数あるムカデの中でも幻のムカデと呼ばれるものがヤンバルオオムカデです。
生息域が限られており遭遇率の低さや体の大きさ、そして美しい体色からそのように扱われています。
しかしムカデであることに間違いはなく、多くのムカデ同様危険性もあります。
情報量の少ないムカデ
ヤンバルオオムカデは似た生態のムカデは多く存在するものの、この種自体は希少性が高く多くは知られていません。
そもそも沖縄以外に生息していないため家で見かけるようなこともありません。
どちらかと言えば土や岩の下に潜って過ごしています。
ヤンバルオオムカデの見分け方
ヤンバルオオムカデは多様な色彩に富むオオムカデの中でも脚が青っぽく珍しい色をしています。
翡翠色とも表現され、グラデーションがかかったようになっています。
胴体は深い緑または黒い色をしています。
大きさはオオムカデらしく20センチオーバーのものが多く、胴体の分厚さがヤンバルオオムカデの特徴の一つとも言えます。
生息域が狭い上になかなか見つからない
とても体格の良いムカデであり攻撃性もあるため、苦手な人にとって遭遇率が低いのはありがたいかもしれません。
しかしムカデや虫好きの人にとってこのヤンバルオオムカデの人気は高く、飼育されていることもあります。
ショップで販売されているものを購入することで飼育が可能ですが、珍しい種のため高価です。
数万円から、大きなものであれば十万円を超える場合もあります。
ヤンバルオオムカデの「ヤンバル」とは沖縄北部の地域の呼び名で、この地域に生息しています。
ここでは自然が多く残っており、さらに沖縄の高温多湿な気候も相まって本州とは異なった生態系が形成されています。
しかしダム建設や農地開発が進むことで自然は破壊され元の生態系は崩れつつあります。
直接この地域に行ってみるとヤンバルオオムカデを捕獲することもできます。
水辺をよく観察してみるとよいでしょう。しかしこの最中に別の虫や動物に出会う可能性もあり注意が必要です。
ヘビのような危険な生物も多く存在しています。またヤンバルオオムカデ自体も危険な虫なので噛まれないようにしましょう。
毒の強さや危険性
ムカデの牙には毒腺があり噛みついたときに毒を注入されてしまいます。
ヒスタミンやアミン類、溶血性のある成分が毒に含まれているため激しく痛みます。
ヤンバルオオムカデの場合体が大きいので毒が無くても大きな牙に噛まれるだけでも激痛ものです。
含んでいる毒の成分はそれほど強力な物ではありませんが体の大きさに伴って毒量も多いです。
基本的に起こる症状としては激しい痛みと傷口が赤く腫れあがることです。
場合によってはアナフィラキシーショックが起こることも考えられます。
アナフィラキシーショックの場合呼吸困難や嘔吐、頭痛などが起こるので急いで病院に向かいましょう。
噛まれないための予防策
ヤンバルオオムカデに出会うことは滅多にないのでこの種に対する特別な対策はそれほどする必要はありません。
最も言える有効的な予防策は自分から触りに行かないことです。
体格の割に機敏な動きをするので油断は禁物です。
飼育されていたものが繁殖する可能性もありますが、日ごろムカデに対する予防をしていれば問題ありません。
ゴミを放置していると餌になる可能性があるので清潔に保つこと、そして侵入経路を断つことが大切です。
ムカデに効く殺虫剤もあるので常備しておけば遭遇時にも対応できるでしょう。
ヤンバルオオムカデは美しいムカデの一種だが毒には注意
大きなムカデを見つけた場合体の厚さと脚の色で見分けができます。
ヤンバルにて翡翠色のグラデーションを持ったムカデがいれば断定できます。
しかしムカデ特有の毒もあるので注意が必要です。
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