アゲハチョウに近い種はチョウの中でも比較的大型になるものが多く、見た目も派手なものが多いです。

それぞれに特徴的な模様を持っていることがあり、そのため判別も付きやすいです。

 

しかし細分化し、性質の近い種類になってくると色合いや模様が似てきます。

アサマイチモンジというチョウにもこうした判別のつきにくい似た見た目をしたチョウがいくつか存在します。

細部まで確認しなければ見分けるのが難しい個体がいることもありますが、主な見分け方について説明していきます。

アサマイチモンジの生態

タテハチョウ科に含まれる1種としてアサマイチモンジは位置づけされています。

タテハチョウは科共通して一般的に成虫が中型から大型になるものが多く、寿命も長めと言われています。

 

世界中にも様々な場所で生息しており極寒の地を除けば冷帯から熱帯までそれぞれの種がそれぞれの環境に適応しています。

しかしながらアサマイチモンジは狭い範囲での分布となっています。

 

なんと日本固有の種類であり、海外には生息していません。

しかも日本内部においてもそれほど生息数は多くなく、やや珍しいチョウと言えるでしょう。

スイカズラを食草としており、山地や草原の他花を求めて飛び回ったり周辺の湿地や腐果にも寄ってきます。

特徴的な模様

アサマイチモンジの特徴と言えば名前の由来にもなっている翅の模様です。

前翅から後翅にかけて一条の白い斑点が並んでいます。

 

この斑点は前翅の裏側にまで続いており翅を閉じた状態でも美しく見栄えが良いです。

しかしこの見た目に似ているチョウとしてミスジチョウやメスグロヒョウモン、そしてイチモンジョウが存在します。

特にイチモンジョウは模様が酷似しているので遠目に見ると見分けるのが難しいです。

ミスジチョウとの比較と見分け方

ミスジチョウはやや高い場所を飛んでいることが多く飛び方も特徴的です。

落葉広葉樹林に生息していることが多く、飛び方等でも判別は可能ですが、模様を見ても分かりやすいです。

アサマイチモンジが体に対してやや平行に斑点が並んでいるのに対してミスジチョウは垂直に並んでいます。

メスグロヒョウモンとの比較と見分け方

オスとメスとの違いがはっきりしている種です。

メスの方がアサマイチモンジに似ていますが模様にいくつか大きな違いが見られます。

 

一つは前翅の裏側には斑点が現れていないこと、そしてもう一つは斑点が綺麗に配列されていないということです。

その他、メスグロヒョウモンのほうが山地に現れる傾向があり、生息地も違うので間違う可能性は低いでしょう。

イチモンジョウとの比較と見分け方

これはアサマイチモンジと近縁種であり生態上も似ていることから混同されることが多々あります。

これには模様に加えて生息地も近い事が関係しています。

 

イチモンジョウもスイカズラが食草なのです。

白い斑点が並ぶ様子もその斑点の大きさも非常に似ています。

 

そのため見分けるには細かい点に注意して確認していく必要があります。

一番ポピュラーなポイントは前翅の中室と呼ばれる体に近い部分です。

 

アサマイチモンジの場合この中室に列から外れた斑点が一つだけ明瞭に確認することができます。

一方イチモンジョウの場合うっすらと斑点は見えますが消えかかっています。

 

また、斑点の並ぶ列の途中、3室と呼ばれる前翅の一部分に着目します。

するとイチモンジョウの場合その部分の斑点だけが小さくなっています。

場合によっては消えていることもあるようです。

アサマイチモンジを見分けるには斑点の並びと明確さを確認する

いくつか似ているチョウと比較していきました。

特にイチモンジョウとは見分けがつきにくいので、白い斑点がくっきりしているのがアサマイチモンジと覚えておくと良いでしょう。

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