フィエステリアは毒を持っているプランクトンです。
形を変えながら襲ってくる!?プランクトンは人間にとっても驚異的な存在なのでしょうか?
未だ謎も多いフィエステリアについて詳しくご紹介します。
フィエステリアの特徴
フィエステリアは従属栄養性の渦鞭毛藻で、葉緑体を持たない単細胞生物です。
アメリカのノースカロライナ州で発見され、揮発性の神経毒を産生すると言われています。
生活環に関して2つの説があり、一つはバークホルダーの提唱した複雑極まりないもので渦鞭毛藻としては稀有なアメーバ相を含む24ステージを返還するという説。
そしてもう一つはシンプルで典型的な渦鞭毛藻の生活環を採るというものです。
フィエステリアの毒
フィエステリアは普段は淡水に穏やかに棲んでいますが、魚や他の動物がやってくると水中に溶出される微妙な分泌物を察知してシスト態からアメーバや鞭毛虫へと変貌します。
獲物に接近した細胞は毒素を放出し、相手の動きを鈍らせます。こうすることで獲物が射程圏外へ逃げることを防ぐのです。
同時に毒素は魚の皮膚を侵し、浸透圧のバランスを崩壊させて流血を促します。
その後、フィエステリアは魚の傷口にペダンクルを差し入れて血球やその他の物質を吸収し、魚が死ぬと鞭毛細胞はアメーバ態に変化して自己細胞表面をシスト壁で覆います。
このように体を変化させることで魚の残骸上で安定な生活を営みます。
洪水などの攪乱によってこの安定状態が乱されると、細胞は完全なシストとなって低泥中に埋もれたり、基物に接着したりして休眠し、再び獲物の接近を待ちます。
このような体の形態の変化は数時間のうちに行われています。
フィエステリアの毒は水中に拡散すると共にエアロゾルという物質が気相に放出されます。
人の皮膚に対する害は主にこのエアロゾルによるもの。また、フィエステリアが生息する水に直接触れた売屋被害を受けた魚を経由して病害を被ることもあります。
フィエステリア自体は人への感染性を持たず、害は専ら毒素によるもので、腸の不調、皮膚や目の痛みや化膿性炎症を引き起こして時には頭痛や吐き気、短期の記憶障害までも伴います。
病害の程度や持続期間はフィエステリアに曝露されていた頻度や時間と相関があり、フィエステリアの研究に携わっていた研究者らがその培養の水やエアロゾルとの接触を通して健康に害をきたしたことが報告されています。
一日1~2時間、5~6週間ン位かけて接触を持っていた研究者たちは目の赤化、視界の不鮮明化、ひどい頭痛、ぜんそくに似た呼吸困難、腎臓や肝臓の機能不全、重大な記憶障害及び認知障害、眠気、倦怠感、水に直接触れた部分の局所的な外傷などに見舞われたと報告咲荒れています。
最終的には文字の読解不能や人名・電話番号の喪失などに陥り、ごく簡単な作業も遂行困難になってしまったことが報告されています。
これらの病状は回復するまでに長期間かかり、完全に病状が収まるまでには最低でも6か月かかると言います。
研究は進んでいますが、毒素に対する有効な治療法はまだ発見されておらず、これらの害を避ける方法としてはフィエステリアの生息する区域に近づかないことが推奨されているだけ。
日本にフィエステリアはいる!?
日本にはまだフィエステリアはいないということになっているそうです。
フィエステリアによる魚の大量死の報告がないことが根拠のようですが、北海道大学の教授はこの種の藻類はどの海にもいる可能性はあると言います。
船や鳥が海外から休眠状態のフィエステリアを運んでいる可能性は大いにありうると指摘されています。
(ライター ナオ)