「アメリカシロヒトリ」って聞いたことがありますか?
桜の木に付いている白い毛虫で、大きくなると白い蛾になります。
異常なまでの繁殖力で、日本の樹木を食い荒らして大問題となっています。
アメリカシロヒトリから木を守るために、駆除する方法はないのでしょうか?
天敵などいないのでしょうか?
「アメリカヒロヒトリ」について調べてみました。
アメリカシロヒトリって?
「アメリカシロヒトリ(アメリカ白火取)」は蛾で害虫です。
“飛んで火に入る夏の虫”ということわざのモデルにもなっています。
北アメリカ、メキシコ、カナダに生息しているアメリカシロヒトリは、第二次世界大戦後にアメリカの物資にくっ付いて日本に渡来しました。
1945年に東京で初めて発見され、その後関東地方に広まり、今では日本全国で見かけることができます。
1940年にヨーロッパ、1957年に韓国に侵入して広がっています。
日本では1970~80年代にかけてアメリカシロヒトリが大量に発生し、農家さんに大きな被害をもたらしました。
イタリア、ハンガリーなどでも被害があるそうです。
アメリカシロヒトリの生態
アメリカシロヒトリは幼虫のときが毛虫です。
成虫になると真っ白な蛾となり、1cmぐらいの大きさになります。
羽根を広げると3cmぐらいになります。
成虫は年に2回、6~8月と9月~10月に発生します。
アメリカシロヒトリに刺されることがあっても、人体にはほとんど影響ありません。
幼虫は樹木の葉っぱをたくさん食べます。
樹木に巣を張って、樹木の葉っぱの葉脈だけ残し、葉がスカスカになるまで食べつくしてしまいます。
主に好物の木は”桜”と”ヤナギ”と”プラタナス”です。
他にはカキ、リンゴ、クルミなどの樹木で、100種類以上になります。
日本での森林地帯の木には寄生していません。
アメリカシロヒトリは繁殖力がとても強く、1匹のアメリカシロヒトリが約1.000個の卵を産み、1週間で孵化します。
クルミで有名な生産地の長野県東御市は、アメリカシロヒトリの異常な繁殖と被害でクルミの生産が一時期激減していました。
アメリカシロヒトリを放置していると、樹木の葉っぱがすべてなくなり、木が弱ってしまって作物に大きな影響を与えます。
被害を最小限にするために、早い時期から樹木を見回り、駆除を行いましょう。
アメリカシロヒトリの駆除方法は、被害のある木の枝を切ったり、薬を撒いたりする方法があるそうです。
駆除用機器の貸し出しをしている自治体もあります。
アメリカシロヒトリの駆除を考えられている方はお住まいの自治体に一度相談してみてください。
アメリカシロヒトリの天敵
アメリカシロヒトリには2つの天敵がいます。
まずひとつ目の天敵は「ジジュウカラ」です。
シジュウカラはスズメの仲間です。
青く黄色い羽根が特徴で、主に日本に生息しています。
小さな体でとても大食いです。
アメリカシロヒトリをたくさん食べます。
そしてふたつ目の天敵は「スズメバチ」です。
あの刺されたら痛い蜂です。
スズメバチはアメリカシロヒトリの幼虫(毛虫)をたくさん食べます。
日本はアメリカシロヒトリの異常繁殖に悩まされて大問題となっていたのですが、シジュウカラとスズメバチのおかげで、アメリカシロヒトリが減少したのです。
アメリカシロヒトリについて まとめ
アメリカシロヒトリについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
アメリカシロヒトリはアメリカから渡来し、異常な繁殖力で日本の樹木を食い荒らしました。
ですが、アメリカシロヒトリの天敵である「シジュウカラ」と「スズメバチ」のおかげで被害が減ってきています。
自然界の食物連鎖で人間の生活が助かっているんですね。
(ライター 雲呑)