カキノヘタムシガという蛾の幼虫は柿に悪さをする虫です。
柿に寄生して大きくなるヘタムシの駆除方法についてまとめてみました。
ヘタムシって?
ヘタムシと言われているのは、いわゆるカキノヘタムシガの幼虫のこと。
成虫であるカキノヘタムシガは5月末~6月中旬、7月中旬~8月に中旬にかけて柿の木の周りに発生します。
柿栽培農家には厄介な害虫として扱われ、ヘタムシ専用の薬剤も多数販売されています。
ヘタムシガの生態成体は黒い翅をもっていて、翅の先端にはクリーム色のラインが入っています。
この時期に発生したカキノヘタムシガは柿の新芽に卵を産み付け、その卵が一週間ほどで孵化すると、幼虫は茎や新芽などを食害します。
産卵する位置は地上から1~2mの所が多いようです。
幼虫は茶褐色で、茎の中で2回脱皮を繰り返し、3齢幼虫になると茎から脱出し、果実を食害し始めます。
ヘタムシは、5齢虫になるまでこの悪さを続け、その後へたなどの横に繭を作ります。
繭を作る寸前の幼虫の大きさは10㎜ほどです。
こうして食害された柿は変色したり、腐敗したりして落下してしまいます。
一匹の幼虫あたりでいうと、成虫になるまで1~5個の柿を食害すると言われています。
夏に卵から孵った幼虫は老齢幼虫として越冬し、翌年に蛹をつくり、成虫になります。
春に孵化した幼虫は秋に成虫として産卵を行います。
カキノヘタムシガの駆除
農業で柿を生産している人たちにとっては最も厄介な害虫で、もちろん駆除の対象になります。
成虫が発生し、産卵する時期が防除の時期となるわけですが、この時期に決められた薬剤を散布するのが効率的です。
先述したように、成虫が発生するのは夏と秋の二回ですので、防除も年に2回を行うことになります。
大規模に柿を生産しているわけではなく、個人で何本かの木がある人は、薬剤を買ってまで・・・・
という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方は農薬を使わない防除方法をお試しください。
農薬を使わないヘタムシの防除方法
まずは冬のうちに産み付けられた卵を駆除してしまうというやり方。
これは丁寧な作業が必要です。冬のうちに樹皮を剥いで、樹皮の中に産み付けられた卵を削り取ってしまうという原始的なやり方。
しかし、これはかなりの効果があるようです。
もう一つは秋に幼虫になって越冬を試みようとしているヘタムシを快適な場所に誘って、駆除する方法。
これはむしろやワラなどを柿の木の幹にぐるりと回し、そこへ誘引して、一気に燃やして、駆除するやり方です。
誘因バンド方法も時期を間違えなければ、かなり有効な方法と言えます。
家庭でも農薬で駆除したいという方は8月の一回だけでも効果があるそうですので、お試しを!
ヘタムシのまとめ
ヘタムシは柿のヘタや茎に入って中を食害する。
食害された柿は腐ったり、変色したりして、下に落ちてしまい、製品にならない。
防除策としては、成虫のカキノヘタムシガが発生する時期に農薬散布を行う。
幼虫や卵の段階で駆除してしまう。
以上、カキノヘタムシガの幼虫、ヘタムシについてまとめてみました。
そういえば、知り合いから送られてくる柿に幼虫のようなものが入っていることがありました。
あれは、カキノヘタムシガの幼虫だったというわけですね。
この記事を書きながら(柿だけに)、寒いのにもじょもじょと動き、ぎょっとしたことを思い出しました。
よりによって柿を選ぶなんて、なかなかグルメな蛾です。
未熟な柿の時にも、あの甘さはヘタや茎に多少はあるのだろうか、と思って調べてみると、ヘタムシは渋柿、甘柿問わずにいるらしいので、格別グルメな蛾というわけでもなさそうです。
皆さん、庭の柿をいただいた時にはご用心を!!
(ライター ナオ)