今年は何かと世間を騒がせていたヒアリ。
メディアなどで取り上げられ、彼らの存在を知っている人も多いでしょう。
そもそもヒアリって???という方にもわかりやすく説明していきます。
そして、気になる天敵の存在も!!
ヒアリの生態
ヒアリは別名アカヒアリとも言われ、南米大陸の八目アリ科フタフシアリ亜科に分類されるアリの一種です。
体色は赤褐色で働きアリは色々な大きさの個体が存在します。
アメリカ、中国、オーストラリアなどの太平洋周辺の国々に移入分布しています。
日本では2017年に入ってから6都道府県で8回ほど発見されていて、既に2件は上陸した状態で版権されています。
餌の収集は気温22~36℃間に行われ、季節により昼夜を選びます。
働きアリは情報化学物質とフェロモンによって防衛、舵取り、召集などのコミュニケーションをおこない、社会的な生活を送っています。
棲んでいる場所に水が浸入し、水位が高くなると筏を作ったり、死んだ仲間の死骸を外に出し、感染症を防いだりする行動も見られ、かなり知能的な生活をしていると考えられています。
食性は雑食で、花蜜、樹液、種子から昆虫や小型の脊椎動物まで何でも食べることが出来ますが、あくまで捕食するわけではなく、腐った肉を食べるという程度。
しかも、基本的には固形食糧よりも花蜜やアブラムシから出る甘露の方を好みます。
温かい時期に女王アリと雄アリが空中で交尾をする結婚飛行と呼ばれる行動があり、新しい巣が形成されていきます。
ヒアリの寿命
ヒアリの女王アリの寿命は数年、働きアリは数か月ほど。
ヒアリの天敵
ヒアリの天敵は熱帯地域に広く生息する通称ゾンビバエと言うノミバエというハエ。
ゾンビバエは、体長0.6~1.5ミリ。
ヒアリよりもとても小さく、ヒアリに200個もの卵を産みつけます。
卵がかえるとヒアリの体内に侵入、体液を吸って成長し、脳を食べ、そしてヒアリの頭部を落とします。
アメリカは国をあげてヒアリ対策にノミバエを活用していますアメリカ合衆国・農務省・農業研究局は、ヒアリ対策にノミバエを活用しています。
また、クモ類やトンボ、エントツアマツバメ、オウサマタイランチョウなどの鳥、アルマジロなどもヒアリを捕食します。
日本ではヒアリの天敵になるような存在がおらず、在来のアリも多数のヒアリには太刀打ちできないと言われています。
しかし、女王アリが単独で炒る時、集団で女王アリを襲うような可能性はゼロではないとし、天敵とは言えないまでも、十分に敵の要素はあるという研究者もいる。
また、ヒアリの女王アリと非常によく似たフェロモンを出すことによって巣に侵入し、女王アリに成り代わりエサを横取りして、女王を殺す寄生アリの存在も研究されています。
ヒアリの毒
ヒアリは獲物を捕獲するためや、防衛のための毒を持っていますが、その成分の95%はスピペリジンアルカロイドと呼ばれる物質。
アメリカでは毎年1400万人以上の人が刺されていて、その多くでアレルギー反応が起きていると言われています。
めまいや頭痛、激しい胸痛、吐き気、重度の発汗などが起こり、放っておく死に至る可能性もあると言われ、アメリカでは毎年90~100人が死亡していることが発表されています。
ヒアリに刺されたら!
万が一ヒアリに刺されるようなことがあれば、20~30分程度安静に、体調の変化がないか観察します。
重度の症状がみられるときにはすぐに救急車をよび、ヒアリに刺されたことを伝えましょう。
また、アナフィラキシーショックの疑いのある人はあらかじめ医師と相談し、自己注射エピペンを用意しておく必要もあります。
ヒアリの天敵のまとめ
別名アカヒアリとも言われ、南米大陸の八目アリ科フタフシアリ亜科に分類されるアリの一種
食性は雑食で、花蜜、樹液、種子から昆虫や小型の脊椎動物まで何でも食べることが出来る。
ヒアリの天敵は熱帯地域に広く生息するノミバエというハエやクモ、トンボ、鳥類、アルマジロなど。
日本でもヒアリの移入を巡り、天敵の存在が研究されている。
(ライター ナオ)