軍隊アリと聞くと大きな動物の死骸に大量に群がっている映像を思い浮かべる人もおおいのではないでしょうか。
一匹はたったの1㎝ほどの大きさでも何万匹ともなると弱っている生命には強敵です。
強いものに大群で立ち向かう様の例えとしてもよく使われる軍隊アリたち、少し詳しくご紹介します。
そもそも軍隊アリって!!??
そもそも軍隊アリといっても、グンタイアリというアリが存在するわけではありません。
巣を持たずに群れになって獲物を捕獲する習性のあるアリたちの総称と考えてよいと思います。
実際に学問上ではグンタイアリ属という分類で世界で7属ほど存在することになっています。
軍隊アリの行動
軍隊アリは他のアリたちと同じように女王アリと普通のアリ、兵隊アリに分けられます。
女王アリの大きさは3㎝ほどあるといわれています。
普通の兵隊アリでも1.5㎝ほどあるそ腕…やっぱり迫力の行動にでるアリたちはでかい!!
兵隊アリはその半分ほどの大きさですが、普通のアリたちよりは大きいのが特徴です。
彼らは特に幼虫を育てる時期に必死の行動に出ます。
弱った獲物を見つけると一斉に大群になって獲物に襲い掛かります。
それは時に大型の動物など、普段はアリたちが到底かなわないような相手だとしてもお構いなし。
流石に大型の肉食動物を襲いに行くほどの勇気はないようですが、理論的には弱っている象を襲うことも可能だとか。
彼らの頭部に付いている口には鋭い鎌のような刃物が付いていて、噛みつかれたら人間でもひどい痛みを感じるほどです。
それらの鎌を武器に一斉に襲いかかるのです。
彼らの行動時間帯は午前中の比較的直射日光の強くない時間帯と日が落ち始めから。
仲間に獲物の居場所を知らせる道しるべ的な役割、フェロモンが蒸発してしまわない時間帯を選んでいるためといわれています。
フェロモンが消えそうに燦燦と太陽が上がってくると、例え狩りの途中でも狩りをやめて引き上げるとか。
なんとも潔い行動です。
幼虫の生育期が終わると兵隊アリたちの行動も一時期のように活発ではなくなり比較的小規模なものになります。
どんな生物も子孫を残すためには必死の行動に出るというわけでしょうか。
軍隊アリの大群は多いもので長さ20m、約10万匹もの大群になるといわれています。
その時速も約1㎞ほどだとか。
人間に換算すると約1㎞程で歩ているというのだから、結構な速さです。
それが一斉に襲い掛かってくるのだからこれは迫力があります。
日本の軍隊アリ
日本にも2種類の軍隊アリが生息していて、その2種類とも西表島にいます。
ヒメサスライアリ属のヒメサスライアリとチャイロサスライアリです。
サスライアリは西アフリカなどにも生息しているアリです。
軍隊アリの天敵
軍隊アリの天敵は何でしょう。
大型の動物さえもその気になれば襲ってしまうという軍隊アリですから、天敵はいないのではないかと思いがちですが、実は意外なところに天敵はいます。
それはアリジゴクだそうです。
どんなに集団になったってやっぱりアリは蟻なんですね・・・・アリジゴクにはかなわないそう。
一度あのトラップにかかってしまったら、軍隊アリと言えどもどうにもならないそうです。
それからもうひとつ。
テキサスホソメクラヘビは体の表面から特殊な物質を出していて、これが軍隊アリたちは苦手のよう。
逆にテキサスホソメクラヘビは軍隊アリたちを捕食する蛇らしいので、彼らの天敵といわざるを得ません。
強い軍隊アリ!!
よく働く日本人は、諸外国から働きアリに例えられることが多いですが、もし豹変して軍隊アリになったら実はものすごく強いのも日本人かもしれませんね!!??
小さな生物たちの生きる執念はいつも奇跡を生んでいるようで仕方ありません。
(ライター ナオ)