オオミノガという蛾を聞いたことがありますか?

あまり聞きなれない人は「ミノムシ」を見たことがありますか?

 

実はあのミノムシがオオミノガの蛹なんです。

意外に身近なところにいるオオミノガの不思議な障害について詳しくお話します。

オオミノガの特徴

オオミノガはチョウ目ミノガ科に属する昆虫でヤマトミノガともいいます。

日本列島に分布しますが近年はヤドリバエの寄生によって生息個体が激減しており、絶滅危惧種に指定されています。

 

日本産で最も大きな蓑を作り、蛹の状態はミノムシと呼ばれます。

オスのみが蛾になりますが口は退化し、花の蜜などを吸うことはできません。

 

オスの体長は30~40㎜。

メスには翅と脚はなく、頭部と胸部は小さく大半異常を腹部占めていて蓑内部の蛹の殻の中に留まります。

オオミノガ生態

20日前後で孵化した幼虫は蓑の下の穴から外に出て、そこから糸を垂らし多くは風に乗って分散し葉や小枝などに到着した1齢幼虫は直ちに小さい蓑を作り、それから摂食します。

6~10月にかけて7回の脱皮を繰り返し成長するにつれ蓑は大きく変化していきます。

 

蓑は両端が開いていますが、蛹化すると気に上野穴を閉じ、枝にくくりつけて体を逆さにして下の穴の方を向いて蛹化します。

オスの蛹は細長く、羽化する時には下の穴から半身を乗り出して脱皮し、一方メスの蛹は紡錘型で下の穴よりずっと太くて運動も不活発です。

メス成虫への脱皮は強固な成虫の頭部の突起と胸部背面の稜を使って蛹殻の前端部に丸い穴を開けるだけです。

 

小枝や葉片をつけながら蓑を大きくして終齢幼虫に達します。

主な食樹はサクラ類、カキノキ、イチジク、マサキなどで秋に蓑の前端を細く頸って小枝などに環状になるように絹糸を履いてこれに結わ和えつけて越冬に張ります。

 

枯れ枝の間で蓑が目立ち越冬後は普通はエサを食べずにそのまま4~6月にかけて蛹化し、6~8月にかけて羽化します。

オスはメスのフェロモンに惹かれて夕方頃飛行し、蓑内のメスと交尾をします。

 

羽化してからのオスとメスは産卵のためだけ、子孫を残すためだけに存在していると言っても過言ではありません。オスは主に午前中に羽化すると夕方まで蓑に静止し、日没が近づくと飛び立ってランダム飛翔を始めます。

 

羽上の触角はメスの性フェロモンを甘受するための器官で、強力な飛翔力を産む翅はメスのフェロモンの気流を探しあてるために使われます。

日没が近づくとオスはランダムな飛翔を始め、フェロモンを感じあてます。

 

メスは蓑の下の穴から東胸部だけを外に出してこの部分から性フェロモンを出してオスを誘引します。

オスが飛来すると再び蓑の中の蛹の殻の中に潜り込みます。

 

この時、オスは小さな腹部を限界近くまで伸ばし蛹の殻とメスの体の間に入れ、蛹の殻の最も奥に位置するメスの交尾孔をオスの交尾器で挟んで挿入器を挿入して交尾します。この時オスの腹部の節間膜はいっぱいに伸ばされ腹部は平常の2倍以上の長さになることがわかっています。

 

20分程交尾が続いた後、オスは蓑から腹部を引き抜き飛び去って行き、死んでいきます。

メスは自分が潜んでいた蓑の中の蛹の殻の中に1000個以上の卵を産卵し、卵塊の表面を腹部の先に生えていた淡褐色の微細な毛で栓をするように覆います。

メスは普通は卵が孵化するまで蛹の殻の中に溜まっていて、孵化する頃に蓑の下の穴からでて地上に落下して死にます。

オオミノガの糸

オオミノガは蓑を作るために体から糸を出します。

この糸は非常に強力で単位断面積当たりの強度を比較するとミノムシの糸はジョロウグモの糸の約12.5倍にもなるそうです。

 

確かに。そういわれてみればミノムシの蓑はかなり丈夫に作られていたような気がします。

皆さんもミノムシを見つけた時にはぜひ触ってみて下さい。

(ライター ナオ)