カクレクマノミは、ディズニー映画「ファインディング・ニモ」の主人公によく似ている、とても人気のある海水魚です。
ここではカクレクマノミとその寿命について紹介します。
カクレクマノミの生態
カクレクマノミは、スズキ目・スズメダイ科・クマノミ亜科に属する海水魚です。観賞用として人気が高い種で、ハタゴイソギンチャクとよく共生します。
ちなみに、カクレクマノミは漢字では「隠熊之実」と書きます。
カクレクマノミは、インド洋や太平洋のフィジーやトンガなどのサンゴ礁に生息しています。日本では沖縄周辺、奄美大島以南に生息しています。
カクレクマノミは、ほかのクマノミ類に比べて、細長い体をしています。
オレンジ色の体に、3本の白い帯と黒いヒレがあり、成長すると体長はおよそ8センチになります。
ちなみに最大全長は15センチほどです。
ただし、飼育書や入門書のなかには、30センチと書かれているものもあります。
カクレクマノミは、近縁種のペルクラとはよく似ていますが、体色や模様から区別が可能です。
カクレクマノミは、ペルクラほど鮮やかな色をしておらず、背ビレの鰭条の数が11本と、ペルクラよりも1本多くなっております。
目も異なっていて、ペルクラの虹彩は、明るいオレンジ色をしているので目が小さく見えるのに対し、カクレクマノミの虹彩は黒く、そのために目が大きく見えます。
オーストラリアのダーウィン周辺のサンゴ礁では、まれに黒色色素が多いカクレクマノミが見られます。
白い帯は通常と変わりませんが、体色がオレンジ色ではなく黒から暗褐色になっています。
カクレクマノミは、イソギンチャクと共生しますが、それはイソギンチャクの毒から身を守る耐性があるからです。
カクレクマノミが共生可能なイソギンチャクは、ハタゴイソギンチャク、シライトイソギンチャク、センジュイソギンチャク、サンゴイソギンチャクです。
共生しないイソギンチャクは、ロングテンタクルアネモネ、イボハタゴイソギンチャク、タマイタダキイソギンチャクです。
ただ、共生は個体差があるので、共生するイソギンチャクの種類であっても共生しないこともあれば、逆のこともあります。
まだまだ共生の仕組みは謎につつまれています。
カクレクマノミの寿命
カクレクマノミの寿命は、野生では6~10年と推定されています。
一方、飼育下での寿命は10年前後といわれており、環境がよければ20年以上生きるようです。
カクレクマノミは、上記のように比較的長寿ですが、病気にかかることもあります。
具体的には体表のスレに弱く、トリコディナ病と呼ばれる皮膚の炎症を起こします。
特徴としては、体から多量の粘液が出て白っぽくなり、エラ呼吸が異常に速くなります。
治療は、淡水浴が効果的です。
カクレクマノミのその他雑学など
カクレクマノミは、ディズニー映画「ファインディング・ニモ」の主人公に似ていることから人気を博した海水魚です。
「ニモ」の種類については、「カクレクマノミ」という説や、「クラウンアネモネフィッシュ」という説など、さまざまな議論が交わされました。
では、実際どちらの種なのかというと……実は明らかではありません。
ただ、「ナショナル・ジオグラフィック」誌の公式サイトには、以下のような記載がみられます。
しかし、ディズニーアニメの「ファインディング・ニモ」のヒーローはカクレクマノミという種がモチーフになっていて、クラウンアネモネフィッシュとは形と生息地に微妙な違いが見られることを最初に確認しておこう。
どうやらカクレクマノミがモチーフのようですね。
モチーフ【motif】
1.小説・音楽・絵画などで創作の動機となった中心的な題材。
2.音楽で、ある表現性をもつ旋律の断片、または音型。楽曲を構成する最小単位。動機。 → 主題
3.模様の構成単位。
《出典:大辞林 第三版・三省堂》
カクレクマノミのまとめ
以上、カクレクマノミとその寿命についていかがでしたか?
カクレクマノミは、発色が鮮やかで温和な魚なのでアクアリウムでも人気です。
もしこの記事で興味をもたれたなら、ぜひ、飼育に挑戦してみてください。
(ライター ジュン)