アカヒレは、条鰭綱・コイ目・コイ科・タニクチス属の淡水魚の一種です。

ここではアカヒレの寿命とそれにまつわる雑学を紹介します。

アカヒレの生態

アカヒレは、特徴的な赤い尾ビレがその名前の由来です。

英名のWhite Cloud Mountain minnowは、原産地の1つである中国の白雲山に由来します。

アカヒレの体長は、3~4センチほどです。

 

体色は、やや褐色がかった銀白色で、特徴的な赤い尾ビレを持ち、体軸には縦条が入っています。

アカヒレのメスは、腹部がふくらんでおり、丸みを帯びています。

 

アカヒレは、低水温や酸欠に強く、飼育や繁殖が比較的容易であることから観賞用に飼育されるほか、実験生物としても利用されています。

もっとも丈夫で飼いやすい観賞魚のひとつです。

 

ちなみに、「コッピー」として販売されている魚の正体は、実はアカヒレです。

アカヒレの改良品種としては、ヒレを伸ばした「ロングフィン」タイプや、黄色の体色をした「ゴールデン」タイプがあります。

アカヒレの寿命

アカヒレの寿命は、2~3年といわれています。

アカヒレのその他雑学 その1

アカヒレは、丈夫で飼いやすい魚ではありますが、それでも気をつけないと病気になってしまいます。以下は、アカヒレがかかりやすい病気です。

白点病

原因:白点虫(イクチオフティリウス)が寄生することによって発症します。

症状:ヒレ先から全身にかけて、ケシ粒ほどの白点が現れます。

対策:水温を30℃以上に上げます。塩浴や薬浴も有効です。

コショウ病(ウーディニウム症、サビ症)

原因:せん毛虫の一種が寄生することによって発症します。

症状:全身に白点が現れます。

対策:水温を30℃以上に上げます。塩浴や薬浴も有効です。

尾腐れ病

原因:傷口にカラムナリス菌が感染することにより発症します。

症状:ヒレ先が充血して白くなり、やがて溶けます。口のまわりも欠けることがあります。

対策:水温を 30℃ 程度に上げます。塩浴や薬浴も有効です。

水カビ病(綿かぶり病)

原因:傷口から水カビ菌が侵入し、感染することによって発症します。

症状:ヒレや傷口にやわらかい白色のかたまりが現れます。

対策:外傷に気をつけます。薬浴や薬の塗布も有効です。

エロモナス感染症(松かさ病、穴あき病など)

原因:細菌が繁殖し、感染することで発症します。

症状:ウロコがはがれ落ち、体表が充血し溶けるなどします。

対策:水質をしっかり管理します。薬浴や薬の経口投与も有効です。

アカヒレのその他雑学 その2

アカヒレは、1932年に中国の広東省にある白雲山で発見されました。

しかし白雲山のアカヒレは、開発などによって絶滅してしまいました。

 

現在流通しているアカヒレのほとんどは、白雲山で発見されたものから繁殖され、人の手で育てられたブリード個体です。

それからしばらくの後、ベトナム北部で新種のアカヒレが発見されました。

 

この種は、ベトナム・アカヒレとして流通しており、白雲山系のアカヒレとは性質が異なっています。

現在流通しているアカヒレは、以下の4種です。

アカヒレ

白雲山の渓流を泳いでいた野生種にもっとも近い種です。

ゴールデン・アカヒレ

黄色味の強いアカヒレを固定することでつくられた改良品種です。

成長すると淡い黄色が、まるで黄金のように発色します。

ロングフィン・アカヒレ

この種には、ヨーロッパタイプと東南アジアタイプという2つのルーツがあります。

ヨーロッパタイプは、濃い赤色が特徴で、ヒレにゆったりとした曲線があります。

東南アジアタイプは、すっきりしたヒレに、赤色がアクセントとなっています。

ベトナム・アカヒレ

ベトナム北部で発見された新種です。ベトナム・アカヒレの生息域は、熱帯よりなので、白雲山ルーツのアカヒレに比べて低温に弱くなっています。

アカヒレのまとめ

以上、アカヒレとその寿命についていかがでしたか?

アカヒレは飼育がしやすく、また、お値段も数十円から数百円と安いので、アクアリウムをはじめてやる方にも、オススメな魚だったりします。

興味をもたれた方は、ぜひ、飼育を検討してみてください。

(ライター ジュン)