見た目が可愛いテントウムシ。
アブラムシなどの害虫を食べてくれるので、ガーデニングや家庭菜園をしている人にとっては益虫ですね。
しかし…テントウムシがいるはずなのにアブラムシが減らない!それどころか葉っぱが食べられてる!?という事態が度々起こることがあります。
その原因は、それがテントウムシではなく「テントウムシダマシ」だからです。
くっそー、騙された!誰かコイツをやっつけてくれ!という気分になった人のために、今回はテントウムシダマシの天敵などについてまとめていきたいと思います。
テントウムシダマシの生態
テントウムシダマシは、草食のテントウムシである「ニジュウヤホシテントウ」や「オオニジュウヤホシテントウ」の総称です。
アブラムシなどを食べてくれる肉食のテントウムシと違い、植物の葉っぱなどを食べるので、人間にとっては害虫という位置づけになっています。
肉食である「ナナホシテントウ」とよく似た外見をしているため、害虫と気付かず放置してしまう人も多いでしょう。
「テントウムシは全て肉食で、アブラムシを食べるもの」だと思い込んでいる人もいるかもしれません。
(恥ずかしながら、私もそうでした…。)
主にナス科の植物に発生し、代表的なものではナス、トマト、ジャガイモなどの害虫としてよく知られています。
ナス科以外では、ウリ科のキュウリやマメ科のエンドウマメなどに発生することも。
植物の葉っぱを葉脈を残して食べていき、果実の表面を食べることもあります。
テントウムシダマシの外見はナナホシテントウによく似ており、いずれも大きさは6~7mmほど。
そんなよく似た彼らを見分けるポイントは、「斑点の数」です。
ナナホシテントウには斑点が7つあるのに対し、テントウムシダマシは正式名称である「ニジュウヤホシ」という名の通り、28の斑点があります。
パッと見で、なんか斑点が多いなと思ったら、それはテントウムシダマシだということですね。
植物に被害を与える前に、速やかに駆除しなければなりません。
テントウムシダマシの外見が肉食のテントウムシとよく似ているのは、外敵から身を守るため。
肉食のテントウムシは「アルカロイド」という野鳥が嫌う成分を体液に含んでいるため、捕食されることはありません。
しかしテントウムシダマシはこの成分を持っておらず、テントウムシに姿を似せることで、捕食を逃れているのです。
テントウムシのカラーリングは目立つから、バレたら即おしまいの諸刃の剣ですね。
テントウムシダマシの天敵・駆除
本来であれば鳥などが天敵となるのでしょうが、前述のようにテントウムシに擬態しているので、狙われることは少ないのでしょう。
それ以外ではこれといって駆除に効果的な天敵はいません…残念ながら。
やはりテントウムシダマシを駆除するには、人間自らの手で何かしらの対策を取らないといけません。
まずは、テントウムシダマシを植物に近づけないようにするのが一番です。
防虫ネットなどを被せて、成虫の飛来を阻止しましょう。
それでも防げない、ネットなどが掛けられない場合は、よく葉の裏を確認して、卵や幼虫を見つけ次第葉っぱごと駆除してしまいます。
成虫の場合は目立つので見つけるのは容易ですが、わずかな振動でも落下してしまうので、下に何か容器を受けておいて落下させるのがいいでしょう。
捕獲したものは殺虫剤をかけたり、つぶしたりして駆除します。
どうしても駆除が追い付かない、と言う場合は、薬剤を使いましょう。
収穫の前日まで使えるような、安全性の高いものもあります。
テントウムシダマシについてのまとめ
テントウムシダマシは葉っぱを食べるということを知らなければ、「よしよし、アブラムシを食べてくれよ~」と放置してしまいがちです。
食欲が旺盛で放っておくとあっという間に植物がボロボロになってしまうので、テントウムシとの違いをよく見て、見つけ次第早急に駆除してしまいましょう。
(ライター もんぷち)