みなさんは「アオバアリガタハネカクシ」という虫を知っていますか?
なんだか長ったらしい名前ですが、そこからはかろうじて「アリに似てるのかな?」くらいの想像しかできないですよね。
しかしこの虫、実は身近なところに潜んでいる危険な虫なのです。
ハチやムカデなどは見かけるとすぐに危険だなとわかりますが、アオバアリガタハネカクシは知っていなければ危険だとは気づかない場合が多いので注意が必要。
今回はそんなアオバアリガタハネカクシについて、生態や危険性など調べてみました。
アオバアリガタハネカクシってどんな虫?
アオバアリガタハネカクシは、アメリカ大陸以外の全世界に分布している虫で、日本全土にも広く生息しています。
体長は約7mmほどと小さく、アリによく似ていますが、胸部と腹部の一部がオレンジがかっているのが特徴。
湿気の多い草地を好むので、田んぼ、池、川、畑の周辺などでよく見かけます。
一見すると小さくてとても危険な虫には見えませんが、だからこそ気を付けなければならない虫の代表格です。
虫の毒と言えば、刺したり咬まれたりすることで被害を及ぼすのが一般的ですよね。
しかしアオバアリガタハネカクシは、刺したり咬んだりすることはありません。
それでは何が危険なのでしょうか。
実はアオバアリガタハネカクシの毒は体液に含まれており、皮膚に触れるだけで水膨れや腫れなどの炎症を引き起こす、とても強い毒なのです。
もし体にアオバアリガタハネカクシがとまった際に手で払い落とすと、体液が糸のように付着してしまいます。
そうすると、体液が付着した部分が炎症を起こしたり水膨れができたりしてしまうのです。
その様子が火傷に似ていることから、「やけど虫」とも呼ばれているんですよ。
アオバアリガタハネカクシの毒は「ペデリン」という毒性が非常に強いもので、小動物程度なら死に至る場合もあるそう。
人間の場合は皮膚が炎症を起こすだけなら、そんなに心配しなくても…と思われるかもしれませんが、もしこの毒が目に入ってしまったら大変。
結膜炎や角膜炎などを引き起こし、最悪の場合は失明に至る危険性もあるのです。
アオバアリガタハネカクシを触ったり潰したりした手で、絶対に目を触らないようにしましょう。
アオバアリガタハネカクシの毒の対処法
想像していたよりも恐ろしい虫でしたが、こんな虫が日本全国どこにでもいるとは恐ろしいですね…。
いつ被害に遭ってしまうかわからないということです。
特に小学生くらいまでのお子さんは、虫捕りや遊びでアオバアリガタハネカクシが生息している場所に近づくことが多いので、気を付けなければなりません。
それでは、もしアオバアリガタハネカクシに遭遇してしまった場合、どうしたら良いのでしょうか。
まず、見つけても絶対に触らないことが重要です。
ちょっと触れただけでも炎症を起こしてしまう可能性があります。
しかし厄介なのが、自分から触れなくてもアオバアリガタハネカクシの方からくっついてきた場合。
その場合、できるだけ刺激しないように、そーっと払い落としましょう。
手元に殺虫剤などがある場合は、それを吹きかけるのも効果的です。
そして、アオバアリガタハネカクシが触れた場所は、しっかりと水で洗い流してください。
この毒は遅効性で時間をおいてから症状が出てきます。
一見体液などついていなさそうに見えても、きちんと洗ってくださいね。
そして、応急処置としてステロイドが含まれている外用薬を塗るのが効果的だと言われています。
しかしあくまでも応急処置ですので、その後はきちんと病院を受診しましょう。
アオバアリガタハネカクシについてのまとめ
小さくて油断してしまうからこそ、より危険なアオバアリガタハネカクシ。
知らず知らずのうちに払いのけてしまって、炎症が起きても虫が原因だと気づかないことも多いようです。
特に薄着になる6月から8月にかけて、アオバアリガタハネカクシも活発に活動をするので、注意しましょう
(ライターもんぷち)