世界最大のハチと言えばオオベッコウバチです。
この種はただでかいだけでなくその見た目にふさわしい強さも兼ね備えています。
当然ハチらしく毒も持っており、刺されると危険を伴います。
日本で危険なハチと言えばオオスズメバチですが、オオベッコウバチの場合その危険性や毒の強さなどはどのくらいのものなのかご紹介いたします。
オオベッコウバチの生態
まずオオベッコウバチの特徴を挙げるとするならば、大きな体と食性にあるでしょう。
世界で最大と言われるオオベッコウバチは体長だけでも6㎝以上になり、翅や脚を含めば一般に想像するハチの数倍の大きさになります。
もし外を歩いていてこれに出会ってしまうと恐怖を覚えるほどの大きさです。
主にアメリカ大陸の暖かい地域に生息しており、そのアメリカンサイズにも納得です。
しかしここまで大きくなった理由にはオオベッコウバチの食性が関係しています。
ベッコウバチ全般に共通してクモを狩りますが、オオベッコウバチの生息する地域ではクモのサイズも大きく、タランチュラなどのクモが狩りの対象となります。
これに対抗し、戦いに勝つためにオオベッコウバチも大きく進化してきたと考えられています。
クモを狩る
クモを狙って狩りをしていることからドクグモオオカリバチと呼ばれたり、特に特大サイズのクモであるタランチュラを狩っている様子をタカに見立ててタランチュラホークと呼ばれることもあります。
ベッコウバチ類であれば日本にも多くの種が存在しています。
いずれもクモを狩る性質を持っていて、基本的には人間を襲いません。
これはオオベッコウバチも同じで、無差別に人間を攻撃することはないです。
このことは、オオベッコウバチがタランチュラを襲うのが、自分が食べるためではなく幼虫の食事を準備していることが理由だからです。
成虫であれば花の蜜を吸って養分にしていますが、幼虫の場合成虫が狩りをしてきたクモを食べて育っていきます。
しかしこのとき餌の鮮度を保つためにクモを殺してしまうのではなく麻痺させた状態で与えられます。
毒性について
オオベッコウバチの毒はクモを麻痺させる効果があります。
逆に言えば殺すほどの毒性はもっておらず、麻痺させるにとどまります。
ハチの毒にはハチ毒キニン、セロトニン、ヒスタミンという成分などが主に含まれています。
ヒスタミンは痛みや痒み、発赤などの症状が現れます。
そしてセロトニンはヒスタミンよりも強い痛みを引き起こすと言われ、スズメバチがこの成分を多く含んでいると言われています。
セロトニンの含有量で言えばオオスズメバチの方が多く、毒性だけを考えた場合の危険性はオオベッコウバチのほうが低いと考えられます。
しかしオオベッコウバチの場合にはこの毒に加え、大きな針を持っています。
そのため刺されると毒で死んでしまう可能性が低くても激痛を伴うでしょう。
様々な昆虫による痛みをランク付けしても最上級に位置するとされています。
防除するには
日本でオオベッコウバチを見ることはほぼありませんが、ベッコウバチが家屋のそばに巣を作ることがあります。
気づかないうちに刺激してしまい刺されてしまうこともあります。
オオベッコウバチほどの危険はありませんが、刺されないに越したことはないので防除のため、エアゾールを吹きかけておくと予防もできるでしょう。
もし刺されたときにはステロイド軟膏を塗布し場合によっては病院で診察をしてもらいましょう。
オオベッコウバチの毒針で刺されるとかなり痛い
基本的にオオベッコウバチの毒針はクモに対して向けられています。
しかし敵とみなされたときには襲ってくるでしょう。
刺された時には激痛を伴うということを覚えておき、むやみに手を出さないようにしましょう。