近年はヒアリなど危険なアリが外国から移入してくるケースも多々ありますが、日本には現在一体どれくらいのアリが生息しているかご存知でしょうか?

日本に生息するアリの種類について詳しくお話していきます。

日本に生息するアリ

現在日本には実は、280種類のアリが生息していると言われています。

この種類を全部ご紹介していればそれだけであっという間に終わってしまいますので、とりあえずここでは亜科だけご紹介します。

ヒメサスライ亜科、ノコギリハリアリ亜科、クビレハリアリ亜科、カタアリ亜科、ヤマアリ亜科、ムカシアリ亜科、フタフシアリ亜科、ハリアリ亜科、カギバラアリ亜科、クシフタフシアリ亜科。

さらに属に分類するとなると60程に分類できます。

日本の主なアリ

クロオオアリ

クロオオアリは体長1㎝程度。日本のアリの中では最大のアリで、極一般的にみられるアリです。

全国に生息し、開けた場所の地中に営巣します。新女王は秋期に巣内で羽化して越冬し、翌年5~6月に結婚飛行を行います。

 

クロヤマアリ

体長は4~6㎜ほどで、日本でよく見られる普通種。

草原など日当たりの良い土の露出した所に、負荷さ1mほどになる巣を作り、主にアリマキの出す甘露や花の蜜、昆虫の死骸などを食べますが花びらや土筆の穂を食べる姿も見られています。

関東型と関西型に大別され、関東型は一つの巣に一匹の状がいますが、関西型は複数の女王が同じ巣で暮らしています。

ムネアカオオアリ

体長は1㎝程でクロオオアリと並び日本にいるアリの中で最大種。

クロオオアリと似ていますが胸部と腹柄節にかけて赤褐色をしています。

朽ちた木や生きた樹木の枯死部などに営巣し、5~6月に結婚飛行を行います。

トビイロケアリ

体長は3㎜程度の小さなアリですが女王アリの体長は7~8㎜程になります。

いずれも全体的に黒褐色をしていて、働きアリは頭部が大きく発達しています。

 

腹部・頭部に通常20本程度の立毛が見られ、形態はヒメトビイロカリに似ています。多産なことで有名で、1つのコロニーに数万匹という数の個体が密集します。

アブラムシと共生関係を築くことでも有名で、アブラムシの蜜滴をもらう代わりに天敵のテントウムシから守るという生態を持ちます。

アミメアリ

日本全国に広く分布しているアリで、体長は2.5㎜ほど。

頭部、胸部に網目状の模様があります。メスアリを持たず、働きアリが産卵してコロニーを維持する生態で、オスアリは稀に見られます。

 

巣穴を作らず石の隙間や倒木に集団を形成し、頻繁に移住します。

大きなコロニーは数十万匹にも達し、最近は殺虫剤に抵抗性を持つコロニーもあるとされています。

サムライアリ

体長は4~6㎜、女王アリの体長は7㎜程です。

北海道、本州、四国、九州に分布していて日本以外では朝鮮半島、中国まで分布しています。

 

全身が黒褐色をしていて、他のアリに比べて大顎が鎌状に長く発達します。

クロヤマアリの巣を襲って幼虫や蛹をさらい、奴隷として働かせる習性があり、これを奴隷狩りといいます。

アシナガアリ

アシナガアリは全国に生息していて、東日本では主に平地に、西日本では平地から山地までの林縁、林内の土中や石下に営巣します。

働きアリの体長は4.5~8㎜。女王アリの体長は10㎜程です。

 

名前の通り体が前後に細長く、脚も細長いので体形がスマートに見えます。

働きアリは主に地上を徘徊してエサを探し、昆虫や小動物の死骸を見つけると集団で巣穴に運び、雨天でも営巣活動をする個体が多く見られます。

ミカドオオアリ

ミカドオアリは体長8~11㎜で朽ちた竹に営巣します。

コロニー規模が大きくなってくると周辺の別の枯竹にいくつものサテライトコロニーが見受けられます。

以上、日本でよく見かけるアリについてでした。

(ライター ナオ)