緑が萌えはじめさわやかな季節を迎えると、どこかに出かけたい気分になりますよね。

けれどもそんな予定はないし、冬の間さぼっていたお庭のお手入れでもはじめましょうということになるのが、ここのところ毎年続いています。

 

それで庭に出てみると、人間より先に虫たちが葉っぱの上で大活躍をはじめているのに気づきます。

その葉っぱを食い荒らす虫のひとつがクワゴマダラヒトリの幼虫です。

クワゴマダラヒトリとは?

クワゴマダラヒトリは、体長が2~3センチの蛾で、よく、夜になると街灯などに集まってくる姿を見かけることがあります。

その幼虫は、とげとげをもつ毛虫で雑食性の食葉害虫です。

 

秋にクワの葉を何枚か合わせて巣を作り、そのなかで幼虫が集団で葉を食害するので、「スムシ」とも呼ばれています。

クワゴマダラヒトリの幼虫の食害

クワゴマダラヒトリの幼虫は、小さいうちは、頭が黒く体が黄色っぽく見える毛虫です。

成長すると体長が最大で5センチぐらいになり、地色は黒で背中に白い筋が走り、茶色のコブや青光りして見えるコブをもち、黒と白の長いたくさんの毛をもちます。

庭木の葉をめくると、裏側に集団で密着していることがあり、その様子にはぞっとします。

 

クワやクリ、サクラやウメ、さらにはバラやキクなどの葉や果実、さらには、周辺の雑草まで幅広い植物をエサにしています。

特に春先になり植物の新芽が出る時期になると、巣のなかで集団越冬した幼虫たちは、食欲が活発になり分散していくので、食害被害が深刻化します。

クワゴマダラヒトリの生態

クワゴマダラヒトリの成虫は9月ごろ、蛹から羽化して成長すると、好物の樹木に1,000もの卵を産み付けます。

卵は薄黄色の綿状の分泌物で覆われて卵塊となっており、そのなかの卵は10日ほどで孵化します。

幼虫

孵化した幼虫は集団のまま、樹木の地面近くに糸を吐いてテントのような巣網を作りそのなかで過ごし越冬します。

3月ごろになり新芽がではじめると活動をはじめ新葉を食い荒らし、次第に分散し、周囲の植物の広範囲に移動します。

5月下旬ごろになると土にもぐり蛹になります。

そして9月ごろになると羽化して成虫の蛾となります。

クワゴマダラヒトリには毒がある?

クワゴマダラヒトリの幼虫は、比較的長い毛というかトゲをもっているので、見た目は恐ろしい毒虫のようですが、意外にも毒はもっていません。

成虫の蛾にも毒はありません。ただ、幼虫のとげとげは細くて硬いので、皮膚に刺さってしまうこともあるので注意したほうがいいでしょう。

クワゴマダラヒトリの幼虫の駆除方法

まず、春先になったら、庭木や植物をよく観察してください。

葉っぱにちょっと食害が見られたとき葉を裏返してみると、小さい幼虫が密生しているということがよくあります。

 

大きくなって分散してしまわないうちに、殺虫剤で駆除しましょう。

幼虫が発生した庭木の下などには糞が落ちているので、糞の観察も幼虫発生の目印になります。

 

秋になり、クワゴマダラヒトリの産卵の時期になったら、好物の樹木をよく観察し卵塊を見つけたら枝ごと伐採して処理するとよいでしょう。

さらに、孵化した幼虫が作った巣網は、比較的地面に近いところにあり、糸がびっしりと張り巡らされていて見つけやすいので、これも枝ごと伐採して処理してください。

 

卵塊や巣網に殺虫剤をかけても効果はないので、全体を切り取って処分しましょう。

巣網から幼虫を出してから殺虫剤や熱湯をかけたりするのであれば駆除できます。

まとめ

我が家の庭には、狭いながらもさまざまな植物が植えられており、春先になると一斉に新芽がでたり花が咲いたりするのですが、寒くて庭にでられない家主にかわって、いち早く活動をはじめるのは虫たちです。

 

毎年たいてい新芽の食害にあってしまうのですが、今年は早めに庭仕事をはじめ、なんとか食害を阻止したいと思っています。

(ライター sensyu-k)