ツムギアリは北半球や南半球の広い地域に棲息するアリです。どんなアリなのでしょうか。
ツムギアリの外見
ツムギアリはマレーシアやタイなどのアジア、オーストラリア、アフリカにも棲息するといわれる樹上性のアリの一種です。
アジアにいるツムギアリは明るい茶系の事が多く、オーストラリアにいるツムギアリは透き通ったグリーン系が多いようです。
ツムギアリは強力な大顎の持ち主であり、自身の大きさの10倍はある芋虫を持ち上げてしまいます。
ツムギアリは体長10mm程である事が多く、特に後ろ脚が長いですね。触角は長く、クビレもあります。
何となく攻撃的な外見に見えますが、その通りツムギアリには攻撃的な面があります。
巣に対して何かすると、ツムギアリの働きアリたちは大勢でやってきて大顎で噛みつきます。
ツムギアリの顎は頑丈そのもので、噛まれると非常に痛いそうです。しかし、ツムギアリは毒を持ちません。
蟻酸はあるようです。ツムギアリの巣に誤って近づかない方がいいですね。
基本的に日本に棲息しないアリですが、温暖な地域ではほぼ一年中活動しているようでもあります。
ツムギアリの巣と幼虫の白い糸
ツムギアリの最大の特徴は樹の上に作られる巣です。一般にアリは社会性を持ち、巨大なコロニーをつくる事が多い昆虫です。
ツムギアリも例外ではなく樹の上に葉と糸を用いて巣を作ります。
ツムギアリの働きバチたちは、葉の端の部分に並ぶようにして葉を引っ張ったり折りたたむような動きを見せ、白い幼虫を顎でくわえ糸を吐くように触角でちょいちょい促しながら樹の葉を縫うように器用に動かし、折りたたんだり丸めるようにし、それを巣とします。
ツムギアリの幼虫が吐く糸は葉を接着するようにも使われ、巣に損傷があった時は、糸で紡いだような白い薄布のようなもので補修されます。
ツムギアリの巣は樹の枝先にぶら下がった葉でできたボールのようになります。ひとつの巣の大きさは20cmほどのようです。
巣の中はきちんと卵の部屋と幼虫の部屋などと分かれています。巣を作るのは数時間を要します。
このように樹上で樹につかまったり葉にのったりしながら幼虫をくわえて葉をくるむのは、働きアリが幾らたくさんいても大変な作業です。
ツムギアリの巣はひとつの樹に対して幾つか作られ、その中のひとつの巣に女王アリがいます。
ツムギアリの女王アリの体長は2cmくらいのようですが、巣の中で必死に産卵しており、巣の外で見かける事はほぼありません。
ツムギアリの女王アリが産卵すると、いくつかの巣に分けて育てられるようです。
ツムギアリの巣作りはシステマティックにすすめられます。緑の葉で巣を作る理由は、葉に紛れてカモフラージュできるからともいわれます。
ツムギアリの幼虫は生まれてからすぐに巣作りの為に糸を吐きます。
ツムギアリの成虫は糸を出す事はありません。巣作りが行われる季節は主に夏のようですが、ところによっては雨季があり、スコールのせいでせっかく作ったボール状の巣が落ちてしまう事があるようです。
巣が落ちても、雨が止むとツムギアリの働きアリたちはまたせっせと巣を作るそうです。
ツムギアリの餌
この緑の葉でできたボール状の巣の中には、ツノゼミが同居している事もあります。
ツノゼミはツムギアリが好む蜜を分泌し、ツムギアリに守ってもらうといわれます。
ツムギアリも甘いものを好むといわれます。
ツムギアリは餌に対しても積極的で、自分よりはるかに体の大きなサソリなどを解体している事もありますので、動物食でもあるとされる事もあります。
巣の中の幼虫や女王アリの世話もツムギアリの働きアリが行います。
ツムギアリの働きアリも、幼虫には口移しで餌を与えるそうです。
ツムギアリの特徴や見分け方
ツムギアリの体型をや赤茶色の体色をみると、ヒアリに似ている気がするかも知れません。
ヒアリとツムギアリの見分け方は棲息している場所です。
ツムギアリは樹の周辺や樹に葉でできたボールのようなものの周辺にいます。ヒアリの巣は樹には作られず、地面の上で見つかる事が多いです。
外見も結構違います。ツムギアリの体長は10mm程度ですが、ヒアリは2,5mm~6mmくらいです。ヒアリの外見は、ハリアリ類の特徴である頭部をぐっと下に下げた姿ですが、ツムギアリはそこまで前傾していない事が多く、顎を見るとヒアリなどよりずっと発達しています。
ヒアリの棲息地域は基本的に南米です。
ツムギアリの棲息地はもっと広く、東南アジアやオーストラリアなどです。
決定的な違いは体に毒針を持たない事です。
ツムギアリを見分けるにはまず樹のあたりにいるかどうかです。
ツムギアリの視力
アリの視力はそんなに良くないような気もしますが、ツムギアリは視力が良いといわれます。
樹の枝に乗り、葉の方向へ体を伸ばしている事もあるらしく珍しい点の一つです。
こういう恰好をできるのも、ツムギアリの脚にツメのようなものと吸盤のようにくっつく事ができる仕組みを持つからだといわれます。
社会性を持つアリといってもその役割分担は種類や生息地域により様々である事が多く、ツムギアリの場合は、一匹では届かなそうな葉に数匹が連なって橋のようなものを作り、柔らかい葉を取って巣に利用します。
葉といっても彼らの棲む熱帯の樹の葉はかなり大きい物です。
また、カメラを向けるとカメラ目線になる事もあるようですので、人間を視力によって認識しているのかも知れません。
ツムギアリの見分け方
ツムギアリは単体で見ると透き通ったように見える綺麗なアリです。
熱帯地方ではごく普通に見られるアリのようで、農業害虫を食べてくれるアリとして利用されているともいわれます。
アリの幼虫は蛹になる時に作る繭の為に白い糸を吐く事はありますが、巣作りにのみ使用される事は珍しい事だそうです。
ツムギアリの特徴は、樹の上に幼虫の吐く白い糸を使用して緑の葉でできた丸い巣を作りその周辺にいる事のようです。
(ライター:おもち)