日本国内でよく見かけるムカデは何種類かいますが、今回紹介するのは「アオズムカデ」というオオムカデの一種です。

見た目通りとても強い毒を持っており、知らなければ噛まれてしまう危険性があるかもしれません。

そこで、毒の強さや他のムカデとの見分け方、そして生態や予防・駆除方法などについて見ていきましょう。

アオズムカデの特徴は?

アオズムカデは体長75㎜~100㎜という大きなムカデで、オオムカデと呼ばれるものの一つです。

国内で他に見られるオオムカデは「トビズムカデ」「アカズムカデ」などがいますが、これらと見分けるポイントをいくつか紹介しましょう。

 

まずは大きさ。

同じオオムカデと呼ばれるものの中でも、トビズムカデは飛びぬけて大きく最大で20㎝にもなり、逆にアカズムカデは4~7㎝ほど。

 

小さい場合はまだ子供の可能性もあるので何とも言えませんが、10㎝よりはるかに大きいようならば、おそらくそれはトビズムカデであり、アオズムカデではありません。

そしてもう一つ、確実に見分けられるポイントは、「頭の色」です。

 

トビズムカデとアカズムカデは頭部がオレンジまたは赤色なのに対し、アオズムカデは頭部も体色と同じく、緑がかった色をしているのが特徴です。

(名前も、「青頭(アオズ)ムカデ」なので。)

もし大き目なムカデを見つけたら、頭の色をチェックしてみましょう!

アオズムカデはどこに生息している?

アオズムカデは、本州から九州にかけての広い範囲に生息しています。

ただし、生息環境は林内の倒木や石の下などがメイン。

 

とは言え郊外や農村部などでは、産卵期の前後に人家に侵入することもままあるそうです。

特に湿気がありゴキブリなど餌になる昆虫がいる環境を好むので、そういった場所には出没する頻度も高くなる可能性があります。

アオズムカデの毒について

どのムカデも毒があり危険な事には変わりありませんが、アオズムカデはその中でも特に強い毒性を持つムカデだと言われています。

大きさだけで言えばトビズムカデの方が一回り以上も大きいので、それよりも危険だというのはちょっと驚きですね。

 

一体、どんな成分の毒なのでしょうか。

アオズムカデの毒の成分はハチ毒と似ており、ヒスタミン・セロトニン・たんぱく質分解酵素などで構成されています。

 

ヒスタミンが痛みを起こし、セロトニンは神経を過敏にさせて痛みを増幅、酵素によって細胞を破壊し毒をより浸透させる…という三段構え。

そのため、噛まれると幹部は炎症を起こして腫れあがり、激痛を伴います。

稀に吐き気や発熱などを引き起こすことや、アナフィラキシーショックで呼吸困難などに陥ることも。

 

幸いにもムカデの毒による死亡者は今まで確認されていませんが、油断ならない強力な毒であることは間違いありません。

噛まれた場合は43度以上のお湯で患部を流し(ムカデの毒は熱に弱いため)、ステロイド系の軟膏を塗りましょう。

そしてこれはあくまでも応急処置なので、出来ればすぐに病院を受診してください。

アオズムカデの予防・駆除方法

アオズムカデの被害に遭わないために、まずは侵入を防ぐことが重要です。

ムカデはジメジメとした湿気の多い場所を好むので、湿気が溜まりやすい場所は乾燥材を置いたり定期的に換気したりしましょう。

 

またゴキブリなど餌となる昆虫がいる場合も人家に侵入するので、それらの昆虫が湧かないように掃除を徹底的に。

彼らの活動シーズンが来る前に、家の周りにぐるっと忌避剤を撒いておくのも効果的です。

屋外でガーデニングや畑作業をする場合は、長靴やゴム手袋を装着しましょう。

 

それでももし遭遇してしまったら…殺虫剤や凍結スプレー、または熱湯などを使って退治してください。

叩き潰したりする人もいるかもしれませんが、生命力が強く潰しても動いたりするので、一瞬でケリをつけられる凍結スプレーか熱湯がおすすめです。

取り逃がしてしまったという場合は、ムカデ専用のバルサンなどを使って家から追い出しましょう。

アオズムカデについてのまとめ

アオズムカデは屋内に出没することもある、とても危険なムカデです。

他のムカデより毒が強いので、注意しなければなりません。

特に気温が15度以上になる暖かい時期には活発に活動を始めるので、その前に予防策をとっておくと安心ですよ。

(ライター もんぷち)