シラミと名前がついていますが、実はシラミではないんです!

そんなトコジラミの生態と天敵についてまとめてみました。

トコジラミの特徴と生態

トコジラミは吸血性の寄生昆虫で、別名を南京虫や床虫などと言われています。

カメムシ目トコジラミ科の昆虫で、体長は5~7㎜ほど。

不完全変態で幼虫と成虫はほぼ同じ形をしています。

 

成虫も翅を持たず、体色は吸血前は薄黄色からやや赤褐色をしていますが、吸血後は吸血した血液が透けて、濃い茶色になります。

成虫は卵型をしていて、背中は扁平です。

 

オスの成虫は腹部の端末がメスの成虫よりも尖っていて、末端によく発達したペニスを持っています。

食性はどの成長段階でも血液で、成虫に至るまで5段階を経ますが、その各段階で一回以上の吸血を必要とします。

 

孵化から成虫までの期間は約2~7週間で、これは吸血原の有無や温度に大きく依存します。

飢餓に強く、実験室内での実験では18ヵ月間も無吸血で生存したという記録もあるほどです。

 

トコジラミの吸血は夜間に行われますが、厳密に夜行性というわけでもなく、暗ければ昼間でも吸血することがあります。

普段は明かりを嫌い、壁の割れ目などの隙間に潜んでいます。

 

翅を持っていないので、長距離を移動することはできず、人間の荷物や家具の移動時などに分布を拡大します。

近親交配が可能で、一匹の妊娠したメスがいれば子供同士で交尾して大規模に繁殖することも可能です。

トコジラミの被害

トコジラミに吸血されると、噛みついたときに唾液に含まれる物質が体内に注入され、痒みを生じます。

痒みは噛まれた1日目よりも2日目以降の方が強く、噛まれた痕跡は1~2週間は消えずに残ります。

現在日本においては殆ど目にすることがないトコジラミですが、時折被害が発生しています。

 

2004年以は神戸地裁で旅館にトコジラミがいた件が裁かれ、近縁では近隣諸国からの外国人観光客が増加したことによって、彼らの身体や荷物にトコジラミが付着し、宿泊下宿などに入り込んでいるという現状もあります。

 

オーストラリアやアメリカでも近年になって再びトコジラミが大発生し、観光業界に大打撃を与えていることが報告されています。

 

例えば、アメリカ、サンフランシスコでは2006年のトコジラミの感染は2年前の倍以上になっていて、これは、薬剤により一時は根絶されたと考えられていたトコジラミが耐性を持ってスーパートコジラミとして進化したことが原因と考えられています。

トコジラミの駆除方法

住居などでは畳の隙間やコンセントの隙間、壁の隙間、ベットの裏、絨毯の裏など、あらゆるところに隠れ場所があるトコジラミ。

半透明の楕円形の卵を見つけたらすぐに除去する必要があります。

 

薬剤を使用する場合はエアゾール上の薬剤を通り道に散布し、絨毯の裏などには粉末状の薬剤などを散布すると有効です。

また、旅行に行く際には荷物へ防虫剤をいれておくことも効果的です。

 

ピレスロイドという成分に耐性を持った種類に関してはオキサジアゾール系の薬剤を配合することで対処できますし、加熱や乾燥に弱いので、熱風を利用した駆除方法なども効果があります。

トコジラミの天敵

トコジラミの天敵は蜘蛛と言われています。

ギリシャやロシア、ウクライナなどに生息しているクモで日本には生息していないのですが、

 

日本での近縁種はヤドカリグモです。

クモは動いているものを見るとなんでも捕食する習性がありますから、日本ではこのヤドカリグモに期待するしかありません!?

トコジラミの生態と天敵に関するまとめ

トコジラミは吸血性の寄生虫でカメムシ目トコジラミ科の昆虫。

体長は5~7㎜で、一生を吸血による養分で過ごす。

 

日本での発生は一度は途絶えたが、近年外国からの旅行者などと共に再び上陸している。

天敵は日本には生息していない蜘蛛。

(ライター ナオ)

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