春になるとどこからともなく現れるチョウ。

その中でも一際目を惹くのが、美しい色と模様の付いた羽を持つアゲハチョウですね。

 

一般的にアゲハチョウと呼ばれているのは「ナミアゲハ」と呼ばれる種類です。

しかし、ナミアゲハと瓜二つの「キアゲハ」というチョウがいるのを知っていますか?

 

もしかしたら、あなたがアゲハチョウ(ナミアゲハ)だと思って見ていたチョウはキアゲハだったかもしれませんよ!

今回はそんなキアゲハについて、生態など詳しくまとめて見ました。

キアゲハの生態

キアゲハは、ヨーロッパからアジア、北米北西部にかけて広く生息しているチョウです。

大きさは約4cm~6cm、黄色い翅に黒い縞模様が特徴的。

成虫は様々なセリ科の植物を餌とするため、海岸・市街地・農村・山地・高山帯と、多様な場所で見られます。

これだけ広範囲に生息していれば、私たちがいつも見ていたのはキアゲハだったんじゃないかってのも納得ですね。

成虫は年に2~4回、4月から10月にかけて発生します。

 

オスは独特なにおいを発しているそうですが、具体的にどのようなにおいなのかは不明。

気になる人は、キアゲハを見つけて嗅いでみてください!

 

幼虫もセリ科の植物を餌としており、葉だけではなく若い果実なども食べます。

ニンジン、パセリ、ミツバなどの農作物も餌となるため、これらの植物を育てている農家にとってはかなりの害虫。

駆除対象になってしまいます。

 

しかも越冬は蛹の姿で行うのですが、冬型の蛹は-196度という極寒にも耐えられるそうです。

凍ってしまっても生き返るということなんでしょうか…すごすぎですね。

キアゲハの成虫・幼虫

さて、初めに少し触れた通り、キアゲハはナミアゲハによく似ています。

よく似ているというか、知らないと同じ種類のチョウだと思うほど瓜二つなのです。

 

しかし、よく観察すると、全く同じと言うわけではないのがわかりますよ!

両者の違いをまとめてみたので、見分ける際の参考にしてみてくださいね。

 

キアゲハは名前の通り、ナミアゲハよりも黄色が濃いのが特徴です。

しかし色の濃淡は個体差もあるので、当然色の濃いナミアゲハもいるし、色の薄いキアゲハもいます。

 

この場合は見分けるのが難しいですね。

そんな時は模様をよく見てください。

 

前翅の付け根の部分に注目してみると、ナミアゲハは全体的に縞模様があるのに対し、キアゲハは付け根の部分のみ不鮮明で塗りつぶしたようになっています。

飛んでいる最中だとなかなか見づらいので、草などにとまった時を狙って確認してみてくださいね。

 

そして成虫はほぼ見分けがつかないほどソックリですが、幼虫時は全く違う見た目をしているので、すぐに見分けがつきます。

ナミアゲハの幼虫はみなさんが良く知っている、緑色で大きな目玉模様がある青虫です。

それに対してキアゲハの幼虫は、緑と黒の縞々模様で、黒い縞の部分にはオレンジ色の斑点があるのが特徴。

これだけ違えば、見分けるのは簡単ですね。

 

また、ナミアゲハの幼虫はミカンなどの柑橘類の葉を餌としているので、セリ科の植物につくキアゲハとは見かける場所が違います。

我が家にはレモンの木があるのですが、ナミアゲハの幼虫にほぼ葉っぱを食い尽くされてしまったことがあります…。

キアゲハの幼虫も食欲が凄いので、見つけたらすぐに駆除しないと植物が丸裸にされてしまいますよ!

キアゲハについてのまとめ

キアゲハの存在について知らなかった人も、次にアゲハチョウを見かけた時は「あれはナミアゲハかな?キアゲハかな?」と考えてみてください。

成虫を一発で見分けられるようになれば、虫博士ですよ!

しかし、幼虫の姿は全然違うのに、成虫になると瓜二つになるというのはなんだか不思議ですね。

(ライター もんぷち)