皆さんは「やけど虫」という虫をご存じだろうか?
アリに似ていて、赤と黒の配色がいかにも怪しい雰囲気を醸し出している昆虫なんです。

やけど虫の正体

やけど虫はコウチュウ目、ハネカクシ科、「アオバアリガタハネカクシ」という名前の昆虫です。

 

体長は6~7㎜、頭部はアリに似ていて黒色、前翅はグリーンで後ろ翅は名前の通り隠れていますが、飛ぶときには翅を出し、飛翔能力のある昆虫です。
胸部は橙で、末端は黒というざっくりと太めのストライプのような模様!?をしています。

 

体液に毒のペデリンを持っていて、それに触ると、触った部分が線上の皮膚炎や水膨れになり、まるで火傷したときの症状に似ていることから「やけど虫」の名前が付いたと言われています。

やけど虫の生態

やけど虫は日本全土に生息していて、その発生時期は6~8月が最も多いと言われています。

水田の周りや池、沼、田畑など湿潤な草地に多く生息していて、メスは越冬することが出来ます。

一度に18~100個ほどの卵を産卵し、その後2齢虫を経て蛹になり、孵化します。

 

成虫になってからの寿命は1年ほどあると言われています。

雑食性ですが、ウンカやヨコバイを好んで捕食します。

 

ダニや植物の腐敗したものも食すと言われています。
光に集まる習性ももっていて、外に家の光が漏れていると、そこをめがけて飛んでくることもあります。

やけど虫の被害にあわないために

やけど虫は生きている時だけでなく、死んでから体には有毒が残りますから、死骸を触ることも危険です。
もし家の中で見つけても決して素手では触らないようにしましょう。
服などについた場合にも手で払わずに、ふっと息を吹き替えるように払い落とすのが賢明です。

 

家の中への侵入を防ぐためには家の明かりを外に漏らさないようにすると良いでしょう。

ガラス窓にはフィルムを貼るなどして、紫外線が外に漏れないように工夫することで、やけど虫の侵入を予防することが出来ます。
また、網戸などに虫除けスプレーを振っておくのも、気持ち的に安心できるかもしれません。

 

アロマランプなどの活用も良いようです。
アロマランプの光を求めて、やけど虫がランプ周辺に飛んでくるので、一か所に集めて一気に退治するというやり方。
でも、その時は他の虫たちも明かりに吸い寄せられてきますので、それなりに覚悟しておく必要があります。

 

やけど虫が中に入ってきてしまった場合はティッシュやビニール製の使い捨て手袋などを使って除去。
もちろん、市販の殺虫剤も効果的です。

やけど虫を触った時の症状と処置

やけど虫を触ってしまったときの具体的な症状は、チリチリやピリピリとした痛みを感じるのだそうです。
人によって表に現れる症状は違いますが、水膨れや発疹が出来ます。

 

やけど虫の体液が手などについて、その手で目を擦ってしまったりすると、失明の危険性もありますので、十分に注意が必要です。

特に小さい子供たちには十分に教えておく必要があります。

 

患部にはステロイド系の軟膏を塗ります。通常5~10日すると、その症状は消えますが、ひどい時には病院を受診しましょう。

やけど虫のまとめ

やけど虫は赤や黒の飛翔能力のあるアリのような虫。
体長は6~7㎜で6~8月に特に多く発生する。

 

触ると水膨れになったり、発疹が出たりして痛みを伴う。
家の中に入ってきた時には死骸と言えども決して素手では触らないように。
万が一触ってしまった場合はすぐに患部を洗い流し、ステロイド系の軟膏をぬる!

 

小さいけど侮れないやけど虫。
暑くなるにつれ、肌の露出が多くなると、その分被害に合う確率も高くなるということ。
くれぐれも皆さん、この夏の「やけど虫」には注意して暮らしてくださいませ!

(ライター ナオ)