世の中に毒クラゲと言われるものは沢山います。

その中でもオーストラリアに生息するイルカンジクラゲはちょっと厄介な奴のようで・・・・・。

イルカンジクラゲの生態

イルカンジクラゲはオーストラリア北部の海に生息しているクラゲです。

1952年オーストラリアの先住民、アボリジニにちなんで命名されたのですが、小さくて透明なクラゲなので、その正体を目撃することはなかなか難しく、詳しいことはあまりわかっていないというのが実情のようです。

 

イルカンジクラゲは立方体のクラゲの一種で、3㎝四方のほどの小さな体、そして体に似合わない最大50㎝もある刺胞触手を何本も持っています。

水中で刺されても、その痛みにすぐには気づかず、しばらくたってから、その痛みに気付き、痛みは数分から数時間続くと言われています。

イルカンジクラゲに刺された時の症状

イルカンジクラゲに刺されると、しばらくたってから背中や胸の辺りに激痛が走ります。

その毒性はコブラの100倍、タランチュラの1000倍とも言われています、

 

血圧が上がり、最高血圧は300近くになることもあり、急激な血圧上昇により、強い精神不安などの症状が引き起こされ、中には死亡した例もあるのだとか。

イルカンジクラゲによるこれらの症状は、知覚麻痺剤さえも効き目のない、イルカンジ症候群と言われています。

先述したように詳しい生態や毒の仕組みがあまりわかっていないことから、ワクチンなどもいまだにない状態で、とても注意が必要なクラゲなのです。

イルカンジクラゲによる事例

海水中で溺れて死亡した例のうち、毒クラゲに刺され、それが原因で溺れたと考えられるものもいくつかあります。

その中のクラゲにはイルカンジクラゲも多いに含まれているのではないかというのが、専門家などの考え方のようです。

ただ、いかんせん、何度も繰り返しますが、その存在を見つけることが非常に難しいことから、特定することは難しく、曖昧なままになっているというのが実情。

イルカンジクラゲの被害を防ぐためには

イルカンジクラゲはオーストラリアに生息しているクラゲですから、現在は日本にはいないことになっています。

しかし、この小ささ、そして近年の異常気象などで、いつ何時日本に流れ込んでくるかはわかりません。

 

ましてや発見しづらいとなれば、被害が最初に出てしまう可能性も大いにあるということになります。

他のクラゲの被害も含め、やはりクラゲのいる海岸での海水浴には対策が必要です。

 

クラゲ除けのローションやクリームはしっかりと体全体に塗って、乾燥させることが必要です。

塗り残しや乾燥させる前に海水に入ってしまったりすると、その部分をクラゲに刺されることにもなりかねません。

また、商業用ではありますが、クラゲ除けのネットなども販売されています。

 

個人的に使うのは無理ですが、クラゲの多い海水浴場ではネットによる防御も必要になってくるかもしれません。

いづれにしてもこの夏、皆さん、くれぐれも毒クラゲにはご注意を!

特にオーストラリアにご旅行を考えられている方は、うかつに海に入らないで、情報をしっかりと集めて、対策を練ってから入って下さいね!!

イルカンジクラゲのまとめ

イルカンジクラゲはオーストラリア北東部の海岸に生息している、立方クラゲの一種。

3㎝四方程度の小型で、数十㎝の刺胞触手が何本もあり、中には50㎝ほどにもなる触手もある。

 

小さくて最初は刺されたことに気づかずにいても、数分から数時間経つと背中や胸に激痛が走り、急激に血圧が上昇する。

一般にイルカンジクラゲに刺されたことによる症状をイルカンジクラゲ症候群と呼び、効果的なワクチンなどはまだ開発されていない。

(ライター ナオ)