘束下においてはその性質が顕著に表れます。
食性は肉食で、小動物を捕食しますが、大型のムカデになるとセミやネズミ、コウモリなども捕食するようです。
ムカデに噛まれたことによる死亡例はありませんが、アナフィラキシーショックには注意が必要です。
スズメバチ
日本で最も咬害の多いスズメバチ!!その被害件数はクマや毒蛇を遥かに超えています。
日本には16種類のスズメバチが生息しますが、皆一匹の女王蜂を中心とした社会を形成して暮らしています。
民家の軒下などに巣を作り、幼虫は成虫の作る肉団子等を、成虫は終齢幼虫の唾液腺の液を食べます。
幼虫の食べる肉団子は成虫が他の昆虫の筋肉を集めて団子状にしたもの。
成虫の食べる液体成分は1.3~1.8%が可溶性のたんぱく質で、人乳の組織に近いものだそうです。
成虫は、幼虫が終齢にまで達していない時は花の蜜や樹液などを吸って生きています。
スズメバチの毒は毒カクテルとも言われ、ヒスタミン、神経毒、ペプチド、たんぱく質など数種類の毒が混ざったものです。
のこぎり状の細かい刃が密生した2枚の針が刺針の外側を覆い、毒液が無くなるまで何度でも刺すことが出来ます。
毒液を空中に散布して仲間に危険を知らせることもあり、刺されなくても、この毒が目に入った場合には失明の危険性もあるというほど、恐ろしい毒です。
毒がかかったり、刺された場合にはすぐに毒を洗い流す、絞り出すなどの処置をして患部を冷やす応急処置が必要です。
また、一度刺されたことのある人はアナフィラキシーショックを防ぐために、医師に自己注射薬などを処方してもらっておくことをオススメします。
キラービー(アフリカナイズドミツバチ)
タンザニア原産のアフリカミツバチとセイヨウミツバチを掛け合わせて生まれた養蜂目的のミツバチ。現地ではキラービーとも呼ばれています。
もともとアメリカにいなかったミツバチをどうにか定着させようとして実験している最中に逃げ出し、繁殖したとものが猛威を振るっているのだそう。
毒性はそれほど強くないものの、集団が大きく、一度敵とみなすと全員で攻撃する恐ろしさを持っています。また、外来種のため外敵がおらず、その数は年々増加しているのだとか。
アメリカ南部のアリゾナ州では400kgを超えるブタが数十万匹のアフリカナイズドミツバチに襲われて死ぬという事件もありました。
毒の強さとしては500回刺されるとガラガラヘビと同じという程度で、日本のスズメバチの方がはるかに危険。
オブトサソリ
中東からヨーロッパにかけて、またオーストラリアなどの乾燥地帯に生息しているサソリで、別名をデスストーカーと言います。
黄色から緑の薄い色をしていて、体長は5~10㎝でサソリの中では小型。鋏よりも尾の方が太く、敵に襲われた時には毒針のついている尾を振って敵から身を守ります。
夜行性で昼間は石の下や巣穴に潜み、夜になると出歩いて昆虫や小動物などを捕食します。
移動や回転のスピードが速く、サソリの中では気性が激しく攻撃性も強いと言われています。
強力な神経毒のアンドキシン、カリブドトキシン、スキラトキシンを含む強力な神経毒を持っていて、噛まれると神経がマヒし、場合によっては喉が硬直し、発生障害や呼吸筋の麻痺による窒息死することもあると言われています。
特に中東のオブトサソリの毒性が強く、サソリ被害の75%がこのオブトサソリによるものなのだそうです。
セアカコケグモ
オーストラリア原産のクモで体長はメスが10㎜、オスが3~5㎜ほど。
メスは体が丸く体表は鈍い光沢のある黒をしています。ひし形が2つ縦に並んだ赤い模様がついています。オスはメスより体形が細く、褐色がかかった地色に淡色の目立たない斑紋があります。
もともとは日本にも生息していませんでしたが、1995年に大阪で見つかり、外来種として今では日本各地で確認されるようになりました。
海外ではニュージーランド、ヨーロッパ、東南アジア、アメリカ等にも生息しています。
メスはα―ラトロトキシンという神経毒を持っていて、オスは牙が小さく毒も持っていないと言われています。性格は大人しく、めったなことでは噛まないとも言われており、噛まれたとしても抗血清による対応が可能。
オーストラリアでの死亡例はあるものの、日本での報告はありません。
シドニージョウゴグモ
オーストラリアシドニー周辺の林床の倒木や岩石の下に漏斗状の巣を作って生息しています。
体長は40㎜前後、脚を含めると100㎜程。青みがかかった黒色をしていて、オスよりもメスの方が大型です。体毛や脚の太さからタランチュラに似ていると言われています。
オスは牙が大きく、前2本の脚と牙を見せつけて敵を威嚇します。
夜行性で小型の爬虫類や昆虫を捕食します。
毒はロブストキシンと言われる強酸性の毒で、毒性としてはとても強く、最強の毒グモと言われることもあるほど。
しかし、この毒は人間を含めた霊長類や幼いマウスにしか通用せず、捕食の際には使わないため、防衛用ではないかと考えられています。
1950年までは血清がありませんでしたが、現在は血清もあり、放置せずに適切な処置をすることが重要です。
ブラジルドクシボグモ
別名をバナナスパイダーといい、バナナの木に隠れていることの多いクモです。
名前の通りブラジルに生息していて、世界一の猛毒を持ったクモとされ、ギネスブックにも登録されています。
体長は17㎝ほどもあり、人を恐れず人家にも侵入してきます。
ひと噛みで8㎎ほどの毒を出すことが出来るので、人間十数人殺すのも容易。噛まれると2時間以内に呼吸困難に陥り、男性は勃起して死ぬと言われています。
解毒剤があるので、適切な処置をすれば死に至ることはないようです。