ヤネホソバと呼ばれるガは毒性を持っていることや、私たち人間との生活領域が近い事で知られており、そのためいくつかの問題が生じてくることがあります。
特に毒を持っているということが大きな懸念事項です。
どのような毒を持ち、刺されるとどんな症状が起こるのか知っておくことで適切な対処ができることでしょう。
ヤネホソバの生態
ヒトリガ科に分類されるガの一種で、多くの場合害虫として扱われています。
毒を持っていることが知られているので有毒害虫として、そして園芸害虫や不快害虫としての側面も持っています。
有力な名前の由来としては、昔日本に多く存在したかやぶき屋根に発生していたということが関係しているようです。
この屋根に生えるコケを好んで食べるので比較的市街地や家屋の近くで生息していることが多いガです。
日本では本州の南寄りや四国、九州が主な生息域ですが、広い範囲でヤネホソバを確認することができます。
また近隣国である中国などでも生息しているようです。
幼虫期について
実はヤネホソバで注意が必要なのは成虫ではなく幼虫の方です。
毒針を持っていて素手で触るのは危険なので、もし発見したとしてもつついたりしないようにしましょう。
コケや地衣類が発生している場所であればこの幼虫がやってくる可能性があり、民家であっても数多くの幼虫が侵入することがあります。
他の多くの有毒害虫と比べてやっかいなのは森林などではなくこうして家の中でも現れるという点にあります。
しかも天井から糸を出して垂れていることもあり気づかないうちに接近しているということも考えられます。
さらには洗濯物の中に入ってしまうことでそのまま着てしまいケガをする恐れもあります。
近年ではかやぶき屋根などほとんど見られなくなりヤネホソバの好む環境は昔に比べて減っています。
そしてそれに伴って直接被害を受けることは少なくなっていますが、コンクリートに囲まれた環境でもヤネホソバの幼虫がやってくることはあるので注意が必要です。
刺されたときの症状と対処法
幼虫の体長は2㎝から3㎝ほどと小さいですが体表には多数の毒針毛を備えています。
この毒針で刺されると激痛が起こると言われており数日間は痛みが残ってしまいます。
さらに発赤や丘疹を生じて痒みなども出てくるので完治には一週間以上かかることもあります。
こうして刺された後もピリピリと痛み発疹ができてしまうのは、幼虫の持つ毛が非常に細く短いものであることも関係しています。
この微小な毛のために皮膚に刺さったままになっていることがあるのです。
治療のためにはまずこの毛を落とすことが大切で、皮膚をこすったりしてしまうとさらに毒針がくい込んでしまい症状が悪化してしまいます。
セロテープやガムテープを貼り付けることで抜くのも有効的で、または水で洗い流すなどしてその後ステロイド軟膏を塗ると良いでしょう。
駆除の方法
刺されないようにするためにもまずヤネホソバの発生を抑えることが大切です。
大量にまとまって発生していることも多いので発見した場合には殺虫剤を使用すれば問題ありません。
その後は忌避性を持った薬剤を散布したり、エサとなるコケや地衣類をしっかりと除去しておきましょう。
それでも多数発生してしまうようであれば業者に依頼するのがおすすめです。
ヤネホソバの毒には激痛と発疹を起こす成分があり危険
まとめとしては、まずヤネホソバでは幼虫期が危険であるということです。
そして多数の毒針に注意が必要で、激痛及び痒みを生じて皮膚が炎症を起こしてしまいます。
刺されたときは極力触らず毛をしっかりと抜いてから処置を行いましょう。
また発生をさせないためにも壁にコケなどを生やさないように心がけましょう。