近年では、恐ろしい毒を持った外国産のアリやクモなどが、日本国内で見つかるようになりました。
「セアカコケグモ」や「ヒアリ」などが有名ですが、今回取り上げるのは「アカカミアリ」。
ヒアリなどに比べると知名度は高くありませんが、じつはこいつも油断ならない恐ろしいアリなのです。
一体その生態はどんなものなのか、毒の強さはどれほどなのか。
そんな疑問を明らかにするため、アカカミアリについて詳しく調べてみました。
アカカミアリってどんなアリ?
元々アカカミアリは、アメリカ南部、中央アメリカ、南アメリカ北部、カリブ諸島などを原産とする昆虫です。
しかし現在では熱帯から亜熱帯にかけての世界各地に移入しており、日本でも沖縄や小笠原諸島の一部などで定着しています。
本州などでは定着はしていないものの、大阪や東京などでも姿が確認されたことがあり、油断はできません。
アカカミアリは国内の在来種と比べると比較的大型で、体長は3~5㎜ほど。
体色は全体的に赤褐色で、見た目は猛毒を持つ「ヒアリ」ととてもよく似ています。
ぱっと見で見分けるのはとても難しいですが、お腹部分に毛が多いのがアカカミアリです。
とは言え、アリみたいな小さな生き物に毛が生えているかどうかなんて、じっくり見ても分かりづらいですよね…。
そこで、一番見分けやすいのは「巣」を見ること。
ヒアリは「アリ塚」と呼ばれる盛り上がった巣を作るのに対し、アカカミアリはアリ塚を作りません。
まぁどちらにしても危険な外来アリなので、見つけた場合は近寄らず、そして自治体へ通報してくださいね。
基本的に攻撃性は少なく、自ら積極的に人間を攻撃してくるようなことはありません。
しかし巣を壊されたり刺激を与えたりすると、集団で襲い掛かってきます。
子供などが普通のアリの巣だと思って壊したりすると大変なことになるので、注意が必要です。
アカカミアリの毒について
たかがアリだと思って油断していると、かなり痛い目に合ってしまうのがこのアカカミアリ。
アカカミアリはアルカロイド系の毒を持っており、刺された場合は患部に激痛が走り、水疱状に腫れあがります。
同じくアルカロイド系の毒を持っている「ヒアリ」は、「刺されると火傷したように痛む」ことが名前の由来ですし、英名では「ファイヤーアント」とも呼ばれていますね。
アカカミアリも同様で、刺された患部はまるで火傷をした時のように痛むと言います。
しかも場合によってはアナフィラキシーショックを起こすこともあり、それにより重篤な症状に陥ることも。
幸いにも毒自体はそれほど強くなく、死亡例は報告されていませんが…。
しかしアナフィラキシーショックを起こせば、死亡する可能性もゼロではありません。
十分に注意しましょう。
私たちが普段見かけるアリは「噛む」ことはあっても「刺す」ことはありません。
もしも痛みを感じた後に、継続して強い痛みや腫れがある場合は、アカカミアリやヒアリの仕業であることを疑いましょう。
そしてすぐに病院へ言って、治療をしてもらってください。
ヘタに薬を塗ったりすると、もしも針が患部に残っていた場合、針を押し込んでしまって症状が悪化するかもしれません。
明らかに針が見えていて、自分で取り除けそうな場合は取り除くのもいいですが…基本的にはまず速やかに病院へ。
アカカミアリについてのまとめ
アカカミアリの怖いところは、うっかり巣を踏んでしまったりする可能性が高いというところですね。
もしもアリの巣を見かけても迂闊には手を出さず、それがアカカミアリの巣ではないかどうかを確認しましょう。
現在国内では一部の地域以外での定着は確認されていませんが、もしかすると身近なところで定着している可能性もゼロではありません。
アリがいそうな場所では、足元には十分気を付けましょう。
(ライター もんぷち)