みなさんはタコをよく食べますか? タコは、頭足綱・鞘形亜綱・八腕形上目・タコ目に分類される動物の総称です。
たこ焼きや刺身、お寿司などを食する機会が多いと思います。
当記事では、そんな馴染みある食材であるタコ、その寄生虫に注目してみました。
タコの生態
タコは、海洋棲の軟体動物で、主に岩礁や砂地で活動しています。
タコは複数の吸盤がついた8本の触腕を特徴としています。
タコ足、8本足などと言いますが、学術書などでは腕や触腕と表現されます。
タコの吸盤は、たいていのものに吸着できます。
オスは4本の腕の吸盤の大きさが、メスに比べてばらつきがあります。
切断された腕であっても、その活動は1時間ほど続きます。
そしてタコの吸盤は切断されたものでも、自分の体には吸着することはありません。
この原理は現在もよく分かっていません。
タコの皮膚を取り除いて、同じタコの腕を切断して近づけると、その腕の吸盤は皮膚を除去した部分には吸着します。
また、皮膚をはりつけた物体に、切断されたタコの腕を近づけると、その部分にはくっつかず、皮膚のない場所にくっつきます。
上記のような現象から、皮膚に何らかの自己認識機構が存在するという説があります。
ちなみに、タコの8本の触腕のうち1本は、交接腕と呼ばれ、先端が生殖器になっています。
これがメスの体内に挿入されて、精きょうが受け渡されることで受精が成立します。
タコの寄生虫
タコには、アニサキスが寄生している可能性があります。
ただ、アニサキスは熱したり冷凍したりすることによって死ぬので、タコに寄生したアニサキスを見る機会はあまりないと思います。
また、ニハイチュウという二胚動物門・二胚虫目・ニハイチュウ科の寄生虫がいます。
ニハイチュウは、体長1ミリ~10ミリの動物で、すべての種類がタコやイカなどの頭足類の腎のうのなかに生息します。
ニハイチュウは、寄生する種が決まっている「宿主特異性」なので、タコやイカごとに、それぞれ別のニハイチュウが寄生します。
ニハイチュウ類は、名前のついたもので117種です。
日本産のニハイチュウ類は、名前のついたものは40種、未記載種は22種です。
ニハイチュウは通常、1個の軸細胞と20個程度の体皮細胞からなり、筋肉組織や消化器はありません。
主要器官は生殖腺だけで、細胞数のもっとも少ない動物の部類に入ります。
ちなみに2013年に新種が発見されています。
タコのその他雑学など
深海性のタコから新種のニハイチュウが発見されました。
この新種のニハイチュウは、2013年3月16日に三重県の紀伊長島沖、水深300メートルで採集された深海性のツノモチダコの腎のうのなかで発見されました。
大きさは1ミリ~2.5ミリほどです。
これをニハイチュウの研究者が確認したところ、少なくとも2種類の新種がいることが明らかになり、それぞれトバニハイチュウ、ツノモチダコニハイチュウと名付けられました。
タコの食べる際の注意点
スーパーに並んでいるタコは、ほとんどがボイルしたものですが、生タコも売られています。
もしタコを生で食べるときは、吸盤の雑菌に注意してください。
ちなみにお隣の韓国では、小さいタコを生きたままを丸ごと食べる風習がつい最近までありました。
これは吸盤がノドに吸いつくなど非常に危険なので、もしお店で見かけることがあっても、食べることはオススメしません。
食べるときは、ほんと自己責任でお願いします。
現在の韓国ではタコを小さく切り、ごま油をかけ、ごまを振りかけて食べるのが主流となっています。
これは「サンナクチ」といって、韓国ではポピュラーな食べ物です。
ただ、細かく切られていても、お皿に盛られているタコの足は、まだ動いています。
ノドに吸着して窒息死する危険性がありますので、しっかり噛んでから飲みこんでください。
タコのまとめ
以上、タコとその寄生虫についていかがでしたか?
ボイルしたものを食べるときは、特に問題はないようですが、生食の場合は寄生虫に気をつけたほうがいいかもしれません。
ただ、寄生虫よりも吸盤についた雑菌のほうが危ないです。
生で食べるときは、しっかり塩でもみ洗いしてください。
それと切断から1時間は生きていますので、鮮度がよい場合は、しっかり噛んでから飲みこんでください。ノドに吸着する危険があります。
(ライター ジュン)