キアゲハはアゲハ蝶のなかでも全国的にみられる一般的なアゲハ蝶のひとつです。

成虫になると花の蜜を吸うキアゲハの幼虫のエサは何が良いのでしょうか?

キアゲハについて

キアゲハがひらひら飛ぶ姿をみかけるのは3月から11月頃です。

春に成虫になる場合と夏に成虫になる場合があります。

春に成虫になるのは、さなぎの姿で越冬した個体です。

夏の場合は、春先に孵化したキアゲハです。春先にみかけるキアゲハの方が体色が黄色くくっきりしていることが多く、夏に飛んでいるキアゲハはクリーム色のような体色です。

 

キアゲハは人が住んでいる場所に比較的ちかい低地などにもいるチョウです。

大きさは35mm~70mmくらいです。「アゲハ」というとナミアゲハをさすことも多いですが、キアゲハとナミアゲハはよく似ています。

違いは前翅の黒い縁取りのような部分です。縁取りのような部分まで黄色っぽいのがキアゲハです。

キアゲハの幼虫の特徴

キアゲハの幼虫は、他のアゲハ蝶の幼虫と明らかに違う外見をしています。

最初は黒い毛のようなものがある姿です。大きさは3mm程度です。脱皮を経て成長し2齢幼虫になると頭部が大きくなり体節の分かれ目も見えるようになります。

 

3齢、4齢になるとオレンジの模様が出てきます。徐々に黒い毛がなくなり、体色が薄い緑になっていきます。

5齢幼虫になると、黄緑の体色にくっきり入る黒い模様が目立ちます。

孵化してからおおよそ10日から15日くらいで糸を吐き始めて前蛹になります。

 

緑色のさなぎの前段階です。茶色のさなぎになり、そのまま越冬します。

春になり気温が上がると羽化します。

 

春夏になると家庭菜園だとか野菜を育てている付近で見かけるのではないでしょうか?キアゲハの幼虫の好物はセリ科の植物です。

ニンジン、セリ、ミツバ、パセリ、セロリなどの野菜類の葉をよく食べます。

チョウの幼虫はそれぞれ好むエサがあるようで、クロアゲハは主にミカン科の樹木の葉を食べるようです。

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キアゲハの幼虫の体の仕組み

体の構造がよくわからないように見える幼虫の体も頭部・胸部・腹部に分かれています。

腹部から出ている脚のようなものが脚です。かなり頭に近い部分にあります。

その後ろについているものは中脚です。

キアゲハの幼虫の脚には黒くしっかりした爪のようなものがあり、セリ科などの植物の枝につかまることできます。

 

また、頭部の皮膚の下付近には臭角という部位があり危険を感じると臭い液体を出します。

毒ではありませんが、もし手についたら手を洗いましょう。

キアゲハのエサ

キアゲハの幼虫のエサに特に良いのはパセリだともいわれています。

パセリの苗は一年中手に入りますから、キアゲハを幼虫から飼育したい場合はとても重宝です。

何といっても生物の飼育には新鮮で採りたてのエサを切らさないことが肝要です。

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キアゲハを飼育してみよう

キアゲハの幼虫は春から秋にかけて、まだ柔らかいセリ科の植物の葉の周辺にいるはずです。

採取する場合は、私有地や採取不可の場所はやめてくださいね。

気が長い人は、パセリやセロリなどを育ててキアゲハがやってきて産卵してくれるのを待つという手もあります。

飼育容器

チョウの場合はこまめな掃除も必要です。

プラスティック容器でもいいですが、簡単に開け閉めできるタッパーが便利です。

キッチンペーパーなど

特別な温度管理は不要ですが、水分過多にならないように水分を吸収するキッチンペーパーを用意します。

エサ

新鮮なパセリやセロリなどを用意します。

枯れないように気をつけましょう。キアゲハの幼虫もかなりたくさん食べます。

幼虫を移動させるときに便利です。

キアゲハの飼育

卵から育てる場合は特に、容器の底にキッチンペーパーなどを入れます。

容器内が蒸れるとうまく孵化できなかったり、カビがはえたりします。必ずとり替えてください。

孵化するまでは10日前後です。

 

キアゲハの最初の幼虫が無事孵化したら、柔らかいパセリなどのエサをあげます。

糞が溜まらないように掃除をします。また、あまり多くの幼虫がいると密集し世話がうまくいかない場合もありますので、多くの幼虫をひとつの容器で飼育しすぎないようにします。直射日光のあたらない涼しい場所に置いてください。

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毎日ふたを開け、糞がたまったり、パセリの葉が傷んだりしていたら、ピンセットなどですぐに取り除きます。

また、蒸れにも注意です。

キアゲハの幼虫が元気にパセリの葉を食べていると、容器内は次第にむわっとした空気になりますから、キッチンペーパーも適宜とり替えます。

 

キアゲハの幼虫がさなぎになる前はじっと動かなくなります。

死んでしまったようにみえることもありますが、しばらくそのまま様子をみます。

幼虫からさなぎになるまでの期間はおよそひと月前後のことが多いです。

 

ただし、キアゲハおよびチョウの飼育はとても難しいです。さなぎや羽化を見ることができるのは熟練した人でも難しいものです。

そんな時に、庭やベランダのコンテナでパセリなどのセリ科の植物を育てていれば、途中で放すこともできます。

キアゲハはセリ科が好き

キアゲハの幼虫はセリ科の植物が大好きです。ディルやフェンネル、パセリなどを自宅で育てているという人もいるのではないでしょうか?

パセリを育てれば、新鮮な食卓をキアゲハの幼虫に提供できますよ。

(ライター:おもち)

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