皆さんは、カブトエビとカブトガニをご存知でしょうか。
そして、その両者の「違い」をご存知ですか?
今回は、違いについてご紹介いたします。
カブトエビって?
まず、カブトエビについてご紹介いたします。淡水性の原始的な小型甲殻類で、鰓脚綱葉脚亜綱背甲目カブトエビ科に属しています。
分類上ミジンコ類と近い存在と考えられております。日本国内では、『アメリカカブトエビ』『ヨーロッパカブトエビ』『アジアカブトエビ』の3種類が見られます。
それぞれ、アメリカカブトエビは関東から西の地域、ヨーロッパカブトエビは、山形県・長野県、アジアカブトエビは鳥取・近畿地方にいます。
アジアカブトエビについては在来種と考えられています。
カブトエビは、6~7月の夏ごろ、田んぼで大量発生します。成長速度・生存期間は水温によって異なります。
水温が21°Cの場合、それぞれ産卵をする時期は、アジアカブトエビは8日目、アメリカカブトエビは2日後の10日目、ヨーロッパカブトエビは8日後の16日目からだそうです。
卵は、乾燥に強く水田の様な頻繁に干上がりやすい浅い水たまり、または、池などの環境に適応していると考えられており、田んぼの水抜きで水が枯れる頃には泥中に残っています。
雑食性の生き物で、泥中にある動植物の遺体の破片、小型藻類、プランクトンを泥と共に捕食します。
頭部の形がカブトガニに似ている為、間違えられることがあるようです。
細長い腹部とその先から鞭状に伸びた2本の尾は、ホウネンエビ・カイエビ・ホウネンエビに似ています。
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カブトガニって?
干潟の泥の溜まった海底に生息しています。
日本国内では、瀬戸内海と九州北部の沿岸部に広く生息した過去がありますが、在では生息地の環境破壊が進み生息数・生息地域ともに激減していますが、現在では、岡山県、山口県、愛媛県、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県での生息が確認されています。
夏に産卵期を迎えます。
カブトガニの幼生は、孵化する以前に卵の中で数回の脱皮を行いながら成長し、それに合わせて卵自体も大きくなっていく特徴があります。
交尾の際、メスの脚は鋏状となっており、オスの脚は鈎状になっている為、がっちりとメスを捕縛して行います。
その為、カブトガニのオスや大型魚類、ウミガメなどに掴まる習性があり、その捕縛力も極めて強いそうです。
この掴まる習性は、それぞれ錯覚によって起こるものと考えられています。
カブトガニは、①休息②背を下に向ける反転③餌探し・探索④砂掘りの行動パターンに分類することできます。
1日のうち9割の時間は休息の時間になり、断続的な活動の大半はゴカイなどの餌探しに費やします。
昔、田畑の肥料や釣りの餌、家畜の飼料として使われていました。
また一部地域では食用として食されていたこともありますが、不味いそうです。
カブトエビとカブトガニって何が違うの?
カブトエビの場合:甲羅は平らに開いて背甲となっており、触角の先から触角状の突起が伸び、外見上の触角となっています。
その体形から泥に沈むことはありません。カブトエビは、甲殻類の為エビに近い生き物になります。
カブトガニの場合:甲殻類ではありません。カニよりはクモやサソリに近い存在で幼生の時は、三葉虫に似ています。
(幼生名:三葉虫型) 絶滅危惧種に指定され、日本では佐賀県、岡山県が国の天然記念物に、愛媛県が県の天然記念物に指定されています。
カブトエビとカブトガニの違のまとめ
いかがでしたでしょうか。
両者とも、原始的な特性を現在に受け継いでいる生きた化石であることは共通しているので、田んぼなどで発見した際やペットショップなどで売られている姿を見かけたらぜひ観察してみてください。
(ライター:Teyo)