暖かい季節になると、庭の片隅で穴を掘って出入りしている、何やら黒い虫を見かけたことはありませんか?

その正体は「クロアナバチ」。

 

名前の通り、地面に穴を掘って巣を作るハチです。

よく見かけるハチなだけに、危険性はないのか、少し心配になりますね。

そこで今回は、クロアナバチの生態や毒の危険性について見ていきましょう。

クロアナバチってどんなハチ?

クロアナバチは台湾やフィリピン、そして日本に生息するアナバチの一種です。

発生時期は8月から10月頃にかけて。

 

その名の通り、黒く光沢のある体色をしていることから、クロアナバチという名が付けられました。

スリムな体型をしてはいますが、体長は25mm~30mmと思ったより大きめです。

 

彼らは地面に穴を掘って巣穴を作りますが、日当たりや水はけの良い砂地の地面に好んで営巣します。

つまり、山や森なんかよりも、人家の庭はうってつけの営巣場所ということですね。

 

それでは、次はそんなクロアナバチの巣について見ていきましょう。

じつはクロアナバチの巣は3つで1セットとなっており、そのうち両脇の2つはダミーの巣穴。

恐るべし危険な「毒虫」30選!

真ん中の穴が、本命(?)の巣穴です。

クロアナバチは巣が完成すると、ひとまずきちんと巣穴を塞いで戸締りをしてから、獲物を狩りに出かけます。

 

そしてキリギリスなどを捕まえて毒を注入し、「死なないけれど動けない」状態にしてから巣穴へと持ち帰るのです。

その時点でかなり恐ろしいですが…巣穴へと押し込まれた獲物は身体に直接卵を産み付けられ、卵から孵化した幼虫に生きながらにして食べられるのです…。

 

こうすることで、幼虫が成長するまでに十分な餌を、腐らせずに確保できるというわけですね。

ちなみに、卵を産み付けた後は、親バチは二度と巣には戻りません。

クロアナバチの毒について

クロアナバチはとても身近によく出没するので、その危険性をしっかりと知っておきたいですね。

彼らは強い毒を持っていたり、人間に対して攻撃的に刺したりするのでしょうか?

 

基本的にクロアナバチは攻撃性の少ない性格をしているので、自分から人間を刺すことはほとんどありません。

さすがに、素手でつかんだり裸足で踏んだりすれば、刺される可能性もゼロではないでしょうが…。

 

獰猛な性格をしているスズメバチのように、「巣の近くを通っただけで刺す」「触ろうとしただけで刺す」なんてことはないので、ご安心を。

クロアナバチのことを調べる過程で、その毒によって死亡したり重篤な症状が起きたという話は、見つけることができませんでした。

 

刺されること自体が稀ですし、毒性もさほど強くはないと考えて良いのではないでしょうか。

ただし、アナフィラキシーショックを起こす可能性はゼロではありませんから、十分に気を付ける必要はあります。

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これは筆者の個人的な経験ですが、筆者は以前庭に大量に出現したクロアナバチの巣を、駆除のために壊しまくったことがあります。

近くでブンブン飛ぶので多少怖くはありましたが、彼らは攻撃を仕掛けてくる様子はありませんでした。

(※興味本位で真似しないでくださいね!)

 

このことからも、とても攻撃性の少ないハチであることがわかりますね。

しかし残念な点が一つ…それは、巣を壊してもあっという間に作り直してしまうということ。

砂で埋めても、水を入れてみても、ジャストフィットするサイズの石で入り口を塞いでみても、気が付いたら元通りになってしまっていました。

クロアナバチについてのまとめ

私たちの身近に良く現れるハチではありますが、クロアナバチはそれほど危険なハチというわけではありません。

ただ、そっとしておけば刺されることはまずありませんが、万が一刺された場合はきちんと病院で治療をしてもらいましょう。

(ライター もんぷち)

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