5億年前に初めて地球上に出現したと言われ、生きた化石と言われるカブトガニ。

クモの仲間に最も近いと言われていますが、その生態は一体どうなっているのでしょう?

カブトガニの生態

カブトガニは鋏角類剣尾鋼カブトガニ科に属する節足動物で、お椀のような体にとげのような尻尾を持っています。

背面全体が広く甲羅で覆われていて、附属肢はすべてその下に隠れています。

カブトガニの名前はこの甲羅に由来していると言われ、地方名ではドンガメ、マンゴエイなどがあります。

日本では古くは瀬戸内海に多く生息していましたが、特に何の役にも立たず、図体が大きいだけで、漁網を破るなどして嫌われていたようです。

 

しかし、古生代からその姿がほとんど変わっていない、生きている化石であり、学術的な面で天然記念物の指定を受けている生物でもあります。

現在、日本での繁殖は岡山、山口、愛媛、福岡、大分等の限られた海岸でしか行われておらず、いずれの地域も沿岸の開発が進んで、最近では生息できる海岸が減少してほとんど見ることが出来ないと言われています。

 

日本以外ではインドネシアからフィリピン、揚子江河口以南の中国沿岸、東シナ海に生息しています。

カブトガニは全長オスで70㎝、メスでは85㎝に達します。

体は頭胸部と腹部、尾で形成されています。頭胸部は甲状になっていて、両側後方にやや伸びていて、背面は滑らかなドーム状、前方背面に一対の複眼があります。

干潟の泥のたまった海底に生息し、ゴカイなどをエサにしています。

 

口はお腹の部分にあるので、上から見ると甲羅に隠れていて、エサを食べている様子はわかりません。

夏に産卵期を迎え、大潮の日に浅瀬の砂の中に産卵します。

 

卵は太陽の熱によって温められた砂の熱で数か月に孵化し、14~15回の脱皮を経て成体になります。

体の大きなメスの方が脱皮の回数が1回多くなっています。

 

複雑な体の形をしているために、脱皮は簡単ではなく、脱皮中に死んでしまうカブトガニもいるのだそうです。

幼生は孵化する以前に卵の中で数回の脱皮を行いながら成長していて、卵も成長に合わせて大きくなるという習性があります。

カブトガニは1日の9割を休息にあてて、あとの一割はエサ探しに充てていると言われ、夜行性で特に満潮時の活動が活発です。

カブトガニと人間の関係

カブトガニ類の血液から得られる抽出成分は医療の分野で細菌の検出などに使われています。

また、日本においてはかつて田畑の肥料、釣りの餌、家畜の飼料として使われていました。

中国やタイなどの東南アジアの一部では食用として食べられていて、中国では鶏卵と一緒に炒めて食べるのが一般的なのだそう。

カブトガニの寿命

カブトガニの寿命は推定で25年と言われています。

性成熟までには15年かかり、その後10年程生きるという感じ。

 

カブトガニの年齢は背中のトゲを目安にしますが、確証できるものではなく、あくまで推定年齢ということになります。

しかも25年という年齢は飼育下でのもので、野生下での年齢ははっきりとわかっていません。

カブトガニのまとめ

カブトガニは鋏角類剣尾鋼カブトガニ科に属する節足動物

日本での繁殖地は岡山、山口、愛媛、福岡、大分等の限られた海岸で、いずれの地域も沿岸の開発が進んで、最近では生息できる海岸が減少してほとんど見ることが出来ない

全長オスで70㎝、メスでは85㎝に達する。

 

中国やタイなどの東南アジアの一部では食用として食べられている。

カブトガニ類の血液から得られる抽出成分は医療分野で細菌の検出などに使われている。

 

カブトガニの寿命は推定で25年と言われているが、あくまで推定。

定かななことはわかっていない。

(ライター ナオ)