脚が多い生物っていますよね。

多足類と呼ばれるムカデやゲジなどです。

 

山歩きが趣味の方はムカデらしき生物を山中で見た事があると思います。

ちょっと見ただけでは何ムカデなのか分からない事もあるかも知れません。

 

イッスンムカデは動きが素早いので、よほど多足類が好きな方以外は見分けがつかないでしょう。

毒性はどのくらいあるのでしょうか?

イッスンムカデの脚の数や棲息地

イッスンムカデは唇脚鋼イシムカデ目イッスンムカデ科のムカデです。

唇脚目というのはムカデ目と言われる事もあります。イシムカデ目の他、ゲジ、オオムカデ、ジムカデがいます。

それぞれ脚の数に特徴があります。イシムカデは脚が15対です。

ゲジも15対であることが多く、オオムカデは21~23対、ジムカデはそれらより多いようです。

 

見かけた時に素早く脚を数えるのは困難でしょうが、ひとつの目安にはなります。

イッスンムカデはムカデの中でも小型で体節が少なく脚の数も少ない方です。

 

イッスンムカデは北海道から南西諸島まで分布し、主に湿気のある山中などに棲息します。

成体が見られるのは4月~12月頃までです。

 

イッスンムカデは小型の昆虫類を餌として生きていますので、自然と餌の多いところに分布します。

ムカデ類は皆肉食です。オスとメスも姿かたちはあまり変わらず、殆ど同じ事が多いようです。

イッスンムカデの外見の特徴

イッスンムカデの脚は15対あります。

体節も15なので節ごとに脚があります。

 

体色は赤茶色や赤味を帯びた茶褐色で夜行性です。

しかしこれだけではその脚が多いものがイッスンムカデなのかどうか判別しずらいですね。

 

イッスン、と名前につきますが体長は3cm~4cmほどです。

頭のあたりから鞭のような長い触角が出ています。触角が20の節に分かれているのがイッスンムカデの外見の特徴です。

 

触角が長いのでより気持ち悪く、大きく見える事もあるかも知れません。

イッスンムカデには体節の間のようなところに三角突起と呼ばれる三角形のようなものがあるのも特徴です。

イッスンムカデが移動するとやや見えます。

イッスンムカデがいそうな地域

イッスンムカデは卵から生まれます。山の中の樹木のある場所などに産卵されます。

イッスンムカデの幼体は8mmほどです。体節は最初7対しかありません。

 

イッスンムカデは脱皮して成長しますので、脱皮ごとに体節、脚ともに増えて増節し3年ほどで15の体節に15対の脚をもつイッスンムカデになります。

幼体のうちは樹の皮の下などにいるようです。

 

イッスンムカデも他のムカデ類と同様乾燥に弱いので、倒木や落葉の下など水分を含んだ土壌に潜んでいます。

イッスンムカデは山にいますが、特に昆虫類が多い比較的ジメジメした樹木や倒れた朽ち木の下などに棲息します。

イッスンムカデと人間が遭遇するケース

イッスンムカデは実は山地からあまり離れません。餌とするのが昆虫類なので、それらがいないところは好まないようです。

人間がイッスンムカデに遭遇するケースとして考えられるのは、昆虫採集に出向く時です。

 

イッスンムカデは夜行性であり、樹液などに集まる昆虫類を探しに出かけた雑木林付近や朽ち木を持ち上げた途端に見つけてしまう、といった事はありそうです。

あるいは庭で何かを栽培している場合や樹木がある場合、または池がありカメを飼育しているなどと言う場合、石や泥などをどけようとしたらイッスンムカデが出てくるという事もあるかも知れません。

 

しかしイッスンムカデが家屋に浸入するかというと、まずないと言って良いです。

もし屋内に脚が多い生物がいれば、イッスンムカデではない可能性が高いです。

一番イッスンムカデと遭遇する機会が多そうなのは、人間が彼らの棲息地域に近づく昆虫採集や登山などです。

イッスンムカデの牙や毒性について

イッスンムカデの顎には牙があります。イッスンムカデを腹側から見ると脚が変化したと言われる顎肢(がくし)というものがあります。

これが牙のように見えます。イッスンムカデがこれで人間や動物を噛むかというとそうではありません。

 

イッスンムカデが持つ毒は酸性のものだと言われていますが、彼らは人間に関心がなく、従って家屋に浸入する事もまずないと考えてよいでしょう。

昆虫採集や登山などで山に入る時は樹木のあたりに小さいイッスンムカデを発見しても、そっとしておけば問題ありません。

 

むしろ人間が近づくと先に去ってしまうでしょう。

イッスンムカデの持つ毒の詳しい成分は明らかになっていないようですが、イッスンムカデは餌である昆虫を捕らえる時に、この酸性とされる毒を使用すると言われています。

イッスンムカデの見分け方と毒性や危険性について

  • イッスンムカデは毒は持つようですが人間を咬みません。
  • イッスンムカデは夜行性で石の下、倒木周辺などジメジメした山の中などにいます。
  • イッスンムカデは大きくて2,3cmで赤茶色で触角が長い生物です。
  • イッスンムカデの餌は小型の昆虫です。
  • イッスンムカデは樹木のある場所を好み、人間の住む家屋内には侵入しない性質のムカデです。

(ライター:おもち)