チョウの中でも比較的大型で鮮やかな翅を持つのがアゲハチョウです。日本でよく見かけるアゲハチョウはナミアゲハとキアゲハという種類です。
今回このキアゲハについて飼育方法など紹介していきます。
キアゲハの生態
チョウに中でアゲハチョウ科に分類される1つで、日本国内では全国的に広く生息しています。
キアゲハと並んでメジャーなアゲハチョウであるナミアゲハと成虫の見た目も似ているため、そもそも別のアゲハチョウを見ているという認識をしていないことも多いです。
世界的に見てもユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで非常に広い地域に分布しています。
名前の通り翅の黄色味が強く、その大きさは5㎝前後となっています。
発生する季節も春から秋頃で、海の近くや高原まで様々な地域で生きることができます。
というのも主にセリ科の植物を好む食性を持っているためこれだけ広い地域に分布が広がっているのです。
ナミアゲハとの違い
キアゲハと並んで知名度の高いナミアゲハですが、よく混同されてしまいます。
この両者を見分けるにはいくつかのポイントがあります。まずは翅の色です。
キアゲハは前述の通り全体的な黄色味が強いことからおおよその特定ができます。
しかしこれだけで判別するのは不十分です。翅の色には個体差も大きくキアゲハでも薄い黄色の翅を持っているものもおり、逆にナミアゲハでも黄色の要素が強めの個体もいるためです。
そこで次は翅の模様に着目します。キアゲハは翅の根本が黒くなっており明確な縞模様にはなっていません。
飛行中だと確認がしにくいですが、花などに着陸した際に確認してみましょう。
最後に、最も判別がしやすいのは幼虫期を見ることです。
ナミアゲハは緑色をしたいかにもいもむしらしい見た目をしています。
一方でキアゲハは緑と黒の縞模様になっていたりなど、全く外見が異なります。
食性も違うので、くっついている植物の種類が分かればそこからの推測も可能です。
ナミアゲハの場合柑橘系の葉を好み、キアゲハはセリ科の植物によく潜んでいます。
キアゲハの飼育
まずキアゲハの幼虫を捕まえるにはセリ科の植物を見つけることから始めると早いです。
大量発生していることもあります。
幼虫期に最も重要なのは大量の餌を用意することです。
キアゲハの幼虫は非常に食欲が旺盛で、気を抜いているとすぐに餌がなくなってしまうのでセリ科の葉は常にスタンバイしておきましょう。
また大量に食べる分うんちの量も多く掃除を頻繁にすることも大切です。
農薬を使用しているものだと死んでしまうこともあるのでこの点には細心の注意を払うようにしましょう。
スーパー等で売っているものには農薬が入っていることも多く確認が必要でしょう。
こうして元気に成長を続けるとみるみるうちに太く大きくなっていき、ある日白い糸を自身の周辺に張り巡らせて動かなくなります。
ここからが蛹の段階です。こうなると活動はいったん停止するので羽化するのを待ちましょう。
1週間ほど経てば殻を破って成虫が出てくるでしょう。
ちなみに蛹の状態だとかなりの寒さにも耐えることが可能で越冬もできます。
そのため蛹になった時期によっては越冬のため蛹の期間が長くなることもあるでしょう。
羽化した瞬間から自由に飛び回ることはありませんが、少し慣れてくると飛ぼうとするのでケースから野外へと解放してあげましょう。
成虫となったキアゲハをいつまでもケースに入れておくと壁に衝突してしまい翅が傷ついてしまいます。
キアゲハの飼育をしてみよう
キアゲハの飼育をしているといくつかの成長段階を見ることができ育てている実感も持ちやすく楽しめる要素が多いと思います
。しっかりと準備をすればそれほど難しいものでもないのでチャレンジをしてみてはいかがでしょうか。
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