世の中には蝶に負けずとも劣らない綺麗な蛾というのが存在しているわけで。
そんな、普段はスポットライトがなかなかな当たらない蛾のなかで、綺麗な模様の蛾をまとめてみました。
日本の綺麗な蛾
オオミズアオ
オオミズアオはチョウ目ヤママユガ科ミズアオガ属に分類される白くてまるで宝石のような翡翠色をした蛾です。
北海道から九州にかけて、また国外では朝鮮半島、中国、ロシア南東部に分布しています。
平地から高原まで生息域は広く、前翅長は80~120㎜程あります。出現時期は4~8月で、初夏と夏の2回発生します。
キンモンガ
キンモンガは一見キアゲハのように見える蛾です。
チョウ目アゲハモドキガ科に分類され、本州、四国、九州に生息しています。
黒字に薄黄色の紋が目立ち、紋が白っぽい個体も存在します。
昼間に活動するので、翅を広げて止まっている姿を見かけることも多い種類です。発生時期は6~8月。
カノコガ
カノコガはチョウ目カノコガ科に分類され、日本各地で見ることが出来ます。
フタオビドロバチに擬態していると言われ、蛾とは思えないような風貌をしています。
体のわりに翅が大きく、翅に触れると鱗粉の模様がハンコを押したようにそのまま手につきます。
サツマニシキ
サツマニシキはマダラガ科の1種。
本州から南西諸島まで分布しています。
幼虫はヤマモガシを食べ、成虫は8月、9~10月に発生します。
成虫は暗い樹林下に見られ、昼行性ですが灯火にも飛来し、危険を感じると黄色い泡を出すのが特徴で、泡には鳥に対しての忌避物質を含むと言われています。
本土亜種が西日本にも生息しています。
世界の綺麗な蛾
世界には蝶と言ってもおかしくないほど綺麗で美しい蛾が存在します。
ニシキオオツバメガ
ニシキオオツバメガは世界で最も美しいと言われている蛾です。
マダガスカルに生息し、多くの蛾が夜行性の中、昼行性でしかも有毒です。
開翅長は75~90㎜で翅の模様は黒基調に金属光沢を帯びた緑の縦帯が入っています。
後ろ翅にはこれに加え、輝く青斑や見る方向によっては赤から紫までまるで虹のような色調が微妙に変化する紅斑が入っています。
しかも、この模様が表裏の両面で変わらず、裏面の方がより一層光沢を帯びているように見えます。
けれど、実はこの美しい色合いは色素によってでているのではなく、リボン上の鱗粉にある溝があるために光が屈折して見える構造色なのだそう。
モモイロヤママユ
モモイロヤママユはチョウ目ヤママユガ科に分類される北アフリカ大陸に分布している蛾。
ピンクと黄色という何ともメルヘンチックな配色をした蛾で、全身の毛がフワフワモコモコしています。
英名もロージーメイプルモスという可愛らしい名前がついています。
そして、成体も何だかメルヘン。
メープルシロップを採取するメープルに生息していて体長はオスが3~4㎝、メスが4~5㎝ほど。
メスはフェロモンを出してオスを引き寄せるのだそう。
蛾の生態としてはよくある話なのですが、モモイロヤママユがすると、何だかエロティックな感じがするのは不思議。
SNSなどでもとても話題を呼んだ蛾の一種です。
ヒレオナガヤママユ
ヒレオナガヤママユは世界一、尾の突起が長いことで知られる有名な蛾。
マダガスカルやマレーシアに生息していて、オスの尾の長さは15㎝もあるというのだから驚きです。
しかも、模様も派手で美しい。メスの尾はもう少し短めだそうです。
いかがでしたでしょうか。
忌み嫌われてばかりの蛾ですが、実に美しい種類が存在することをお分かりいただけたと思います。
先入観を捨てて個体そのものを見れば、他にも美しい蛾をいっぱい発見できるかもしれません。
(ライター ナオ)